
2020年夏にファイナルエディション最後の1台が工場から出荷され、早4年……。ヤマハの良心と言われたセロー250は、後継モデルが最も待ち望まれているバイクの1台だ。2023年頃から復活の機運はあったが、いよいよ動きが見えてきた!
●文:ヤングマシン編集部 ●CG:SRD
車名が『セロー』になるかは不明だが、セロー的なものになるのは確実
オフロード好きでなくても、セローで育ったとか、セローを街乗りで使っていたというライダーは数多い。そういったベテランだけでなく、10代、20代でもセローに親しんできたライダーはいることだろう。
1985年に誕生した“マウンテントレール”ことセロー225は、本格的に道なき道へと分け入る性能が追求されたものの、低いシート高や軽い車重、扱いやすいエンジン特性が前述のようにオフロード志向のライダーだけでなく幅広いライダーに愛された。
2005年にはトリッカーをベースとした新型になり、エンジンは250フルサイズで車名もセロー250に。それから排出ガス規制に適合するため燃料供給がFIになったりしながら、2020年のファイナルエディションまで35年の歴史を駆け抜けてきたのだ。
そんなセローだけに復活を望むファンの想いは根強く、ヤマハ関係者にセロー復活の芽は? と聞くと「多くの声をいただいています」と異口同音に返ってきたものだった。
ヤングマシンでは2023年6月号と12月号で、それぞれヤマハ発動機販売の松岡大司社長、ヤマハ発動機車両開発の統括部長である西田豊士氏にインタビューを敢行し、「セローそのものではないにしても、セロー的なものの投入はあり得る」との返答を得た。つまり、“機運アリ”だ!
何かの転用ではなく新規エンジンで来る!
そして我々が知りたかったのは、それがどのようなマシンになるのかということだった。アジア圏で販売中のWR155をベースとした水冷エンジン、またはセロー250の系統で生き残っているFZS25(インド仕様)、はたまた北米ほかで継続販売されるXT250(ほぼセロー250そのもの)と、ベースになる車両はいくつか考えられたわけだ。
写真はオフロード界のYZF-R1と呼ばれたWR250Rのもの。さすがにここまでハイエンドな造りにはならないと思われるが、続報に期待したい。
ところが、そのどれでもなさそうだ。新しく飛び込んできた情報では、ヤマハでは200cc級のエンジンを新規に開発中で、すでにエンジン本体はほぼ完成の域にあるという。排気量的には単気筒と考えて間違いないだろうし、この時代に新規開発となれば水冷が選ばれるのもほぼ確実。となれば新型セロー(もしくはセロー的なもの)に搭載されるのは確定的といえる。
ヤマハの200ccといえば、そもそも初代セロー225のベースになったのはXT200という空冷トレールモデル。そのエンジンもXT125から排気量アップされたものだったが、1980年代~1990年代を中心に広く愛されたエンジンだった。TW200なんていう派生モデルも人気を博した。
また、2ストロークにも話を広げると、DT200R(37F)からDT200WR(3XP)などで、125ccクラスの軽量さに250cc並みの動力性能と持つとして親しまれた。まあ、オフロードではフルサイズ250ccの2ストロークはビギナーの手に余るという側面もあり、実際のところH、S、K車も200ccクラスのトレールモデルはラインナップしていたのだが。そうそう、SDRもカルトな人気だった。
そんな昔話はともかくとして、ヤマハが新たな4ストローク200ccエンジンを開発中となれば、バリエーション展開にも期待せずにはいられない。実際このエンジンには“汎用”という側面もあるといい、現行WR155/XSR155/MT-15/YAF-R15などの上位機種を展開するという青写真も透けて見える。
さらに、かつてのXT125~200~セロー225の流れのように、新作200ccエンジンにも出世魚コースが想定されているのかも気になるところ。実際の車両が見えてくるのはまだ先だろうが、総力で続報を追いかけていきたい。
【次期型SEROW250[IMAGE CG] 】従来型オーナーが望むのはやはり空冷での復活では…と予想していた時期に編集部で作成したCG。新情報が急に飛び込んできたため新たなCGは作成できていない。このCGの外観は1985年の初代をオマージュしたが、ネオクラブームのご時勢、こんな路線もアリ?! (CG製作:SRD)
こんなバリエーションモデルも欲しい……!?
200ccエンジンが完成した暁には、セロー200だけじゃなくバリエーションモデルも展開されるはず。ヒントになりそうなのは、水冷125/155ccエンジンを搭載した兄弟モデルたちだ。
200ccにちなんで、こんな懐かしいバリエーションモデルがあってもいい……?
