タイチ ドライマスターアローシューズ試用インプレッション【フィット感&操作性良好】

タイチ ドライマスターアローシューズ

10年も前に画期的なBOAシステムをライディングシューズにいち早く採り入れるなど、このジャンルをリードしてきたタイチ。その新作「ドライマスターアローシューズ」はインパクト大だ。かかと部分の大型プロテクターはその筆頭であり、欧州の安全規格CEレベル1を取得。さらに透湿防水性も有している。


●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:RSタイチ

[◯] 想像以上に歩きやすくフィット感にも優れる

EU加盟国の基準適合マークであるCE。ライダーの間ではプロテクターの保護能力の目安として知られるようになったが、実はジャケット単体やグローブなど、さまざまなものにこれが定められている。フットウエアも例外ではなく、たとえば倒れてきたバイクに挟まれてもブーツがつぶれないかなど、計8つの厳しい基準項目を設定。そして、それをパスしたのがタイチの新作「ドライマスターアローシューズ」だ。

かかとの大型プロテクターに目が行きがちだが、実はくるぶしやつま先にもインナープロテクターが挿入されている。ところが、履いてしまうとそれらの存在は微塵も感じさせず、BOAシステムによる均等な締め付け具合もあって、フィット感は非常にいい。歩行についても一般的なスニーカーとほぼ変わらず、わずかにローリングするような足の運びやすさもあり、非常に好印象だ。

バイクの操作系について。短時間しか試せなかったが、シフトペダルのつま先の入れ替えやリヤブレーキの踏み心地、車体をホールドした際の感触など、基本的な印象はタイチの他のラインナップと大きく変わらない。長年のシューズ作りで培われてきたノウハウを感じる部分だ。

【タイチ ドライマスターアローシューズ】サイズは23.0cmから29.0cmまで13種類を揃えるが、カラーによっては設定されていないサイズがあるので、気になる方は公式サイトにてチェックを。アッパーのサイドやかかとには小さいながらもリフレクターが装備されており、夜間走行時の被視認性アップに貢献。ヨーロッパの安全規格CEレベル1を取得。 ●サイズ:23~29cm ●色:黒×橙 灰 黒 黒×赤 黒×白 ●価格:2万1780円

【透湿防水ドライマスターを採用】タイチのオリジナル透湿防水素材であるドライマスターを採用。縫い目を極力少なくしたアッパーとすることで、さらに防水性を高めている。ちなみにアッパーの素材は人工皮革83%/ナイロン8%/TPU8%で、しなやかに屈曲するので歩きやすい。

シフトペダルが接する左足のアッパーはシフトガードを装備する。このつま先にもインナープロテクターが内蔵されており、シフトチェンジの際の痛みを軽減する効果あり。

内外のくるぶしを保護する目的で設けられたアウタープロテクター。アクシデント時に脱げにくいというのもハイカットを採用した理由のひとつであり、安心感をも生んでいる。

ワイヤークロージャーの元祖であるBOAシステム。ワイヤーレースを巻き取るダイヤルはタンの最上部にレイアウトされ、引き上げると瞬時にリリースされる。履き口は分割構造で、歩きやすい仕様となっている。

【かかとを保護するプロテクター】まるで最新のトレイルランニングシューズのように、後方へミッドソールが飛び出しており、見た目にもインパクト大だ。アクシデント時の衝撃を緩和するのが目的で、さらにかかとの内部にもインナープロテクターを装備している。

【ソールはオリジナル】オリジナルデザインのソールを採用。かかとをはじめ外側へのボリュームを増やすことで、アクシデント時に衝撃が伝わりにくくなることを狙う。なお、土踏まずの段差が少ないので好みは分かれそう。

[△] 出っ張っているので階段は注意が必要か

かかとが大きく出っ張っているので、階段を降りるときなどに引っ掛けるかも。慣れるまでは要注意!

[こんな人におすすめ] 奇抜な見た目と高い保護能力のマリアージュ

国内ブランドでCEを取得しているライディングシューズが見当たらないことから、タイチの志の高さが伝わるだろう。BOAシステムは締め付け力の部分的な調整こそできないが、着脱のしやすさを含むトータル性能は非常に高い。


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