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M8ハーレーチューニングのキモ=ジャパンスペックカム【FXBBストリートボブ】

  • 2020/7/14
パインバレー

ダイノマシーン2台を設置し、毎月38〜45台、年間500台ものチューニングを手がけるハーレーショップ「パインバレー」。同社が導き出した答えがオリジナルの”ジャパンスペック”トルクカムだ。人気の車検対応「ジキル&ハイド」マフラーとの組み合わせで極上のFXBBストリートボブカスタムが仕上がった。

メーカー別アーカイブ:ハーレーダビッドソン

“最高に丁度いい”ジャパンスペックカム

エンジンの吸排気バルブを開閉する役割があるカムシャフト。混合気(ガソリンと空気)を取り入れる吸気バルブ、燃焼後のガスを排出する排気バルブを開閉するタイミングやバルブを開け続ける時間(作動角やリフト量)は、カムプロフィールによって決定づけられる。つまり、カムシャフトはエンジンのキャラクターを左右する重要パーツと言えよう。

4バルブ化され、スロットルボディも拡大されたミルウォーキーエイト(M8)は、ツインカムと比較してエンジン自体のポテンシャルは向上しているものの、厳格化する排ガス/音量規制に対応するため、新車時に組み込まれているカムシャフトはいわゆる”ローカム”傾向で、本来持つ性能をフルに発揮できないと言われている。そこで、カスタムシーンでよく見られるようになっているのが、カムシャフトの交換=ハイカム化だ。

2台のシャーシダイナモ「ダイノマシン」をフル稼動させ、年間500台以上、毎月38〜45台(その数は世界最多規模)ものインジェクションチューニングをこなすのが、横浜にあるパインバレー。メカニックの矢野壮一郎氏はこう言う。

「当社でチューニングされるM8オーナーのカムシャフト交換率は9割を超えています。どこのメーカーのハイカムでも”トルク重視”または”高回転パワー型”をラインナップし、好みや乗り方次第で選べますが、パインバレーで一番人気のS&S製では”465″がトルク型、”475″が高回転パワー重視となっています。しかしその差が極端で、選びにくいのが実状でした。そんなとき、S&S社のポール社長がパインバレーに来てくれたので、日本で乗るのに”最高にちょうどいいカム”をお願いしたのです」

矢野氏が考える日本の道/乗り方に最適なカムを独自にオーダーしたのだ。

「試作品ができては繰り返しテストし、満を持して完成したのが、パインバレーオリジナルの”ジャパンスペック”カムです。トルク重視とパワー型の中間を狙ったベストな出力特性と、ハーレーらしい歯切れの良いサウンドが手に入ります」

ハーレーらしさを求めS&Sと共同開発したミルウォーキーエイト専用カムシャフト。差が極端な「475パワーカム」と「465トルクカム」の中間付近の”最高に丁度いい”部分を狙って、S&S 社の協力とパインバレーのノウハウを詰め込み開発した。日本の道に最適な「ジャパンスペック」とし、サウンドも追求した。●カム交換一式:15万4000円~(参考価格、チューニング料金別途) [写真タップで拡大]

パインバレーカスタム FXBBストリートボブ:ジャパンスペックカム+ジキル&ハイドマフラーを積んだ極上の1台

ジャパンスペックカム+吸排気が見直されたFXBBストリートボブに乗ってみると、ギクシャクすることなく低中域から潤沢なトルクを発揮し、鼓動感も力強い。高回転域での頭打ちが見事に解消され、豪然たる加速が味わえるではないか。

そして、サウンドも迫力があって心地よい。マフラー交換され音量が上がっているだけでなく、歯切れのいい上質な音で、連続したこもった音になっていない。「カム交換することで、サウンドも飛躍的に良くなるんです!!」(矢野氏)

サイドビュー

[写真タップで拡大]

驚きは、そのドコドコ感とパンチのあるサウンドの音量を、ハンドル左にあるスイッチひとつで自在に変えることができること。いま人気の音量電子制御式可変マフラー「ジキル&ハイド」が装着されているのだ。

モーターでワイヤーを引き、マフラー内部のバルブを開閉することで音量が変わる仕組み。手元のスイッチを押すだけで、停車中でも走行しながらでも簡単に音量を3段階に変えることができる。

「音を静かにしたいときはバルブをクローズ(全閉)にし、市街地などでは50%開きでほどほどに。迫力のサウンドを存分に楽しむことができるシチュエーションでは、100%オープン(全開)にと使い分けできます」(矢野氏)

