
●文:ライドハイ編集部(根本健)
125cc4気筒エンジンはパワーバンドがわずか800rpm!
1960年代、ホンダを筆頭にヤマハやスズキといった日本メーカーが世界GPに挑戦。戦後にカメラとともに世界へ輸出を再開し、日本の工業力復活の象徴だった。
後発のカワサキは、125ccで1965年から追送、当初は2気筒8段変速のKA-1だったが、1966年に開発したのKA-2は、ライバルのヤマハやスズキと同じ4気筒へと進化。しかしながら1967年の日本GPに出場したのみで、日本4メーカーの世界GP撤退で幻のマシンとなってしまった。
エンジンは2ストロークのロータリーバルブ4気筒で、34×34.2mmの124cc、40ps/17250rpmと、125クラスではとてつもないハイパーエンジンだったが、パワーバンドが16000rpm~17000rpmの間に800rpmほどしかなく、これをトップスピードの200km/hオーバーまで繋ぐには12速もの多段ミッションが必要だった。
しかもこの800rpmちょっとの狭いパワーバンドは、1秒もあるかないかで回り切ってしまうため、ほぼ毎秒のようにシフトアップしていく操作が必要だ。
そのためクラッチをいちいち切っている時間もなく、ライダーはハンドル左にあるホーンボタンのような点火のキルスイッチを押しながら、クラッチレバーを握らずに矢継ぎ早にシフトアップを繰り返していた……
※本記事は2022年8月26日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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