レーサー岡崎静夏がじっくり乗ってみました!

岡崎静夏のホンダCT125ハンターカブ試乗インプレ【前編|本格志向の走りこそが魅力】


●文:ヤングマシン編集部(高橋剛) ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン

岡崎静夏のホンダCT125ハンターカブ試乗インプレッション
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【岡崎静夏(おかざき・しずか)】チャーミングな笑顔でも、中身はスパルタンな”バイクフリーク”。’09~’10年のMFJレディースロードレースで2年連続王者に。全日本はGP-MONOを経て’12年からJ-GP3に参戦中。

ホンダCT125ハンターカブ

’19年東京モーターショーでコンセプトモデルが発表されると大反響を巻き起こしたハンターカブ。利便性の高いスーパーカブC125をベースに、オフロードテイスト& 性能を散りばめた。’61年発売のCA100Tに端を発する由緒あるモデルだが、フロントABSなど現代的装備を奢る。

【’20 HONDA CT125 HUNTER CUB】主要諸元■全長1960 全幅805 全高1085 軸距1255 シート高800(各mm) 車重120kg ■空冷4スト単気筒OHC4バルブ124cc 最高出力8.8ps/7000rpm 最大トルク1.1kg-m/4500rpm 4段リターン(停車時のみロータリー式) 燃料タンク容量5.3L ■タイヤサイズF=80/90-17 R=80/90-17 ●色:グローイングレッド マットフレスコブラウン ●価格:44万円

本格指向の走りこそがハンターカブの魅力!

ちまたで大人気のCT125ハンターカブ。しばらくお借りして乗っている間、たくさんの方たちから「どう? どうなの?」と聞かれ、注目度の高さがヒシヒシと伝わってきました。

実際に走らせて分かりました。これは人気出るわ…!

というのはこのハンターカブ、スポーツバイクと呼びたくなるぐらい、走る/曲がる/止まるというバイクとしての基本性能がしっかりしてるんです。

125ccクラスらしいスリムさとコンパクトさながら、走りの装備を充実させてオフロードランにも対応するパフォーマンス。アウトドアギアを彷彿させるデザインも人気の的だ。

グローイングレッド

マットフレスコブラウン

まず感じたのは、前後ディスクブレーキの偉大さです。制動力が高いことはもちろんなんですが、何よりもコントローラブル。握ったら握った分だけ利いてくれるリニアリティと操作性の高さは、ライディングに安心感を与えてくれます。

そしてディスクブレーキによって得られるコントローラブルな制動力は、ストロークが十分に確保してあって動きも分かりやすい前後サスペンションと相まって、車体にほどよい前後の動き=ピッチングモーションをもたらしています。

フロントブレーキをかけたら、その分だけフロントサスが沈み込む。アクセルを開けたらまずフロントサスが伸び、それからクッとリヤサスが入り、タイヤが路面を食っている感じが伝わってくる。「そうそう、コレよコレ!」と思わずヘルメットの中で笑顔になっちゃいました。

比喩としては変かもしれませんが、CBR250RRに乗っているのと基本的な動きは変わりません。速度レベルや加速度はもちろん違うけど、ハンターカブにはスポーツバイクとしての基本がしっかり備わっているんです。

ハンター”カブ”という名前は付いていますが、他のカブシリーズとは狙いどころが明確に違いますね。その違いがしっかりと走りに表れているところがスゴイ、と思いました。

…のっけから堅い話ですね(笑)。でも、それぐらいハンターカブにはスポーツバイクの片鱗を感じてしまったんです。「スーパーカブの外装を変えてアウトドアテイストにしてみました」というだけじゃなく、乗り味からガラリと変えてきたところにホンダの本気度を感じるし、だからこその人気なんだろうなあ、と思いました。

【専用の車体諸元で走破性を高めた】ベースのスーパーカブC125比でホイールベースを+10mm、シート高を+20mmとして、より幅広いシチュエーションに対応可能に。

【ストリートユースに合わせた出力特性】エアクリーナーやマフラー位置変更に伴う専用チューニング、ドリブンスプロケット変更などで、低中速域のキビキビ感を高めている。

【補強を加えて剛性バランスを整えた骨格】スーパーカブC125のフレームからリヤフレームを延長。フロントフォークまわりの変更に伴い、ヘッドパイプを新作/補強している。

「ライディングポジションは広々とゆとりがあります。一般的な男性の背丈でも余裕があるはず。158cmの自分より背が低いと、少し大柄に感じるかもしれません。かかとは着きませんが、車重が軽いので気になりませんでした」(静夏さん)

’68 ホンダCT50
’81 ホンダCT110

【60年の歴史を有するモデル】’61年に発売された北米市場向けCA100Tトレール50を源流に、日本国内では’68年にCT50(写真左)を、’81年にCT110(写真右)を発売。いずれもハンターカブの愛称で親しまれた。 [写真タップで拡大]

レーシング女子・岡崎静夏さんによるホンダCT125ハンターカブ試乗インプレッション。後編に続く。


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