時代に翻弄されない珠玉のチョッパー

往時の時代考証がなされたパンヘッドカスタムチョッパー【ハーレートレンドNEWS】

ここに紹介する1台は、チョッパーが生まれた当時のイメージを現代に蘇らせたカスタム。エンジンはもちろんパンヘッドであり、フレームはリジット。スプリンガーフォークを装着して、ブレーキシステムはシンプルなドラムタイプだ。フロントブレーキは左手での操作だが、これはハンドチェンジがノーマルだった時代のハーレーオリジナル。そんな細かい部分も当時の時代考証から外れない配慮がなされている。

チョッパーの語源は「チョップドバイク」。ごく初期において、古いバイクを切り刻むことでオリジナルバイクを安価で製作することから名付けられた。

チョッパー乗りは、当時のヒッピームーブメントを象徴していたとも言われる。そのシンボルマークは、ラブ&ピース。時はベトナム戦争真っ只中で、若者はそんな体制に反対を唱えていたのだ。心を開放して生活に自由を求める典型的なスタイルこそオールドチョッパーの原点である。

この車両のオーナーは、’56年型ベース車をマイパフォーマンスで購入し、フレームの塗装からガソリンタンクのチョイスや塗装。シッシーバーも製作した。本来、チョッパーはオーナー自身で手作りするものという点でも、抜かりないスタイルを貫いている。

前後に装着されたインベーダーホイール等、タイムスリップして現代に現れたようなシルエットが強烈な印象で、上下2眼となっているヘッドライトも時代を感じさせる装備として魅力的である。

リジットフレームにパンヘッドモーターという構成は、車重も軽いことから、意外なほど乗りやすいバイクであることも想像できる。チョッパー乗りは本質的に旅好き。そんな生活の一部を彩るカスタムとして、最高の相棒となるだろう。

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