[バイクライテクQ&A] 寒い季節はタイヤのグリップが心配。浅いバンク角で曲がれるフォームは?

寒い季節のカーブの曲がり方

[Q] 寒い季節はタイヤのグリップが心配で、カーブは浅いバンクで曲がりたいのですが、リーンインするほど不安定になるばかりです…。


●文:ライドハイ編集部(根本健)

[A] バイクを立てるほうに気をとられると曲がらない。上半身を横へズラさず低く身構えよう

たしかに、路面温度が低い冬の時期は、タイヤが暖まらずグリップ力は半減以下と思うのが正解です。

だからツーリングでワインディングを走るときは、深くバンクせずにコーナリングするのが基本。

この浅いバンク角で曲がるために、リーンインというフォームがあるのですが、これが誤解を生じやすく、かえって曲がりにくい逆効果となっているケースも少なくありません。

バイクは傾けないと曲がれない…たしかにそうなんですが、だからといって傾ける角度が曲がれる強弱を支配はしてません。

とくに腰で車体を捻るクセがついてるライダーほど、この傾ける角度が浅いと曲がれないと直感している可能性が高いようで、リーンインのフォームがうまくできていません。

深くバンクするとタイヤが滑る、だからバイクができるかぎり寝かさず立てる、それでも曲がれるように内側へ重心を移動するため上半身をイン側(横)へズラしたフォームをとる…、これがNGなのです!

上半身を横へズラすと、たしかに重心は内側へ移行しますので、いずれは曲がれる側へ働きます。

でも横へ移動している間は、体重が車体から抜け気味になってしまうのです。

ライダーは操作したとき、つまり身体を動かしたときにバイクが反応しないと、曲がり始めたとは思い(感じ)ません。

だから上半身をイン側へ突き出す、車体を立てることを優先したライディングフォームは、カーブが短い一般道路には向いていないのです。

上半身を扇形にイン側を低くしていくフォームから始めよう

タイヤは、傾斜角だけでなく、路面に接するトレッド面を潰す荷重次第でも曲がり方が変わります。

これを左右するのが、ライダーの重心位置。内側に移行して曲がる基本は変わりませんが、低い位置にすることでタイヤのトレッドを潰す荷重へ変換されやすくなります。

この上半身を動かすのにはちょっとしたコツが必要です……

※本記事は2023年1月24日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。