![[旧車バイクDIYメンテ] 4連キャブ清掃は効率良くケミカルで洗浄〈ヤマルーブ・スーパーキャブレタークリーナー〉](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
手軽に使える代わりに流れ落ちてしまうスプレータイプに対して、溶液に沈ませることで洗浄成分が細部にじっくり浸透するのが、液体タイプの「ヤマルーブ スーパーキャブレタークリーナー」最大の特徴だ。多連キャブの場合、隣り同士が連結されているためシングルキャブとは洗浄手順や手間が若干異なるが、不調のタネを根絶するには全バラにして漬け込むのが最善策である。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:ワイズギア
単気筒1ボディと4連キャブでは洗浄段取りに違いあり。 超音波洗浄が可能なら、完璧に近い仕上がりに!!
いつかそのうち乗るつもり…という「いつか」が数ヶ月から数年になり、もうダメか…となるのが長期放置車の典型的なパターンだ。キャブレター内部に残っていたガソリンは劣化してワニスやガム質となって、ジェットやキャブボディの通路に詰まってしまう。
ワイズギアのスーパーキャブレタークリーナー(原液タイプ)の使い勝手の良さと効果は周知の事実だが、何よりも液体に漬け込むことで洗浄成分が汚れに浸透するのが最大の強み。スプレータイプのキャブレタークリーナーも手軽で良いが、表面を流れ落ちてしまう。それに対して浸漬タイプは汚れに触れ続けて徐々に溶解するため、ネバネバでコテコテのワニスにも効果的に作用する。
ただ、このクリーナーはゴムや樹脂部品に使えないという注意点がある。シングルキャブなら非分解部分を除いてすべての部品を取り外せるが、多連キャブの場合は燃料ジョイントパイプ/ベントパイプ/スターターバルブ/エアカットバルブに樹脂やゴムがあり、アッセンブリー状態で漬け込めないため、連結解除工程が付け加わる。
負圧キャブの場合は、バタフライバルブの同調アジャスター部分を切り離すと組み立て後の同調調整が必要だが、Oリングやダイヤフラムへの影響を避けるためには全分解が必要だ。
洗浄後はパーツクリーナーやエアブローによる通路開通確認が必須で、超音波洗浄機が使えるようであれば併用することで洗浄効果はさらに高まる。
【ヤマルーブ スーパーキャブレタークリーナー】4連キャブを丸ごと沈めるには容器もそれなりの容積が必要だが、単体にすれば2Lのボトルを切断した簡易容器に収まる。ガソリンとの混合比は70:30なので、クリーナー全量で13Lの洗浄液ができる。●価格:1万1825円(4L)
GSX1100Sカタナ用キャブ。外観は汚れもなくバタフライバルブもスムーズに開閉したが、フロートチャンバーを外すとタール状のガソリンでひどいありさまだった。燃料コックノブも固着している。
ダイヤフラム付き負圧ピストンやOリング付き燃料ジョイントなど、ボディに付いたゴムや樹脂をすべて取り外してクリーナー溶液に漬け込む。PETボトルも樹脂素材だが、2〜3時間の浸漬でPET容器に変化はなかった。
パーツクリーナーではネバネバが取れないタール状の汚れも、キャブクリーナーに浸すことで粘度が下がる。ブラシで軽く擦るだけで簡単に落ちて、漬け込みタイプの効果を実感。
ジェット類を取り外した後のボディ内部通路の状態も重要。フロートチャンバー内の油面はガソリンの揮発に伴い下がるが、通路内に付着した残留分が通路を狭める要因となる。
スーパーキャブレタークリーナーに2時間程度漬け込んだ後に、超音波洗浄機を使用すれば効果はさらにアップ。柔らかいワニスは超音波振動を吸収することも考えられるが、各部のクリーナーを確実に除去できる。常温灯油で洗浄。
超音波洗浄後は、パーツクリーナーで通路各部に閉塞部分がないことを確認する。注意すべきは通路径が小さいパイロット系統で、汚れが残っているとアイドリングや走り出しのフィーリングに影響する。
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