FI時代の救世主となるか?

ジャンプスターター機能付きモバイルバッテリーの使い方選び方

ここ数年、バッテリーなどの始動系アイテムのなかで急激に台頭してきたアイテムがジャンプスターター機能付きモバイルバッテリー。しかし一方で使用時のトラブルについても漏れ聞くところで、その安全性/信頼性が気になるところだ。適切な使い方・選び方を知っておくことで、安心してこの便利アイテムを使いこなしたい。


●文:谷田貝洋暁 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

ジャンプスターター機能付きモバイルバッテリーは、携帯電話の充電などにも使われる大容量のリチウム系モバイルバッテリーに増幅回路をドッキングさせ、12V電圧で200〜400Aという大きな電流を作り出してエンジンを始動させるアイテムだ。 

バッテリー上がり時の緊急手段として便利な反面、大きな電流を増幅して作り出すためなかなかシビアな面も多い。筆者も登場時からいくつかの製品を使っているが、ひとつはすでに本体が膨らんでおり、もうひとつは接続ミスによるセルの回しすぎで製品がバカッと破裂したこともある。そんな経験がありながらも使用がやめられない必須アイテムとなっている。

しかしながら、ジャンプスターターはあくまでも緊急手段と心得たい。というのも、増幅された大きな電流はバッテリーに対し、強烈な刺激を与えることになるからだ。周辺伝送装置への負担を考えると、少なくともバッテリーが上がった状態の車両を日常的に乗るために常用するような使い方はNGだ。

最近のジャンプスターター安全面が進化し、逆接続やショートはもちろん、逆電流や過電流、温度上昇などに対する保護回路を搭載するモデルも多い。

膨張や発火など、モバイルバッテリーの事故が起きたことで利用環境整備も進んでいる。2019年の2月1日からモバイルバッテリーが電気用品安全法の規制対象になり、該当製品には”PSE”マークの表示が義務付けられた。これにより、製品の安全保護に関するレベルが高まっている。

PSEマーク

これがPSEマーク。ただし、バッテリー本体のエネルギー密度が低く、外的刺激に対して安全なLiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン)系のモバイルバッテリーにはPSEマークの表示義務がない。

ジャンプスターター機能付きモバイルバッテリーの使い方

ジャンプスターター機能付きモバイルバッテリーは、モバイルバッテリー本体、ジャンプケーブル、充電コード(もしくは専用充電器)で構成される。専用のソフトシェルケースが付属していることが多い。

モバイルバッテリー内部の電気が規定量残っていることをインジケーターで確認したら、バッテリー上がりを起こしたバイクのバッテリーの端子を露出させる。

ワニ口クリップのついたジャンプケーブルを+と-に注意しながら車体に接続(先にモバイルバッテリーと接続する製品もある)。

ワニ口クリップがしっかりと装着されているのを確認したら、ケーブルをモバイルバッテリーと接続。

車体のイグニッションをオンにして、セルスターターを回す。ジャンプスターターを接続していること以外は、いわゆる普通の始動プロセスだ。

エンジンがかかったら、すぐにジャンプケーブルをモバイルバッテリー本体から外す(バイクからジャンプケーブルを先に外す場合もある)。

ジャンプスターター付きモバイルバッテリーの選び方

その1:入力端子で使い勝手が変わる

どうせ旅先まで持って行くなら、普段はモバイルバッテリーとして携帯電話の充電に使いたい。そうなると気になるのは給電形式。携帯電話などの手持ちの電子機器と入力端子が同じなら、専用の充電器を持ち運ぶ必要がなくなる。

携帯電話などで使われるUSB Type-C/MicroUSB-Bに対応しているかどうかで、追加充電などのしやすさが異なってくる。

その2:USB出力のアンペア数

最近はモバイルバッテリー対応したUSBタイプの電熱ウエアも人気。そんな電熱ウエアなどの大きな電流を必要とするアイテムを使用するためには、それ相応の大きな出力アンペア数を持ったモデルを選ぶ必要がある。ポート数もチェック。

2.0Aを消費する電熱ウエアなら、高めに見積もって2.4Aあれば十分稼動するだろう。2.0Aぴったりだと電熱機能が働かなかったり、途中で給電がストップしてしまうこともある。

その3:バッテリー容量

モバイルバッテリーとして使うなら、やはり気になるのはバッテリー容量。mAh(アンペアアワー)の数値が大きければ大きいほど大容量ということだ。ただ、あまり大容量になると充電入力が専用充電器になることが多いようだ。

薄型でコンパクトなボルトマジックの「JS-06」の容量は6000mAh。決して大きくはないが、このサイズでバイクのジャンプスタートが可能だ。

安全対策が進化しているジャンプスターター機能付きモバイルバッテリー。次ページでは信頼の置ける6ブランドの最新バッテリーをピックアップして紹介する。

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