2月吉日、カスノモーターサイクルの創立50周年記念祝賀会が開催された。約300名の来賓が集い佳き日を祝うなか、創業者の糟野雅治さんより会社分割による事業継承が発表された。2人の若き後継者に想いはつながれ、次の未来に向けて新生AELLA(アエラ)はスタートする。
●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●外部リンク:AELLA(カスノモーターサイクル)
カスノモーターサイクルは京都伏見で1974年創業
2023年1月に京都のカスノモーターサイクルを訪れた時、糟野雅治さんは「2024年の50周年にはいろんな人を招いて、盛大なパーティができたらいいなぁ。オートバイしか知らなかった俺ができるこの業界に対する感謝やな」としきりに話していた。
【カスノモーターサイクル50周年の節目を前にAELLA新工場も完成!】糟野雅治さんのチャレンジ精神とは?>>記事はこちら
それから約1年後、その日が訪れた。会場となったホテルオークラ京都には、この佳き日を祝うために日本全国はもとより海外からも来賓が集結。カスノモーターサイクルのスタッフ一同、正装に身を包み、ひとりひとり丁寧にゲストをもてなした。
ネクストステージを見据えたダイナミックな組織改革と事業継承
これまでの感謝を形にするだけでなく、この創立50周年記念祝賀会にはもうひとつ大きな発表の場としての意味もあった。それが事業発展を目的とした会社グループの再編とそれに伴う商号の変更。そして新しく再編された各会社の新しい代表取締役社長の就任お披露目だ。
2024年2月1日より、これまでの「株式会社カスノモーターサイクル」の商号を「株式会社 AELLA」へ変更し、それと同時に新しく「株式会社カスノモーターサイクル」を設立。既存の「株式会社マーチ」と3社の構成となり、カスノグループのホールディングス化を実現したのだ。
そしてこれを機に創業者であり代表取締役社長を務めてきた糟野雅治さんは会長となり、「株式会社AELLA」と「株式会社マーチ」の代表取締役社長には糟野友則さん、「株式会社カスノモーターサイクル」の代表取締役社長には青木伸正さんが就任。
単に事業を継承するのではなく、外部環境も考慮したリストラクチャリング(再構築)を実施。ダイナミックな組織改革が完了し、カスノモーターサイクル改めAELLAとしてのネクストステージへの第一歩が始まったのだ。
既存の海外取引先を拡充し、さらに世界へ
カスノグループを担うことになった2人に話を聞いた。
糟野友則「『株式会社 AELLA』はオリジナルパーツブランドのAELLAの開発や製造、販売が主軸です。AELLAのパーツはアメリカや中国、台湾などですでに取引がスタートしており、少しずつ海外の販路も広がっています。この勢いをより世界に広げたいですし、そのための海外事業部などもゆくゆくは構築したいと考えています。
海外で拡充するには、国内での認知ももっと高めていく必要があります。そのためのプロモーションにも力をいれていきたいと計画しています」
青木伸正「『株式会社カスノモーターサイクル』は『ドゥカティ京都』と『モトラッドカスノ』、この2つのディーラーを核とした新会社です。バイクを安心安全に楽しんでいただけるようにサービスはもちろん、ツーリング企画やイベントなどに注力してきたことは基本これまでと変わりません。
ただ僕は、もっとサービス力の向上を目指したいと思っています。ドゥカティ、BMWともに良いバイクを望まれるお客さまは、ライフスタイル全般において良いモノやコトを経験されていますからね。僕たちが今まで以上におもてなし力をアップし、感動もお届けできるディーラーに成長していきたいと思います」
AELLAには、創立50周年記念祝賀会でも話題となった社訓がある。
『乗らなければ、分からない。
感じなければ、操れない。
楽しまなければ、意味がない。
何よりもまず、ライダーであれ。』
真摯な姿勢でバイクと向き合い、すべてのライダーを安全に守り、純粋に楽しむための操り方を伝えたい。その想いは変わることはない一方、2人の若き経営者が自由に、自らの道を切り拓いっていってほしいと願うばかりだ。
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