JNCCをはじめ、ハードを含む国内のエンデューロレースでも見る機会が増えた「丸太セクション」。1本の丸太を攻略する初級の攻略法は以前掲載したが、今回は実際にレースで使用されている連続する丸太セクションにトライ。世界的ライダー・渡辺学選手によるオフロードライディング指南企画『渡辺学のスキルアップラボ』から、連続する丸太セクションを安全に攻略する基礎編〜スピードアップさせるテクニックまで前後編で伝授するゾ!!
●まとめ:ゴーライド編集部(山田晃生) ●写真:長谷川徹 ●取材協力:ウエストポイント
今よりも成績を確実にアップさせる丸太セクション攻略
国内エンデューロシーンではすっかり定着した感のある丸太セクション。目の前に立つと壁のようにも見えるが、トップライダーは何ごともなかったかのようにスムーズに通過していく。しかし、成功の可否にドキドキしているサンデーライダーも多いのではないだろうか? 安全にクリアできる秘訣とはなんだろうか!?
マナブ先生「オフロードヴィレッジで開催されたJNCCやWEXの場合、この丸太セクションが成績アップのカギになると思います。ここでスタックすると大幅なタイムロスになりますし、クリア方法もより速いほうがいいのは間違いない。自信のない人は確実にスタックしない方法を覚えることから始めましょう。難なくクリアできる人であれば、アベレージスピードを上げる練習にトライしてください。このセクションだけでも、3~4秒は短縮できると思いますよ。モトクロスコース区間でのタイムアップはボクでも至難の業ですが、丸太セクションはそれに比べたらタイムを詰めやすいと思います。
基本動作はオフロードの丸太越えテクニックをイチから磨く練習法で紹介したテクニックと同じです。丸太のサイズが異なるだけで、応用すればいいんです。(1)スタンディングで丸太に対して直角に進入。(2)丸太を横から見て、10時のあたりに前輪を上から落とし、その反動を使ってより高く前輪を浮かせる(2度開け)。(3)後輪の通過は惰性を生かす、というのが大まかな流れです。
今回のセクションは連続しているため、次の丸太までに直角に進入する体勢と、2度開けできる余裕を作るのがまず大事。斜め進入のように不安定なままセクションにトライすると、失敗の確率が高くなります。丸太っていうだけで焦ってしまうと思います。ましてや転んでいるライダーがいて自分のラインが塞がれていたら、さらに緊張するかもしれません。でも、とにかく落ち着いて、ひとつずつの動作を確実にこなしていけばクリアできます。しっかり練習して自信をつけてください!」
ウエストポイントオフロードヴィレッジのBコースを使用
’20年のJNCC最終戦や’21年のWEX開幕戦でも使用された丸太が連続するセクションが今回のテーマ。そこで使用するセクションは、ウエストポイントオフロードヴィレッジのBコース横の丸太の連続セクションをチョイスした。
[1] 2本丸太セクション:絶妙な間隔の2連丸太にトライ
簡単なようでいてイヤらしい難しさを秘めたセクション。丸太の間隔がホイールベースに近いため、ペースが速いとリズムを取りにくい。また、進入部から次のタイヤセクションまで微妙なコーナーになっているため、ラインの組み立ても重要になる。
この2連丸太セクションの攻略ポイントは、丸太に対して直角に侵入する/スタンディング/丸太の低い位置を狙うの3点。この3点を念頭に置いて、安全策の1本ずつ越えていく方法と上級者向けに飛び越える方法を紹介しよう。
丸太を1本ずつ攻略
丸太越えの基本フォームであるスタンディングで、丸太に当たった時にマシンの挙動を乱さないように、ヒザをちょっと曲げて緩め、衝撃に対応できるよう準備しておこう。丸太を越える時にヒザが伸びきっていると、不要にサスが入ってしまうからだ。
2本の丸太を飛び越える〈上級者向け〉
1本目の丸太をきっかけに2本目まで飛び越えるテクニック。これは失敗時のダメージも大きいので、まずは1本の丸太(単独で設置されているもの)で飛ぶ練習から始めてほしい。
[2] タイヤセクション:半分埋まったタイヤのセクションにトライ
重機のタイヤを7本並べ、半分ほどが埋められたタイヤセクション。大事なのはラインと乗り越えられるだけの惰性/車速を確保すること。タイヤとタイヤはグリップしないため、乗り越え時はアクセルを閉じた状態であることがマスト。”越えたい”と思うばかり、力んでアクセルを開けすぎると失敗しやすいで注意しよう。タイヤの頂点では止まるくらいのイメージでOKだ。
このタイヤセクション攻略のポイントは、ラインは端すぎずタイヤの真ん中を狙う/惰性で乗り越えられる速度/基本動作は丸太越えと同じの3点。この3点を念頭に置いて、タイヤセクション攻略法を紹介しよう。
ワンポイントアドバイス
後編では、シングル丸太が等間隔で3つ設置された丸太セクションと、ピラミッド型やテーブルトップ型の丸太セクションの攻略法を紹介する。
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
丸太越え練習を実践する前に、丸太へのアプローチの仕方を知ろう エンデューロのいちセクションとして、かなり浸透した感のある"丸太"。何本も積み重ねたモノもあれば、今回登場する小さめの丸太のように単独で置[…]
巻頭特集:CRF250[s]で行く、剣山スーパー林道1600km旅 ホンダ CRF250L[s]とともに四国・剣山スーパー林道を東京から自走で走り倒してきたゴー・ライド副編集長コイによる1600km旅[…]
まずは斜面に慣れるところから始めよう ビギナー参加型のエンデューロレースではコースマーシャルや初心者向けスクールの講師も担当、ジャンプセクションでもかなりの数のライダーたちを指導してきたマナブ先生(=[…]
堅実かつバランス良くノーブレーキ走法&スライド走法をマスターしよう レブリミットまで回して走ると、気分が高揚して速く走れているような気がする。ギャラリーの前でスライドすれば、豪快な自分がカッコよく思え[…]
最新の記事
- 「前時代的? な気合とド根性が現代のMotoGPをさらなる高次元へ」【ノブ青木の上毛グランプリ新聞 Vol.19】
- ミドルクラスの究極ドゥカティ!? 2025新型パニガーレV2/ストリートファイターV2登場
- [2024秋] いま売れ筋のバイクヘルメットTOP5【大型販売店で聞いてみた】1位はSHOEIのフラッグシップ
- 【限定3台】鈴鹿8耐 表彰台マシンのレプリカ「YZF-R1」をYARTが発表!!
- ヤマハが仏電動二輪メーカー「エレクトリックモーション」へ出資
- 1
- 2