次期排ガス規制はユーロ5並みに強化

〈朗報〉排ガス規制50ccは延期へ!!

  • 2019/6/21

国土交通省が、国内のバイクに関する次期「排ガス規制」に関する発表を行った。長らく検討中だった欧州のユーロ5と同様の規制となり、炭化水素は最大で3分の1以下にまで削減。新たに有害物質の規制が規定されるなど大幅な強化となる。

国内ではまず’20年12月以降に生産される新型車から適用開始。これ以前にラインナップされた継続生産車は’22年11月から適用される。このあたりは既報とほぼ同じだが、注目したいのは、原付一種(50cc未満)の継続生産車のみ適用時期が「’25年11月」と遅い点だ。

対象車両 適用開始時期
新型車(全排気量) 2020年12月
継続生産車(原付一種を除く) 2022年11月
原付一種の継続生産車 2025年11月

国交省担当者に取材したところ、「環境省の中央環境審議会の答申を踏まえたもの」で、重量、搭載スペース、コストなど「小型車ほど排ガス対策の技術レベルは高くなる。メーカーとのヒアリングなどを考慮した結果、原付一種のみ適用時期を遅らせた」という。当面、現行の50ccが継続販売されることになったのは朗報。メーカーには、この猶予期間で、低コスト&高効率な排ガス対策が求められる。

また、次期規制からエンジンやマフラーなどの劣化を検知するOBD II(車載式故障診断システム)が義務化されるが、原付一種への導入に関しては「法改正の作業中で検討中」(国交省)。高額なOBD IIを含め、様々な排ガス対策で、「規制後は50ccが最低でも20万円超になる」と言われてきた。近年、電動アシスト自転車の増加などで50ccの販売不振が続いており、価格アップが追い打ちになれば最悪”絶滅”の恐れさえある。しかし価格アップを抑えられる可能性はまだありそうだ。

排ガス規制値 比較表

【排ガス規制値 比較表】NMHCは従来、HCに含まれていたが、次期から別枠として規制。PMは直噴エンジンにのみ適用される。またアイドリング時のCO排出量を3→0.5%(一律)とし、駐車時の燃料蒸発ガスも低減が必要(注:※規制値欄は平均値。※クラス1=50cc超150cc未満かつ最高速50km/h以下、または150cc未満かつ最高速50km/h超100km/h未満の二輪車。※クラス2=150cc未満かつ最高速100km/h以上130km/h未満、または150cc以上かつ最高速130km/h未満の二輪車。※クラス3=最高速130km/h以上の二輪車))

なお、今まで規制値は、排気量や最高速に応じて設定されてきたが、今回から全クラスで統一された点にも注目。一見、小排気量ほど不利になりそうだが、試験方法はクラスごとに異なる。試験は、市街地や郊外の走行を考慮した国際統一基準の”WMTCモード”を引き続き導入。原付相当のクラス1より、大排気量のクラス3の方が走行パターンの負荷が大きい。

走行耐久距離
現行 50cc未満 6,000km
51〜125cc 8,000km
126cc以上 24,000km
次期 クラス1および2 20,000km
クラス3 35,000km

「耐久走行距離」は、触媒などが劣化せず、規制値を順守できる距離の目安。軒並み大幅増だが、50ccに至っては何と3倍超の耐久性が求められる。一体どこまで強化される?

とはいえ、欧州ではクラス1を125〜150ccクラスと想定しており、この排気量でギリギリクリアできるほど厳しい(50cc未満&最高速50km未満のモペッドは適用外)。日本でメジャーな50ccスクーターに厳しい数値なのに変わりはない。

今後、50ccに限らず、全ての排気量帯で価格増が見込まれる…が、ユーザーとしては、メーカーの頑張りに期待したい。

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ヌマ王

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ヤングマシン編集部出身の敏腕フリーライター。特にバイクの社会&時事ネタに詳しく、20年以上にわたって特ダネを追い続けている。趣味はユーラシア大陸横断。