~Super Minimum Challenge~

スーパーカブ系エンジンで世界最高速記録にチャレンジ! 日本の中小企業の技術力を結集

「日本製造業の技術力を結集し、世界最速に挑む」という趣旨のプロジェクト、スーパーミニマムチャレンジ(Super Minimum Challenge = SMC)では、広大な塩の平原で最高速度にチャレンジする「ボンネビル モーターサイクル スピード トライアルズ2019」に、オリジナル製作の50ccのバイクで挑戦する。目指すは、なんと233km/h超えだという。

スーパーカブ系エンジンを使って、記録を打ち破る!

Super Minimum Challenge(SMC)プロジェクトは、映画監督であり、ランドスピードレーサー(地上で最高速度に挑む競技者)でもある近兼拓史氏が、毎年米国ユタ州ソルトレイクで開催され100年以上の歴史を持つ世界最高速度認定競技会ボンネビル モーターサイクル スピード トライアルズにおいて、50ccクラスでの世界最高速度記録に挑戦することを目的に発足したものだ。

同プロジェクトは、2019年8月24日~29日に米国ユタ州ボンネビル インターナショナル スピードウェイ(Bonneville Speedway Road, Wendover UT 80483)で開催される「ボンネビル モーターサイクル スピード トライアルズ 2019」において、57歳のプロジェクトリーダー・近兼拓史氏のもと、SMCプロジェクトの趣旨に賛同する協賛・協力企業とともに記録に挑戦する。目指す記録とは、2008年にBuddfab Streamlinerが打ち出した50ccのバイク(アプリリア製の2ストロークエンジンを改造したものを搭載)による世界最高速度233km/h。挑むマシンは、日本の中小製造業の技術力を結集したオリジナルの50ccマシンである。

そんなプロジェクトだから、メイドインジャパンに意味がある。だからエンジンは、累計生産台数1億台を超える日本製バイクの象徴、スーパーカブのものを使うと決めている。

SMCプロジェクトのメインスポンサーは、精密金型や精密部品の加工に用いられる超硬小径エンドミルの開発・製造を行う日進工具株式会社(東京都・1954年12月創業)だ。

クラウドファンディング「Makuake」で出資を募った

2018年にはホンダの市販レーサーRS125のフレームをベースに武川スーパーヘッドエンジン124ccを組み合わせ、オリジナル設計の極小空気抵抗カウルで包み込んだランドスピードレーサーNSX-01で125ccクラスに出場し、瞬間最高速度165.30km/hおよび1マイル平均速度153.73km/hを記録。世界最速のカブの称号を手にした。しかし、2019年は当初の目標だった50ccクラスで、さらなる上を目指す。

製作中の後継機NSX-02は、極端に低く、さらに軽く、さらにパワフルなエンジンを搭載。1966年にホンダがワークスGPマシンとして製作したRC116(50cc 2気筒)の「14ps/21500rpm」を超えるべく、日本製造業の精密な技術力を注ぎ込み、特に小排気量では2ストロークに対し不利とされる4ストロークで挑む。

NSX-02のために開発中のエンジン「レコードブレーカー02」は、なんとターボを搭載。クラウドファンディング(すでに受付は終了している)の出資者には、出資額に応じてこのエンジンの限定メタルミニチュアも贈呈されるのだとか。

全国の、全世界のカブ乗りの夢を乗せ、NSX-02は間もなく走り出す。

【製作中のNSX-02。少ないパワーで最大限のスピードを得るためには空気抵抗を極限まで下げたい。荷物であり抵抗でしかないライダーには、最小限のスペースしか与えられない】

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