鈴鹿のレーシングスクールも名称変更

HRCが新ロゴ採用&4輪機能を追加! “モータースポーツのホンダ”DNAを後世へ

Hondaが2022年のモータースポーツ活動計画の発表会を青山本社で行い、国内外の2輪・4輪のチーム体制を明らかにした。これまで2輪レースを専門に行なってきたHRC(ホンダレーシングコーポレーション)は、4輪レース機能も兼任することになる。


●文/写真: 佐藤寿宏

Honda 2022年のモータースポーツ活動計画を発表

三部敏宏取締役 代表執行役社長。

まずリニューアルされたHRCロゴの入ったシャツに身を包んだ三部敏宏取締役 代表執行役社長がステージに立ち、Hondaとレースの関わり合いを説明。モータースポーツは“Hondaのカルチャー”の大きな結晶であり、今年も多くのカテゴリー、レースにチャレンジしていくとコメント。さらにモータースポーツをサステナブルでより魅力的な存在にすることを目指して、電動化に加えカーボンニュートラル燃料や燃料技術にもチャレンジしていくと言う。

そしてこれまで2輪レース活動を運営してきたHRC(ホンダレーシングコーポレーション)に4輪機能を追加。2輪部門は、引き続き埼玉県朝霞市に、4輪部門を栃木県さくら市に拠点を置くことになり、2輪、4輪の分野でそれぞれが持っている技術、運営での効率化を図り、HondaのDNAであるモータースポーツを将来に向けて継承していけるよう強い基盤を築くと説明した。

渡辺康治執行職 ブランド・コミュニケーション本部長。

そして渡辺康治執行職 ブランド・コミュニケーション本部長がMotoGPから体制を発表。マルク・マルケスからはムービーでメッセージが届けられ、元気そうなところが見られたが、昨年負った視覚障害が、まだ完治していないようで、2月5日からマレーシア・セパンサーキットで始まるオフィシャルテストに参加できるかは微妙な状況のようだ。

そしてステージに上がったのは、MotoGPの中上貴晶、Moto2の小椋藍、Moto3の古里太陽、ブリティッシュスーパーバイクの高橋巧、水野涼、全日本ロードレースの名越哲平、全日本モトクロスの大城魁之輔、大倉由揮、全日本トライアルの小川友幸、氏川政哉という面々。

登壇した全員で集合写真。この模様はYOUTUBE動画でも配信された。

2輪では、中上と小川が代表して意気込みをコメント。中上は「MotoGPクラスで5年目を迎えます。初優勝を目指す中で、シーズンを通してチャンピオン争いを演じられるように精進して行きます」と語れば「10連覇、12回目のチャンピオンを目指します」と小川。

MotoGPは、昨年と同じくマルケスとポル・エスパルガロがRepsol Honda Team、中上がLCR Honda IDEMITSU、アレックス・マルケスがLCR Honda CASTROLと2チーム4台での参戦となる。

青山博一監督率いるIDEMITSU Honda Team Asiaは、Moto2の小椋藍、ソムキアット・チャントラは昨年と同様だが、Moto3は、総入れ替えとなり、昨年アジアタレントカップでチャンピオンとなった古里太陽・16歳とマリオ・アジ・17歳という若手を起用する。

スーパーバイク世界選手権(SBK)は、Team HRCに昨年は、Tech3 KTMでMotoGPを走っていたイケル・レクオーナとMoto2を走っていたチャビ・ビエルゲが加入。それぞれ22歳、24歳という若いコンビに一新した。MIE Racing Honda Teamは、レアンドロ・メルカドが残留し、Moto2を走っていたハフィス・シャーリンが加わり2台体制で臨む。

世界耐久選手権(EWC)は、F.C.C. TSR Honda Franceがジョシュ・フックとマイク・ディ・メッリオが継続。高橋裕紀にかわり、ジーノ・レイが加わることになっている。

全日本ロードレースの主要チームも明らかにされ、JSB1000クラスは、Honda Dream RT 桜井ホンダの濱原颯道、TOHO Racingに移籍した清成龍一、Murayama.Honda Dream RTの秋吉耕佑、Team ATJの岩田悟、ST1000からスイッチするAstemo Honda Dream SI Racingの作本輝介、SDG Motor Sports RT HARC-PRO.の榎戸育寛となる。名越のチーム名は、SDG Honda Racingとなっているが、HARC-PRO.からのエントリーとなる。

ST1000クラスは、ゼッケン1をつけるAstemo Honda Dream SI Racingの渡辺一馬、再び全日本に主戦場を移すティー・プロ・イノベーションの高橋裕紀、TOHO Racingの國峰啄磨と國川浩道が名を連ねている。

ST600には、ティー・プロ・イノベーションの小山知良を始め、MOTO BUM HONDAの荒川晃大、鈴木光来、伊藤元治、SDG Motor Sports RT HARC-PRO.からは千田俊輝が継続。新たに長島哲太率いるTN45 with MotoUP Racing Teamから西村硝、羽田太河、Astemo Honda Dream SI Racingからムクラダ・サラプーチが全日本ST600に初参戦する。

今回の発表にはなかったが、昨年までMoto3に参戦していた國井勇輝もSDG Motor Sports RT HARC-PRO.からST600にフル参戦。昨年チャンピオンを獲った埜口遥希は、SDG Motor Sports HARC-PRO. Ph.からASB1000に参戦する。

アジアロードレース選手権(ARRC)は、Honda Asia-Dream Racing with SHOWAからザクワン・ザイディとゲリー・サリム、Astemo SI Raing with Thai Hondaからは、パサウィット・ティティワララックと作本輝介の4名が記載されている。ただ、レーススケジュールの関係で作本は、スポット参戦になりそうだ。

鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)をHonda Racing School Suzuka(HRS Suzuka)と名称を変更。カリキュラムを見直し、これまで以上に若手の育成に力を入れていくと言う。

F1を撤退し、MotoGPでも苦戦しているHondaだが、日本のモータースポーツを支える存在であることは変わりない。今回の改革がいい方向に進み、日本のレースシーンが盛り上がることを願ってやまない。

HRCの新ロゴを配したNSX。


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