現行ラインナップには存在しなくなった魅力的なハーレーたち。同じ名前を冠していても、スタイルや搭載エンジンはその時代によって異なる。そんな過去の魅力的な車両を、レッドバロンの豊富な中古在庫車からピックアップし、そのヒストリーに迫った。
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:栗田晃 ●外部リンク:レッドバロン
ヴィンテージハーレーを彷彿とさせる装備の数々は、すべて純正ノーマル
いにしえのハーレーダビッドソンが持っていたリジッドフレームのシルエットとスプリンガーフォークの組み合わせを再現し、1988年に登場したのがFLSTCソフテイルヘリテイジクラシックだ。
H‐D社はその4年前に、ショックアブソーバーを車体の下に水平配置し、リヤサスペンションが備わっていなかった時代のフォルムを蘇らせたソフテイルフレームを発表していたが、1988年に創業95周年を記念して登場したニューモデルは、さらに衝撃的だった。伝統のスプリンガーフォークが復活していたのだ。
剥き出しのスプリングと2本のフォークレッグからなるオールドスタイルのサスペンション機構は、油圧式のテレスコピック式フォークの台頭により、1948年以降途絶えていた。
それを日本メーカーらが、先進性やスペックを競い合っていたレーサーレプリカブームの真っ只中に再生させ、新車に採用したのだから、ハーレーダビッドソンというメーカーがいかに伝統を重んじているかがわかる。
スプリンガーフォークを備えるモデルは、その後も継続され、エンジンをエボリューション(1340cc)からツインカム88(1450cc)へと刷新した2000年代も人気を博す。撮影車両は2002年式のFLSTSヘリテイジスプリンガーだ。
ヘッドライト左右のフォグランプ/フロントフェンダーのオーナメント/前後16インチのクロススポークホイール/サドルシート/サイドバッグ/トゥームストーンテールランプといったヴィンテージハーレーを彷彿とさせる装備の数々は、すべて純正ノーマルのまま。旧き良き時代にタイムスリップしたかのようなシルエットと細部のつくり込みには舌を巻く。
ツインカム88エンジンを採用した2000年代、ソフテイルファミリーには、ホイールを前後16インチにし、フットボードとシーソー式ペダルを採用するなど、クラシカルで重厚なFL系と、大径ホイールをフロントにセットし、フットペグで軽快な走りも実現するFX系、2つのシリーズがラインナップされていた。
スプリンガーフォークが備わるのは、FLSTSヘリテイジスプリンガーとFXSTSソフテイルスプリンガーで、今回紹介するFLSTSは、よりヴィンテージテイストを強めたモデルとなっている。
トリプルライトをはじめ、ホワイトウォールタイヤを覆い隠すディープフェンダーやレザーサドルバッグなどを備え、テールランプは1940年代の墓石型を再現した。ヘリテイジスプリンガーは、2007年式を最後に姿を消し、翌年にFLSTSBクロスボーンズがデビューする。
今回紹介したFLSTSが気になる方は、全国のレッドバロン各店舗までお問い合わせください。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
ウィズハーレーの最新記事
スピード感を纏ってクオリティアップ ホイール/エンジンまわり/ステップなどの金属パーツは、パウダーコートや塗装を剥がし徹底的にポリッシュすることで、ノーマルパーツを使いながらも高級感を出した。汎用品で[…]
何がいま求められているのか、販売の現場で徹底リサーチ! 「ステップをミニフットボードに交換するのに伴って、シフトチェンジペダルをカカトでも踏み下ろせるようにシーソー式にしたいという要望を耳にしますね」[…]
OHV45度Vツインの伝統を受け継ぐ史上最強エンジンは、キャラに違いあり!! 長きにわたり、ウィリーGが熱き情熱でスタイリングを手がけ、開発技術者たちとともに魂が込められ、製品化されてきたハーレーダビ[…]
パフォーマンスダンパーは効果絶大! 絶対に欲しかった!! 4輪の高性能車に標準装備あるいはアフターパーツとして選ばれ、定評のある「パフォーマンスダンパー」は、モーターサイクル用としてもヤマハを皮切りに[…]
