バッテリー劣化を防ぐカギは”常時接続”

最新バッテリー事情2020【常時接続可能な充電器で良質チャージ】

最新バッテリー事情2020

バッテリーの状態を良好に保ち、寿命を延ばすために重要なのは、“質のいい満充電”状態を保つことにあるという。そのために必要なのは、常時接続が可能なメンテナンスモードを搭載したバッテリー充電器だ。引き続き岡田商事さんに最新の充電器事情をお伺いした。


●谷田貝洋暁 ●取材協力:岡田商事 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

毎日乗っていても満充電になってない!?

決して安い買い物ではないバッテリー。買い換えたなら長持ちさせたいところだが、それにはバッテリーを常に満充電、つまり内部の硫酸鉛を極力減らした状態にし、定期的に刺激を与えることが重要だとか。

冬眠ライダーには耳の痛い話だが、「毎日、通勤で乗っているから大丈夫。万全でしょ?」というライダーにも残念なお知らせ。実は乗っただけではバッテリーは満タンになっているとは限らないというのである。 

セルスタートで大きく電気を放出したバッテリーには、オルタネーターで作られた電気が変電気/変圧器(レギュレートレクチファイヤ)を通ってバッテリーに充電される。

だが減った分の電気が、どれだけ走ればキチンと補填されるのか? 十分なのかは正直わからない。 

電気の消費と供給量の走行距離のバランスがいいとバッテリーは7年、9年と長持ちする場合もあるし、悪ければ毎日乗っていたとしても3年ほどで寿命を迎えることもある。また最近のバイクはイモビなど、キーをオフにしていても、電気は少しずつ消費されている。

そこでバッテリー寿命を延ばすために重要なのが、接続したまま放置ができるメンテナンス機能の付いたバッテリー充電器。これを駐輪事に常時接続していれば、電力の消費と供給のバランスに関わらず、バッテリーを良好に保つことができるというわけだ。

駐輪環境にもよるが、駐輪場所の近くにコンセントがあるなら、駐輪ごとに接続するとバッテリーに一番いい環境を作り出せる。

防水防滴仕様にはなっているものが多いものの、バッテリー充電器は電子部品。設置場所はコンテナボックスの中など、基本的に雨風をしのげる場所に設置するのが望ましい

岡田商事が開発中の充電器の管理アプリ。実用化すれば離れたところでもバッテリーの状態が確認したり、充電器を作動させたりできるようになる。

サルフェーション溶解機能とは?

サルフェーションとは、電極に付着した硫酸鉛が白く結晶化して、電気を通さなくなってしまうこと。このサルフェーションが増えることもバッテリー弱りの原因の一つ。サルフェーション溶解機能とは、一時的に16Vや20V以上の電圧をかけることで、サルフェーションを刺激し、溶解を促す機能。岡田商事の扱うテックメイトの製品にもサルフェーション溶解機能が付いている。

最大22Vの電圧で圧力をかけて刺激するとのことで、他のパーツに影響がでないようバッテリーを車体から取り外して接続したときだけ作動するようになっている。

よくある充電機能

●トリクル充電

バッテリーの減り具合、満充電に関わらず、一定の微弱な電気を流し続けるバッテリー充電器。待機時に消耗する電気の方が多ければ満充電にならず、また多すぎても過充電の状態にし続けるのもベストとは言えない。ただしフロート充電式に比べると安価。

●フロート充電

常に電気をタレ流し続けるのではなく、バッテリー内の消耗を具合を充電器が感知して自動で充電を開始し、必要なだけ充電するとまたストップするという。いわゆるメンテナンスモードと呼ばれる自己判断機能を備えたバッテリー充電器となる。

●パルス充電

トリクル充電のように常に一定の電流を流すのではなく、電圧を変動させて波(パルス)を作ることによってバッテリーに刺激を与え、劣化を防ぐ。充電電圧を一定時間上げ続けるサルフェーション溶解機能とも異なる。

バッテリー充電器ピックアップ

オプティメート リチウム 0.8A[TecMate]

リチウムイオンバッテリー専用の充電器で、0.8Aの電流でやさしく充電。様々なメーカーのリチウムバッテリーに対応するため、事故防止のためのバッテリー保護回路が搭載されているリチウムバッテリーに対応した、バッテリーマネジメントシステムカット機能を搭載している。

●価格:1万1000円 ●対応バッテリー:12V/リチウム/1~10Ah

オプティメート4 デュアルプログラム ver.3[TecMate]

バイク、軽自動車ぐらいにちょうどいい3~50Ah のバッテリー容量に対応。キャンバスハーネスを搭載したBMW車(04~)であれば、バッテリーにコネクターを取り付けることなく、ヘラーソケットに差し込むだけでそのまま充電が開始できるという便利な機能を持っている。

●価格:1万4300円 ●対応バッテリー:12V/鉛(開放・AGM・GEL)/3~50Ah

オプティメート1 PLUS

サルフェーション溶解機能やパルス充電といった機能を持たないフロート充電器。0.6Ahという低めの電流のため、一般的な鉛バッテリーをはじめ、リチウム(LiFePO4)バッテリーにも使うこともできる。この他、6V車にも対応しており、12Vとの切り替えも自動判断で行う。

●価格:7700円 ● 対応バッテリー:6V・12V/ リチウム・鉛(開放・AGM・GEL)/2~20Ah

製品の詳細:岡田商事

バッテリーチャージャーACH-100[AZ BATTERY]

比較的容量の小さいバイク用バッテリーにちょうどいい性能の充電器。マイクロプロセッサーによる“AZモニタリング・チャージシステム”を搭載しており、繋いでおけばサルフェーション溶解、パルス、フロートなどバッテリーの状態を把握して最適な方法で充電してくれる。

●価格:オープン ●対応バッテリー:12V/鉛(開放・AGM・GEL)/2~50Ah

バッテリーチャージャーACH-200[AZ BATTERY]

リン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリーと一般的な鉛バッテリーの両方に対応した汎用性の高い充電器。サルフェーション溶解機能はないが、過充電防止や充電時間制限などの機能に加え、逆接続、短絡などの保護機能も搭載。完全防水性能ではないもののIP65に対応している。

●価格:オープン ●対応バッテリー:12V/リチウム・鉛(開放・AGM・GEL)/2~28Ah

バッテリーチャージャーACH-450[AZ BATTERY]

電圧測定機能を搭載し、バッテリーの電圧・充電状態をLCDパネルで確認可能。またバイクだけでなく、大型バッテリーを搭載した車や農機などにも使用できる。もちろんサルフェーション溶解機能に加え、逆接続/短絡保護、過充電防止や充電時間制限機能も備えている。

●価格:オープン ●対応バッテリー:12V/鉛(開放・AGM・GEL)/2~120Ah

※製品の詳細:岡田商事