ドゥカティを代表するネイキッドモデル

ドゥカティ新型「モンスター」国内正式発表! シート高775mmのフレンドリーな怪物

ドゥカティジャパンは、フルモデルチェンジした新型モンスターの日本仕様を正式発表。2021年6月26日に発売すると発表した。価格はすでに公式サイトで公開されていたが、新たに日本仕様独自のスペックも明らかになっている。


●文:ヤングマシン編集部 ●写真:長谷川徹 ●取材協力:ドゥカティジャパン

ローシート+ローサスペンションだが、ただのローダウンじゃない!

ドゥカティジャパンは日本仕様の新型モンスターを正式発表した。車名からは排気量を表す数字がなくなり、937ccのV型2気筒エンジンを搭載。価格は標準モデルが144万5000円~146万5000円、マイクロビキニカウルとパッセンジャーシートカバーを装着したモンスター+が149万5000円~151万5000円と既報通りで、新たに発売日:2021年6月26日と、日本仕様専用スペックのシート高775mmが明らかにされた。

シート高は本国仕様の標準が820mmで、これにローシートを装着することで800mmに。さらに、本国ではアクセサリー扱いのローサスペンションキットを標準装着することで775mmを実現している。とはいえ、ただのショートサスペンションではなく、ストローク量は変えずスプリングレートなどで車高を下げているので、モンスターらしい走りは健在だ。

1993年に初代モンスターが登場して以来、ネイキッドを単なる素のバイクではなくモーターサイクルの本質を追求する存在としてドゥカティは解釈してきたが、最新のモンスターはこのコンセプトを継承しながら、新たな次元へと飛躍する。

2021年6月24日発売のヤングマシン8月号で詳細なインプレッションをお届けする予定だ。

ドゥカティ新型モンスターのライディングポジション|ライダーは丸山浩 身長168cm/61kg

【DUCATI MONSTER+[2021 model]】主要諸元■全長/全幅/全高未発表 軸距1474 シート高775(各mm) 車重188kg(装備)■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 937cc 111ps/9250rpm 9.5kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量14L■キャスター24°/トレール93mm ブレーキF=φ320mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ245mmディスク+2ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:149万5000円~151万5000円(STDモンスターは144万5000円~146万5000円・受注生産) ●色:赤、灰、黒 ●発売日:2021年6月26日

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エスプレッソよりも濃い「リストレット」

初代モンスターは、当時のスーパーバイク・851/888系のトレリスフレームに親しみやすい空冷Lツインエンジンを搭載。そして今回の新型モンスターも、最新スーパーバイク・パニガーレV4に通じるアルミ製モノコック構造の“フロントフレーム”に937cc水冷Lツインエンジンという組み合わせ。これこそがモンスターらしさの基幹となっている。

さらに、デザイン上も丸いヘッドライトとバッファローを思わせる燃料タンクのラインを各世代にわたって継承してきており、新型もそのエッセンスを凝縮した佇まいとなっている。

コーヒーを濃く抽出したエスプレッソよりも、さらに濃く淹れたショートショットの「リストレット」というものがあり、これが新型モンスターのキーワード。ドゥカティの本質やテイスト、そしてモンスターの持つエネルギー感の凝縮といったもののたとえとして表現したものだ。

DUCATI MONSTER+[2021 model]

新型モンスターのコンセプトは?

新型モンスターは、1993年の初代から数えて第4世代。パニガーレV4直系のストリートファイターV4が登場していることを受けて、スポーツ性の最高峰を狙ったネイキッドの座はそちらに譲り、改めてモンスターらしさを問い直したかのような造りになっている。

フレームは最新パニガーレV4系に通じるアルミ製フロントフレームとし、従来のトレリス部分がなくなったことでニーグリップ部は極端なまでにスリム化。実質的に後バンクのシリンダーヘッド幅とほぼイコールで、単気筒と変わらないLツインのスリムさを最大限に活かしている。

