
阿部恵斗。ミュージシャンのようなロン毛とワイルドな口ヒゲ、今どきのイケメンライダーである。2013年に「ウェビック チームノリック ヤマハ」に加入、2015年に筑波地方選手権にデビューしたときはまだ小学生。あどけなかった少年は今年全日本ロードレースST600クラスのチャンピオンを目指す。イヤ、目指すのはその先の世界だ。
●文:Racing Heroes(駒井俊之) ●写真:Racing Heroes(駒井俊之)
駒井俊之(こまい・としゆき)/1963年生まれ。バイクレース専門サイト「Racing Heroes」の運営者。撮影から原稿製作まで1人で行う。“バイクレースはヒューマンスポーツ”を信条に、レースの人間ドラマを追いかけている。
2015年、筑波地方選手権でデビューしたときはまだ小学生
阿部は2018年にJ-GP2クラスで全日本デビュー。2019年はシリーズランキング8位、翌2020年からはST600クラスにスイッチしてランキング8位。2021年ランキング5位でウェビック チームノリック ヤマハを卒業。2022年は自ら宗和孝宏の門戸を叩き「Team 51 GARAGE YAMAHA」に加入。オートポリスで初優勝、自身最高位のシリーズランキング3位。今年はゼッケン3で挑む。
「Team 51 GARAGE YAMAHA」は今年西村硝が新たに加入して2台体制でスタートを切った。西村は2019年の出光アジアタレントカップチャンピオン、昨年は長島哲太のチームからST600クラスに参戦した。阿部と西村、年齢も近くお互いに良い刺激となっているようだ。
迎えた開幕戦もてぎ。走行1本目のスタート3分前になってもマシンのカウルが付いていない。メカニックや宗和たちが慌ただしく準備を行う。その様子をじっと見ながら待機している阿部。走行開始から数分後、やっとコースイン。1本目のタイムは1’54.671、トップから0.408秒差の9番手。コースイン前のバタバタを問うと「あぁ、いつものことですよ。」と意に介さない。しかしスーパーバイザーの辻本聡によると相当イライラしていたとのこと。チームを想う優しさを見せる一方、辻本の前では感情を露わに出し、トップへの強い執着心を見せる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
自走でサーキットへ! その道中さえもがスポーティで楽しい タイヤをブリヂストンのバトラックス レーシングストリート RS11(以下RS11)に交換したBMWのS1000RRは、とてもしなやかに一般道の[…]
スプロケットメーカーが手掛けるチェーンだから安心! ワングレードで選びやすく! お財布にやさしい価格も実現 サンスターのチェーンは520/525/530の3サイズを用意。現行スポーツバイクなら250c[…]
XX-Formula最後の年にチーム初優勝! Hondaの10連覇を達成 !! 他に先駆けて世界グランプリ(ロードレース世界選手権)にオリジナルマシンを投入していたTSRは、当時『打倒HRC! 打倒ワ[…]
防水ポケット付きのメッシュジャケットが豊作! 日差しが眩しく気温の高い日が増えるにつれ、今年こそメッシュジャケットを早めに購入しよう! と思うライダーも多いだろう。事実、夏日になる直前にはお目当てのメ[…]
ミラーにここまでのクオリティが必要なのだろうか…… 「ミラーに高級感を!」そもそもこの発想がとても斬新だ。様々なバイクのミラーを見てみると、ノーマルで高級感のあるプロダクトはあまりない。ネイキッドであ[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
8/1発売:ロイヤルエンフィールド「ハンター350」 2025年8月1日より受注を開始するのが、ロイヤルエンフィールドの新型「ハンター350」だ。注目すべきは、従来モデルから5万円以上の値下げが敢行さ[…]
ヤマハ版ハンターカブ「PG-155」の可能性を探る アジアで話題沸騰のヤマハ「PG-1」はキャブレター仕様のため、日本の排出ガス規制が壁となる。そこでヤングマシンは「PG-155」という上位グレードの[…]
今年の8耐レーサーYZF-R1&1999 YZF-R7フォトブース 6年ぶりに鈴鹿8耐へファクトリー体制での参戦を果たすヤマハ。それもあってか、今年の8耐は例年以上の盛り上がりを見せている。 会場のヤ[…]
“モンスターマシン”と恐れられるTZ750 今でもモンスターマシンと恐れられるTZ750は、市販ロードレーサーだったTZ350の並列2気筒エンジンを横につないで4気筒化したエンジンを搭載したレーサー。[…]
WMTCモード燃費×タンク容量から航続距離を算出してランキング化 この記事では、国内4代バイクメーカーが公表しているWMTCモード燃費と燃料タンク容量から算出した1給油あたりの航続可能距離を元に、12[…]
人気記事ランキング(全体)
ミルウォーキーエイト117に3タイプのエンジン登場! ハーレーダビッドソンの現行クルーザーモデルには、シリンダーヘッド/スロットルボディ/インテークマニホールドを刷新した3タイプのミルウォーキーエイト[…]
ブランド名は「南北戦争」に由来 1991年、成功を収めた弁護士、マシュー・チェンバースが興したバイクメーカー、コンフェデレート。 和訳すると「南軍」を意味する社名は、創業地がルイジアナ州バトンルージュ[…]
軽量で取り扱いやすく、初心者にもピッタリ 「UNIT スイングアームリフトスタンド」は、片手でも扱いやすい約767gという軽さが魅力です。使用後は折りたたんでコンパクトに収納できるため、ガレージのスペ[…]
みんながCBを待っている! CB1000Fに続く400ccはあるのかないのか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「[…]
「ワインディングの覇者を目指すならCB-1」のキャッチコピーだったら評価は変わった!? カウルを装着したレーサーレプリカが出現する以前、1970年代までのスーパースポーツはカウルのないフォルムが一般的[…]
最新の投稿記事(全体)
50ccでも実用カブとは別系統のOHCスポーツ専用エンジンを開発! ホンダは1971年に、50ccではじめてCBの称号がつくベンリイCB50を発売した。 それまで50ccにもスポーツモデルは存在したが[…]
LEDのメリット「長寿命、省電力、コンパクト化が可能」 バイクやクルマといったモビリティに限らず、家庭で利用する照明器具や信号機といった身近な電気製品まで、光を発する機能部分にはLEDを使うのが当たり[…]
コンセプトが異なる3種のフルフェイスにニューグラフィック登場 KabutoのフラッグシップであるF-17は、耐貫通性と衝撃吸収性を備える高強度複合素材帽体『A.C.T.-2』に、徹底した空力特性を加え[…]
風が抜けるのにCEレベル2! タイチ「ネックスエアー」が夏の安全を変える ライダーの命を守る重要な装備、胸部プロテクター。しかし夏場は熱がこもりやすく、つい安全性よりも涼しさや薄さを優先した装備に切り[…]
発売当初のデザインをそのままに、素材などは現在のものを使用 1975年に大阪で創業したモンベル。最初の商品は、なんとスーパーマーケットのショッピングバックだった。翌年にスリーピングバッグを開発し、モン[…]