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(セロー250)
セローを愛するユーザーたちへ 本イベントは、「とっておきの初心者用ゲームで、ライテク上達ポイントを手に入れて、10年後も20年後も、末永~く凛とした姿で走り続けよう!!」というメッセージを掲げ、セロー[…]
おお、デカ目! 北米セローはXT250の名で存続、極太タイヤのTW200は懐かしの四角ライト 日本国内では、2020年7月31日にセロー250ファイナルエディションの最後の1台が出荷されてから4年が経[…]
おお、デカ目! 北米セローはXT250の名で存続、極太タイヤのTW200は懐かしの四角ライト 日本国内では、2020年7月31日にセロー250ファイナルエディションの最後の1台が出荷されてから4年が経[…]
カモシカライダー 今回のバイク:ヤマハ セロー250 ヤマハが藪をかき分けて山を登るためのバイク「マウンテントレール」という概念を打ち立てたのがセローシリーズです。2005年にフルモデルチェンジをし、[…]
新200ccエンジンでぜひセローの復活を!! ヤマハが現在開発中と噂される200cc級の新エンジン。インドなどで新たなボリュームゾーンとなっている200ccクラスへの投入を目論んでいるようで、すでに開[…]
最新の関連記事(YMイメージCG by SRD)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
その名も「V3R」と「V3R E-COMPRESSOR」だ! ホンダが全く新しい4ストロークV型3気筒エンジンのコンセプトモデルを公開したのは、2024年秋のEICMA(ミラノショー)でのこと。かつて[…]
ASEANモデルのプレミアム化を推進するヤマハ 以前からスクープ情報をお届けしているとおり、WR155シリーズやYZF-R15などが200ccに進化して登場することになりそうだ。 国内のヤマハから公道[…]
いよいよスズキの大逆襲が始まるかもしれない! スズキを一躍、世界的メーカーに押し上げたカリスマ経営者、鈴木修氏が昨年の12月27日、94歳で死去し騒然となった。そんな年末に、海外二輪メディアのMCNが[…]
王道ネイキッドは相変わらず人気! スズキにも参入を熱望したい 共通の775cc並列2気筒を用い、ストリートファイターのGSX-8S、フルカウルのGSX-8R、アドベンチャーのVストローム800系を展開[…]
人気記事ランキング(全体)
半クラッチは熱膨張で繋がる位置が変わる! ほんとんどのバイクは、エンジンのシリンダーよりちょっと後ろに丸い膨らみがある。これがクラッチ。 丸い膨らみの中には、エンジンのパワーを発生するクランクシャフト[…]
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
日本映画史の記憶に残り続ける『トラック野郎』シリーズ第1作 『トラック野郎 御意見無用』は、1975年に公開された鈴木則文監督による日本映画。東映製作/配給の『トラック野郎』シリーズの記念すべき第1作[…]
直4&丸目。王道のジャパニーズネイキッドスタイル 直列4気筒エンジンの存在感を際立たせつつ、丸1眼ヘッドライトとオーソドックスな外装。CB1000Fコンセプトのスタイルは、往年のエフらしさを漂わせつつ[…]
そもそも「過給機」とは 世界最大規模の2輪車ショーといわれるEICMA(ミラノショー)。2024年11月に開催された同ショーにおいて最大級の注目を集めたのは、ホンダが初公開した電動過給機付きV型3気筒[…]
最新の投稿記事(全体)
各部に配された黒が車体を引き締める 1833cc水平対向6気筒エンジンを搭載するホンダのフラッグシップモデル、ゴールドウイング。2022年モデルは、2022年4月21日に発売した。 ここでゴールドウイ[…]
日本を含むアジア圏で人気のSUVスクーター 水冷4バルブのeSP+エンジンを搭載するアドベンチャー系SUVスクーター「ADV160」シリーズに新色が登場した。新たなカラーラインナップが発表されたのはマ[…]
エンジンはホーネットより低速寄り?! 152psを発生するスーパースポーツ譲りの直列4気筒+鋼管ダイヤモンドフレームというホーネットの基本構成を受け継ぐCB1000Fコンセプト。エンジンの詳細は不明だ[…]
上質な栃木レザーのハンドメイドキーケース このキーケースは、革職人が上質なレザーを用いてハンドメイドで製作。素材には、国産最高峰とされる栃木レザーが使用されており、使い込むほどに手に馴染み、美しい経年[…]
交換するだけで愛車がスポーツバイクにもツーリングバイクにもなる タイヤは、すごい。バイクのパーツで唯一路面に接しており、その接地面積は、たったクレジットカード1枚分と言われる。たったこれだけでバイクを[…]
- 1
- 2