フランスのグローブ専門メーカー・ファイブの新作ウインターモデル「WFXプライムGTX」をテスト。甲と手のひら側で中綿の量を変えているのが特徴。操作性が抜群に良く、そこにファイブの哲学を感じた。モノコックプロテクターがシームレスで装備されるなど、他にも見どころが随所に。
[〇] 冬用特有のズレがなく、高いグリップ感を実現
手のひらにゴートスキンを採用した、ファイブの新作グローブ「WFXプライムGTX」。中綿は米軍の要請により誕生したプリマロフトで、甲側に170g、手のひら側に60gと量を変えることで、装着感を高めているのがポイントだ。
第一印象は「やや硬いかな」だった。しなやかなゴートスキンに何かが貼り付けられているような感触があるのだが、これが透湿防水素材ゴアグリップの特徴のようだ。防寒性を重視した冬用グローブは、表地と裏地の間に中綿や防風フィルムを挟み込むため各層がズレやすいというネガがあるのだが、このグローブはそれが皆無なのだ。加えて手のひら側の中綿量が少ないので、スロットルやレバーを操作しているときの感触が3シーズン用に匹敵するほどダイレクト。これは実に画期的だ。
防寒性については、気温が5℃を下回る日中の高速道路で試したところ、30分ほどで指先がしんしんと冷えてきた。これよりも高い防寒性を誇るグローブもあるが、ファイブは操作性とのちょうど良いバランスを優先してこのグローブを開発したのだろう。
なお、どんなジャケットの袖口も被せられるオーバーサイズカフシステムはなかなかに優秀だ。
[△] グリップヒーターとの相性はいいのだが……
手のひらの中綿が少ない分だけグリップヒーターの熱が伝わりやすいが、そうでない車両は寒いかも。
[こんな人におすすめ] 専門メーカーの技術が結集した新世代グローブ
手元にあるいくつかの冬用グローブと比較したところ、防寒性こそ飛び抜けてはいないが、操作性が抜群に良く、そこにファイブの哲学を感じた。モノコックプロテクターがシームレスで装備されるなど、他にも見どころが随所に。
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