●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:磯部孝夫 ●取材協力:ピレリジャパン
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2日間で1000km超をテストライド。その性能は?
列島を縦断する「SSTR2020」に参加したウィズハーレー編集部。その旅の行程は先日別記事にてレポートしたが、今回のロングライドでは、タイヤをテストするのにも格好の機会となった。試したのは、メッツラーの「ME888マラソンウルトラ」。ファットボブ114に履き、2日間で1000km超を一気にライディングした。
まず早朝の出発時に感じたのは、暖まりの早さ。北米市場で絶大な人気を誇るマラソンシリーズは、あらゆる環境に対応している。というのも、ハーレーが生まれ育ったアメリカの気候は寒暖差が激しく、たとえばコロラド州デンバーでは昼に38度を超える猛暑となったにも関わらず、夜間は氷点下となり雪まで降ってしまう、なんてことも…。
長距離を走るツーリングタイヤに求められる性能は、どんな環境にも素早く対応し、高い性能を安定して発揮すること。ヨーロッパで過酷なテストを繰り返し製品開発するメッツラーだからこそ、こうした要望に応えている。
峠越えのワインディングでは安定したグリップ力を発揮し、乗り手に大きな安心感をもたらす。ファットボブ114のクセのない軽快なハンドリングが際立ち、荒れた路面でもトラクションが抜けない。
コーナーのたびに、ステップ裏のバンクセンサーを路面に擦りつけるほど車体を限界まで寝かし込むようなアグレッシブなライディングを好むなら、同社のクルーズテックに軍配が上がるが、長い距離をゆったりと楽しみたい今回のような長旅なら、ME888に不満は一切ない。
また、グルーブを刻む角度を路面からタイヤにかかる力の向きに応じて変えていることが見てわかる。路面からタイヤにかかる力は、車体のバンク角やタイヤの回転方向によって異なるが、それぞれのバンク角、タイヤの回転方向にあった角度でグルーブを彫ることによって、トレッド面にかかるストレスを軽減し、偏摩耗を抑制しているのだ。
そして、接地面で発生した負荷をサイドウォールに向けて拡散するフラットで広いジオメトリーを採用することで、疲労や摩耗を低減。トレッドパターンのクロスグルーブをコンパウンドブリッジで分断することで、トレッド剛性を高めベルトやカーカスパイルに伝わる負荷も減らした。トレッドパターンに設けられたエッジも、摩耗の均一性向上に貢献。ポリマーを加えることでも耐摩耗性が向上し、ロングライフを実現しているのだ。
首都圏と北陸を往復した後も、ME888のライドフィールを注意深く確かめているが、トレッド全体の摩耗の均一性もあり、グリップ力や軽快性が落ちるなどということがない。雨天時には排水性の高さを感じることができ、ウェット性能も申し分なし。サイズ展開も豊富で、幅広いハーレー乗りに自信を持ってオススメできる。
さすがはハーレーの本場アメリカで高く評価されるだけのことはある。ロングツーリングで最高のパフォーマンスを発揮するよう、プロファイル/構造/トレッドパターン/コンパウンドなどを徹底追求し、大陸横断をも実現するロングライフ性能を獲得していると言える。
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