スズキは欧州で新型GSX-S1000の発表に続き「GSX-S950」を発表した。排気量は999ccのまま最高出力を95psとし、価格を抑えるために足まわりや電子制御の一部を簡素化。ビッグバイク初心者に門戸を広げる役割を担う。
パワー制限キットで48ps(35kW)化すればA2ライセンスにも対応
スズキは欧州でブランニューモデルの「GSX-S950」を2021年8月に発売する発表。これは欧州の運転免許「A=20歳以上&なんでも運転可能」「A2=18歳以上&排気量は問わないが最高出力35kW(48ps)以下」「A3=16歳以上&125cc以下/15ps以下」のうちA2ライセンスへの対応を主としたモデルだ。
ベースとなっているのは発表されたばかりの新型GSX-S1000で、エンジン排気量は999ccのまま、152ps/11000rpm→95ps/7800rpmへと抑制。これにA2ライセンスキットを用いることで出力を35kW(48ps)まで絞ることができる。2年以上A2ライセンスで運転すればAライセンスへと昇格できるので、その後は95ps仕様に戻すことも可能だ。
欧州ではライセンスが最高出力で区切られるほか、保険料も馬力によって変わる。したがって、廉価にビッグバイクを体験できるモデルは一定の需要があり、600~900ccクラスのスタンダードバイクが人気。スズキはそうした需要のためにGSX-S750をラインナップしてきたが、ここでユーロ5適合のGSX-S950を投入してきたわけだ。
そんな欧州特有の事情から生まれたGSX-S950は、基本的なシャーシやエンジンをGSX-S1000と共有し、アシストスリッパークラッチや現行GSX-S1000に対し19Lに増大した燃料タンク、新しいシートなどはそのまま継承している。
ただし、KYB製倒立フロントフォークからは調整機構が省略されているようで、フロントブレーキキャリパーはブレンボ製からトキコ製に。ハンドルバーはテーパーバーから一般的なサイズのバーハンドルに変更されている。また、電子制御はクイックシフターとパワーモードのS-DMSが省略されたほか、トラクションコントロールシステムは5段階から3段階になった。
ローRPMアシスト機能とイージースタートシステムは引き継がれており、フルLEDの灯火類も継承。カラーリングは白×赤、艶消し黒、青の3色がラインナップされる。欧州における発売時期は2021年8月で、価格は未発表だ。
SUZUKI GSX-S950[E.U. 2021 model]
【SUZUKI GSX-S950[E.U. 2021 model]】主要諸元■全長2115 全幅810 全高1080 軸距1460 シート高810(各mm) 車重214kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 999cc 95ps/7800rpm 9.38kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量19L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●価格:未発表 ●色:白×赤、艶消し黒、青 ●発売時期:2021年8月 ※諸元や価格等は全て欧州仕様
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