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「まだまだ置ける」と調子に乗って増車するうちに、気づけばガレージ内は過密状態…。ギッチリ詰めすぎてバイクの出し入れもままならない時に重宝するのが、押して移動できるスタンド「ガレージレボ」だ。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:ガレージレボ[向山鉄工]
滑らかに回るキャスターで押し引き楽々。ガレージの壁際に寄せたり、ピッタリ並べたバイクの間から1台だけを余裕で引き出せる
ガレージ内でバイクの台数が増えてくると、メンテナンスのたびに出し入れしたり工具箱にたどり着くための導線を確保したり、と苦労も増える。増やし過ぎが原因なのは言われるまでもないが、ガレージがあれば増やしたくなるのも真実。
そんな悩みを解消するのが、移動式バイクスタンドの「ガレージレボ」だ。開発者の向山弘康氏の本業は金属板金加工業で、趣味のバイクを何台も所有し、車両の入れ替えだけでもひと仕事という実体験があった。センタースタンドで直立するバイクとサイドスタンドで傾くバイクは寄せられないし、バイクスタンドやメンテナンススタンドはその場で固定する物なので、セットすると位置の調整が難しい。
そうした中で思いついたのが、キャスターで自在に移動できるバイクスタンドだった。仕事柄、金属部品作りはお手のものだが、ビッグバイクを安定して持ち上げられる強度と移動が可能なメカニズムの両立が難しい。当初はスタンド自体にキャスターを取り付ける構造を検討したが、それでは狙った性能が得られず、スタンド部分とフレーム部分を分割するセパレート構造を発想。
スタンドの外側にフレームを配置することでキャスター部分の安定性が向上し、スタンドとのジョイント位置を工夫することで軽い力でスタンドを上げられるのも特長だ。左右のフレームによって通常のメンテスタンドより全体の幅は広がるものの、セット後にバイクを前後左右に動かせるので使用時に不都合はない。
ガレージレボのメリットは、何といってもスタンドを掛けた状態でバイクを動かせること。ガレージの壁際に寄せたり、ピッタリ並べたバイクの間から1台だけを引き出すのも余裕でできる。キャスターをロックすれば車体が固定されるので、メンテナンスもそのままできる。作業前の車両の出し入れが面倒、スペースを有効に使いたいサンデーメカニックに最適のガレージアイテムである。
左右のフレームに付く大径キャスターとスタンドのキャスターの6輪が設置することでスムーズに移動できる(6輪はSTDショートタイプの場合。スタンドのハンドルが長いSTDタイプは5輪)。STDショートタイプの価格は3万5445円(税抜)。安心の永久保証付きだ。
スペースを有効に使える壁際ギリ寄せ
センタースタンドはバイクを直立させられるのが利点だが、スタンドの足の位置を考慮しないと下がり過ぎて壁にゴツン!! ということもある。ガレージレボならバイクにセットしてから移動できるので、前後左右とも壁際ギリギリまで寄せられる。また、フロントフォークとハンドルを持って引き出すことができる。
サイドスタンドから引き起こす際も不安なし!!
機種によって異なるが、’08年式スポーツスター(XL1200L/純正マフラー)の場合、アクスルシャフトは貫通タイプなので、ガレージレボの貫通シャフトを差し込む。
マフラーとスイングアームの隙間が狭いので、サイレンサーの外側からセット。
右から左に通した貫通シャフトに抜け止めのスナップピンを差し込む。
左側のキャスターは接地し、右側は浮いた状態から車体をゆっくり引き起こす。
フレームの幅が広いため、左右のキャスターが接地して直立状態になっても安定している。スタンドを掛ける際も上下動の変化が小さいので不安がない。
ロックピンを押し込めばスタンドが固定されて自由に押し歩くことができる。
隣のバイクと接近していてもバランスを崩さず移動できるのが大きな利点だ。
機種に合わせた貫通シャフトを製作
貫通タイプのアクスルシャフトを採用したバイクにも、スイングアームにフックボルトが付くバイクにも対応できる(右は貫通アクスル用)。アクスル穴径が大きいドゥカティやBMWの片持ちホイール用には、専用設計のアダプター仕様(左)のスタンドも販売中。
ホイール径や作業内容に応じてスタンド支持部の高さは5段階に調整できる。リフトアップ量が小さい方が軽い力でスタンドを掛けられるので、タイヤが浮くギリギリの高さにセットするのがコツ。
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