これにグラスファイバーを練り込んだ樹脂製のシートフレームや、剛性バランスを最適化したうえで大幅な軽量化を可能とする両持ちスイングアームを組み合わせ、エンジンはスーパースポーツ950やムルティストラーダ950、ハイパーモタード950で定評のある水冷Vツインを搭載する。ちなみにスーパースポーツ950/ムルティストラーダ950に対し、ハイパーモタード950/新型モンスターは圧縮比や最高出力などの数値が微妙に異なっている。

まさしくスーパーバイク系のフレームにストリート向けのエンジンを搭載する、という初代モンスターの文法に則っており、従来モデルの797、821、1200というラインナップが担っていたレンジを1台でカバーしようという意欲作だ。

また、937ccの排気量を持ちながら従来の最少モデルであるモンスター821に対し18kgもの軽量化を達成しているのも見逃せない。フレーム重量は821の7.5kgに対し3.0kgと、重量比はわずか40%に過ぎず、そのほかにもホイールで-1.7kg、スイングアームは-1.6kg、サブフレームは-1.9kg、エンジン単体でも-2.6kgを実現している。

こうしてモンスターの本質を追求したことで、レーシングライダーから小柄な初心者までが平等に楽しめる1台に仕上げたのだ。

エンジンは2.6kgの軽量化。

全てのコンポーネントで軽量化を追求。

最高出力だけでなく全域でパワーアップしている。

特に低中回転のトルクアップに注目したい。

次世代ネイキッドのデザインをモンスターらしさにプラス!

ドゥカティのオフィシャル写真が出回ったとき、ヘッドライト周辺のDRL(デイタイムランニングライト)が盾型をしていること以外に大きな特徴は感じられなかったが、実物を撮影してみるとヘッドライトの構造や意匠はかなり凝ったものだということがわかった。やはりドゥカティは実車を見てみるまでわからない。

どこかにクラシカルなバイクらしさを漂わせる丸目ヘッドライトだが、実際にはLEDプロジェクターの光源を中央に配置した構造で、今までにない雰囲気を漂わせている。もちろんDRLに切り替えれば周囲だけが光るし、暗い場所ではオートライト機能が働いて自動的に中央のライトが点灯する。

左右分割パネルで着せ替えも簡単にできる燃料タンクカバーや、足元をスッキリ見せるショートフェンダー、右2本出しショートマフラーなども新鮮だ。

また、フロントフレームがコンパクトなことからシリンダーがライダーの膝に直接触れてしまうのを防ぐよう、樹脂製カバーで覆われているのも従来のモンスターとは異なる点。シートフレームはグラスファイバーを練り込んだ強靭な樹脂製とされ、表面にはハニカム調の紋様が刻まれている。ラジエターシュラウドに配置されたフロントウインカーはシーケンシャルタイプだ。

低く構えた丸目ヘッドライトと、バッファローの背中を思わせる燃料タンクのライン、そしてニーグリップ部分のエグリがモンスターらしさとして継承されてきた。

DUCATI MONSTER+[2021 model]ディテール

メーターはスーパーバイク系などに準じた表示が可能なフルカラーTFTだ。電子制御はトラクションコントロールシステム、上下対応クイックシフト、ABSなど最新のものをまんべんなく装備。

ヘッドライトユニット周囲にDRLを配置し、中央のヘッドライト点灯時にはポジションランプとして機能。ライトケース内部の造形も凝ったものとされている。

ニーグリップ部分が非常にスリムな燃料タンク。左右パネルを交換することで着せ替えも簡単だ。

モンスター+に標準装備のパッセンジャーシートカバー。シートカウル横にはエアスクープも。

フロントブレーキにはブレンボ製M4.32 4ピストンのモノブロックキャリパーをラジアルマウント。

両持ちスイングアームとタンデムステップホルダーの形状には共通性を持たせている。

右2本出しのショートマフラーはエンドピースの形状も凝ったもの。エンジン下に膨張室を配置している。

後バンクシリンダーやフロントフレームの後半部分は樹脂カバーで覆われる。遮熱目的以外に、造形としても新しい。

DUCATI MONSTER+[2021 model]

DUCATI MONSTER+[2021 model]

DUCATI MONSTER+[2021 model]

DUCATI MONSTER+[2021 model]

【映像】丸山浩の速攻インプレ前後編【MOTOR STATION TV】


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