信号待ちで音量を変えると「おやっ」と、他の人の視線を集める。車検対応なのも嬉しいかぎりだ。

ジキル&ハイドマフラー

ジキル&ハイドマフラー:バルブがクローズ状態ではノーマルのような静かなサウンド、オープン状態ではドコドコとした迫力の排気音となる。スイッチをダブルタップすると半分、つまり50%開けのサウンドも可能となり、音量は3段階。車検対応で安心して公道を走れる。●価格:要問い合わせ [写真タップで拡大]

マフラーの音量を変えるスイッチ

ハンドル左のスイッチを押すだけでマフラー内のバルブがモーター駆動のワイヤーによって開閉され、音量の可変を実現。 [写真タップで拡大]

エアクリーナーはS&S ステルスエアクリーナー+パインバレーオリジナルカーボンカバー。カムはもちろん、吸・排気のいずれかが変わればインジェクションチューニングが必要なのは言うまでもないが、矢野氏は「エアクリーナー/マフラー/カムを同時に済ませてしまうのが効率的ですよ」と、3点セットでの施工をオススメする。

パワーチェックしたデータを見ると、最高パワーはノーマルの約73PSから103.5PSにアップ。トルクカムの場合は96〜100PS、パワーカムなら107〜110PS(低速は扱いにくく、音質は高め)となり、ジャパンスペックカムが両者の中間狙いであることが、ダイノマシンの計測によっても明白。

実際に乗っても、まさにちょうどいいトルク感と力強い鼓動、サウンドで、ストレスなくゴキゲンに走れ、いつまでも走り続けたくなる。

また、足まわりもハイパープロサスペンションで強化済みで、フロントフォークはスプリングのみ交換、リヤサスペンションは別体タンク付きにグレードアップ。路面追従性と乗り心地が向上し、負荷をかけたときの限界も上がっている。

トルクアップしたエンジンにマッチする前後サスで、トータルバランスに優れたミルウォーキーエイトソフテイルに舌を巻く。

店舗に連日、カスタムを求めるユーザーが押し寄せているのも頷ける。インジェクションチューニングはウェブで予約でき、カム交換などカスタムの相談は大歓迎とのことだ。

S&Sステルスエアクリーナー+パインバレーオリジナルカーボンカバー

エアクリーナーはS&Sステルスエアクリーナー+パインバレーオリジナルカーボンカバー。フロントフォークはコンスタントライジングレートをもつHYPERPROのスプリングに換装。 [写真タップで拡大]

フロント&リアショック

フロント&リヤショックは、柔らかすぎず硬すぎない状態を維持し、高負荷のコーナリングや急ブレーキ時も踏ん張りが効く。リアショックは上位モデルである別体タンク付きショックユニットで Hi/Loコンプレッションアジャスターも備わる。 [写真タップで拡大]

バレットアトーはKellermann(ケラーマン)の技術を集結させた世界最小LEDウインカー。レンズ面直径わずか7mmで、本体サイズ13x9x14mmの極小サイズ。点灯時には充分な光量をもちながら、消灯時にはその存在を感じさせない。 [写真タップで拡大]

スマートヘルメットロック

ハンドルのLidlox(リッドロックス)スマートヘルメットロックもスマートで機能性に優れる。エクステンダーを追加し、使いやすい。 [写真タップで拡大]

パインバレーオリジナルショートナンバーキット

せっかくショートリアフェンダーが装着されているのに、大きく張り出したノーマル標準装備のライセンスブラケットのせいでリア周りのスタイルが台なしに。’18年式以降ストリートボブ/ソフテイルスリム用ショートライセンスブラケットキットが、リア周りをスッキリさせてくれる。LEDナンバー灯はリアフェンダー内側に隠れて存在感をなくしつつも、しっかりとナンバーを照らし出す。リフレクターもセットにしたオールインワンのコンプリートキットで、取付け時はリアフェンダーの取り外し、ナンバー灯の配線加工の作業が含まれるが、ブラケットの取付けはボルトオンで、穴あけ加工や特殊な加工は不要だ。

パインバレーオリジナルショートナンバーキット

パインバレーオリジナルショートナンバーキット(2018年以降FXBBストリートボブ/FLSLソフテイルスリム用、LEDナンバー灯付属) ■キット内容:ショートナンバーブラケット本体(ステンレス/ブラック)、ナンバーステー固定用ボルト・ワッシャー類、LEDナンバー灯、リフレクター ●価格:2万9000円

●写真:磯部孝夫 ●文:青木タカオ ●取材協力:パインバレー
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※この記事はハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』に掲載したものを加筆修正したものです。最新の雑誌は書店もしくは下記サイトにてお買い求めください。

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