●文:ヤングマシン編集部
初の走行モードまで獲得。よりパンチのある走りに
“ナナハン版カブ”と評されるほど、実用的な走りと使い勝手に優れるホンダNC750X。今回のビッグチェンジは、その魅力に一段と磨きをかけるものだ。欧州発表の新型は、現行をベースにほぼ全身をリファイン。心臓部は、電制スロットルの初採用や吸排気系の変更などで最高回転数を600rpm高め、3.8ps&0.1kg‐m増を達成した。合わせて1〜3速をショート化し、キビキビした走りをもたらす。さらにNC初の走行モードを獲得。4パターンから選択でき、DCTもこれに連動する。加えてトラクションコントロールは2→3レベルに増加。MT仕様はスリッパークラッチも新採用した。
【’21 HONDANC750X/DCT】■水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 745cc 58.6ps/6750rpm 7.04kg-m/4750rpm ■装備重量214<224>kg シート高800mm 変速機6段リターン<6段DCT> 燃料タンク容量14.1L ■タイヤF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ●予想価格:95万円前後/100万円前後 ●予想発売時期:’21年2月頃 ※< >内はDCT 諸元は欧州仕様
【カラーバリエーション】従来のイメージと異なる、ソリッドな「グランプリレッド」を投入。ツヤ消し黒、パール白、メタリック青の4色から選べる。車体色はSTD/DCT仕様とも共通だ。
新型は軽量化もトピック。鋼管フレームはパイプの厚みや構成を最適化し、単体で1.8kg減。エンジンは1.2kg減となるなど各部の軽量化も進め、トータルで6kgもの削減を果たした。力強いエンジンと合わせ、より爽快な走りが楽しめるだろう。なおサスペンションはショート化され、シート高は30mm減の800mmに。これはローダウン仕様が標準の現行国内モデルと同じ数値。日本も同様のシート高となるか。
さらにNC名物のメットインは容量を1L拡大。力強くなったスタイルや、新メーターも獲得するなど、まさに全方位的に進化を遂げたと言える。
外装は全面刷新。ステップまわり~テールのラインが滑らかになるなどカタマリ感が増した。シート下のサイドカバーはスリム化されている。
サイドパネルのボリュームが増し、迫力アップ。新形状スクリーンと合わせ、高い防風性が期待できる。ウインカーもLED化で小型になった。
上から見ると、筋肉質な車体前半部に対し、フロントシートのサイド部分がフラットに。足着き性の向上が期待できそうだ。全幅は従来比1mm増とほぼ同じ。
【車高を落としつつシャープに】写真左/右は’20/’21欧州仕様。’20ではサスペンショントラベル量は前153.5&後150mmだったが、’21では前後とも日本仕様と同じ120mmにショート化。全高と最低地上高が20mm減少した。キャスター角やトレール量に変更はない。
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【’20 NC750X】’12年に登場した初代700は、60万円台という驚きのコスパで大ヒット。割り切って低中速を重視した並列2気筒や共通設計によるコストダウンの賜物だった。’14年にボア拡大で750に。’16で前後LEDライトの採用やサス変更などを行い、以降も熟成を重ねた。
【+4ps/-1.2kg:電スロ投入&DCTも進化】電子制御スロットルスロットル+走行モードを獲得。3パターンのほか、カスタム可能なユーザーモードを搭載する。DCTはモードに応じて特性が変化。さらにアクセル開閉時にクラッチをわずかに制御し、より自然なフィーリングとなる新機構も採用した。
【メットインは容量を23Lに拡大】通常のタンク部をラゲッジスペースとして活用する本作。新型は内部形状の改良により容量を22→23Lに拡大し、バイザー付きフルフェイスも収納可能になった。タンクバッグなどの装着に使えるリッド上面のレールもタフなイメージに変更。
【凛々しい5灯LED】LEDヘッドライトは、従来の上下2灯に対し5灯でイメージチェンジ。ローで上3灯、ハイで全灯が光る。テールライトも新作だ。
【新LCDで機能拡張】メーターは、液晶部分がより大きい新作に変更。中央にある速度計の右にライディングモードの状態、トラクションコントロール設定などを集約して表示する。
【シート高を下げつつ、座り心地も快適に】シートは高級感あるデザインに。シンプルな前後分割の従来型に対し、パンチングとフラットな表皮を使い分ける。シート下燃料タンクは継続で、容量も不変だ。
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