運動性能も飛躍的に向上させた、クラブスタイルカスタムの完成形 軽快かつパワフル! 強力なモーターに隙のない足まわりで、スピードクルーザーとしての理想形のひとつを具現化していると言っていいだろう。 ノー[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車 | ハーレーダビッドソン)
ハーレー女子に聞きました Q1.これまでのバイク歴/ハーレー歴など教えてくださいQ2.いま乗っている愛車を選んだ理由は?Q3.お気に入りのポイント?Q4.高年式モデルにない魅力とは?Q5.同じ趣味を持[…]
フレンドリーさそのままにタフな旅仕様へとカスタム!! フォーティエイトファイナルエディションが2022年の限定販売にて生産を終えて以来、中古車市場でますます人気の高い空冷スポーツスター。長きに渡り12[…]
ドイツのサンダーバイクが手かけたものをイメージソースに、スズキ&アソシエイツが再構築 ブレイクアウトのハンドルをセパハン化し、アグレッシブなライディングポジションを演出するとともに、フロント23/リヤ[…]
ついにカスタムがスタート!! 憧れのローハンドル、楽しみ〜♡ Beat&CアンバサダーとしてXL883Nアイアンとのハーレーライフをスタートし、この1年間でカスタムプランを練ってきた朝山すず[…]
ストリートグライドST:M8-117のポテンシャルをカム&マフラー/FIチューニングで最大限引き出した パフォーマンスバガーとして、ノーマルストック状態から高いスポーツ性能を持つストリートグライドST[…]
人気記事ランキング(全体)
110ccベースの4kW制限モデル=新基準原付か 2025年11月の新排出ガス規制導入によって現行モデルの継続生産が困難になり、新たに110~125ccのモデルをベースとした車両に4kW(5.4ps)[…]
※タイトル写真は欧州仕様 デイタイムランニングライトにウインカーを統合 ホンダが新型「X-ADV」を国内でも正式発表。EICMA 2024で初公開されたもので、ヘッドライトまわりを含むフェイスリフトに[…]
“ヨシムラ”がまだ世間で知られていない1970年代初頭のお話 世界初となる二輪用の集合マフラーが登場したのは、1971年のアメリカAMAオンタリオでのレース。当時のバイク用マフラーは1気筒につき1本出[…]
モデルチェンジしたKLX230Sに加え、シェルパの名を復活させたブランニューモデルが登場 カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やS[…]
復活の軽二輪レトロは足着き性抜群、エンジンは大部分が専用設計だ 現在の国内メーカー軽二輪クラスでは唯一となるネオクラシック/レトロスタイルのモデルが待望の登場を果たした。 カワサキが以前ラインナップし[…]
最新の投稿記事(全体)
旅館の一室でFRP製ヘルメットを手探りで作り始めた 東京・新橋で経営していた旅館の一室で、創業者の鎌田栄太郎がFRP製ヘルメットの製作をはじめたのが今日のSHOEIのはじまりだ。 その旅館はホンダの社[…]
冬のUber Eats配達は過酷です。寒さと路面の凍結の両方と戦わなくてはいけません。しかし、それゆえに配達員が少なくなるため、やり方次第で1年を通してもっとも高額な収入を得られるチャンスの季節だと思[…]
110ccベースの4kW制限モデル=新基準原付か 2025年11月の新排出ガス規制導入によって現行モデルの継続生産が困難になり、新たに110~125ccのモデルをベースとした車両に4kW(5.4ps)[…]
トラベル・エンデューロの最高峰に自動クラッチ制御が装備! BMWモトラッドのロングセラーモデルであるGSシリーズ。その最上位モデルにあたるのがGSアドベンチャーだ。初代モデルの登場は’02年のR115[…]
機密事項が満載のレーシングマシンたち バイクムック”RACERS(レーサーズ)”は、「いま振り返る往年のレーシングマシン」がコンセプト。それぞれの時代を彩った、レーシングマシンを取り上げている。 現在[…]
- 1
- 2