ドゥカティジャパンは、これまで「スーパースポーツ」として販売してきたツーリングスポーツモデルをアップデートし、さらに「スーパースポーツ950」と車名を変更して5月29日(土)より販売を開始する。同車には2グレードが揃っており、車両価格はスタンダード(受注生産)が170万5000円、Sバージョンが189万9000円~192万9000円となっている。
●文:山下剛 ●写真:ドゥカティジャパン
ユーロ5に適合した水冷Lツインと、最新へとアップデートした電子制御システム
スーパースポーツ950は、鋼管トレリスフレームに水冷Lツインエンジンを搭載したモデルで、サーキットからツーリングまで日常的なシチュエーションでスポーツライディングを楽しめることを主眼としている。ミドルクラスのフルカウルロードスポーツが少ない現代において、貴重な存在感を持つバイクでもある。
このたびのアップデートでは、水冷Lツインエンジン『テスタストレッタ11°』の排気量、最高出力と最大トルクをそのままでユーロ5に適合させつつ、電子制御システムや装備類、外装パーツを正常進化させたものとなっている。
まず目につくのは、イメージを一新したエクステリアだ。ヘッドライトからサイド、アンダーにかけてのフェアリングデザインが変更され、パニガーレシリーズの意匠を継承したものとなった。これによりエアフローが高効率化し、エンジンの冷却効果を高めている。また、フルLEDヘッドライトも新たなデザインとなっている。シートはフォームの肉厚を増して快適性を高め、バックミラーの形状も新しくなった。
電子制御システムでは、ボッシュ製6軸IMUを採用し、コーナリングABSやトラクションコントロール(DTC EVO)などをより高精度に制御するようになっている。また、加速時に前輪の浮き上がりを防ぐドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC EVO)を新たに採用し、安全性を高めている。これらは3種のライディングモードに応じて適切な設定へと自動変更される。なお、DTC EVOは8段階、DWC EVOは4段階、コーナリングABSは3段階の幅を持っている。また、オートシフター(DQS)も装備する。
ライディングモードは、スポーツ、ツーリング、アーバンの3種が設定される。最高出力はスポーツとツーリングではフルパワーの110psだが、アーバンでは75psに制限される設定だ。
水冷L型2気筒エンジンは、3500rpmで最大トルクの80%を発生するため低回転域でも扱いやすく、5000~9000rpmで最大トルクの90%を生み出す。トランスミッションの設計を見直し、より正確なギアの噛合を実現したことでニュートラルに入りやすく、シフトチェンジの操作性が向上している。
装備群では、LCD液晶だったメーターが4.3インチフルカラー液晶へと進化。パニガーレV4譲りの視認性と操作性を持ち、必要な情報へのすばやいアクセスを可能とした。クラッチは従来のワイヤー式から油圧式に変更し、操作系にはラジアルポンプマスターシリンダーを採用。クラッチ操作の負担を軽減するとともに、さまざまなライディングスタイルに適合する。形状を刷新したスクリーンは50mmの範囲で2段階に高さ変更が可能だ。
スタンダードとSバージョンのちがいは、前後サスペンションの仕様に加え、パッセンジャーシートカバーとホイールにあしらわれるレッドタグの3点だ。サスペンションは、スタンダードがフロントにマルゾッキ製43mm径倒立フォーク、リヤにザックス製モノショックを装備することに対し、Sバージョンは前後ともにオーリンズ製となり、フロントは48mm径倒立フォーク(TiNコート)となる。いずれの仕様でも前18:20 2021/05/28後サスはフルアジャスタブルだ。
なお、日本国内で販売されるメインはSバージョンで、スタンダードモデルは受注生産となっている。オプションとして、ハイスクリーン、グリップヒーター、パニアケースがセットになったツーリングパッケージが用意され、ロングツーリングを快適に楽しめるスポーツツアラーに仕立てることもできる。
DUCATI SUPERSPORT 950/S[2021 model]
【DUCATI SUPERSPORT 950/S[2021 model]】主要諸元■全長― 全幅― 全高― 軸距1478 シート高810(各mm) 車重210kg(装備)■水冷4ストロークL型2気筒DOHC4バルブ 937cc 110ps/9000rpm 9.5kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量16L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:189万9000円=赤、192万9000円=白【170万円5000円】 ●色:赤、白【白】 ●発売日:2021年5月29日 ※【 】内はスタンダード
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