JA共済連は、9月21日から令和4年秋の全国交通安全運動がスタートしたことを受け、交通安全啓発に向けた様々な情報の発信を行っている。5月の改正道路交通法により、高齢者の運転免許証の更新制度が変わり、高齢者講習の一元化や認知機能検査方法の変更、運転技能検査の新設、サポートカー限定免許制度が導入された。そうした中、JA共済連では高齢ドライバーやその家族に対して、免許返納ではない選択肢「補償運転」という考え方を紹介している。
●文:月刊自家用車編集部
「補償運転(安全ゆとり運転)」とは?
「補償運転(安全ゆとり運転)」とは、加齢に伴う運転技能の不安を補うために、体調や天候、道路状況を考えて安全に運転すること。たとえば、夜は周りが見えにくいから運転は昼間だけにする、雨の日は視界が悪いから運転は晴れの日だけにする、遠出はやめて、運転は近所のスーパーと病院だけにするなど。ゆとりをもって運転することで、交通事故につながる危険性を減らすことができるという考え方だ。
高齢の運転者による死亡事故を防ぐために
75歳以上の高齢の運転者による死亡事故件数は減少傾向であるものの、令和3年における免許人口10万人あたりの75歳以上の高齢の運転者による死亡事故件数は、75歳未満の運転者による死亡事故の件数に比べ、依然として2倍以上も多くなっている。
高齢ドライバーによる相次ぐ事故報道や、死亡事故の割合が高い事実などを背景に法整備が進み、自主免許返納という選択を迫られる高齢者も存在する。しかし、生活のためには車の運転が必要である高齢者も多いのが現実である。そこで、高齢ドライバーがゆとりある運転を意識し、安全運転を続けられることを願い、補償運転(安全ゆとり運転)という考え方を、自らの体験から交通安全啓発活動に取り組んでいる風見しんごさん出演のWeb動画『交通安全の手紙』で紹介している。
また、高齢ドライバーを親に持つ子供世代の座談会を開催し、その中でも補償運転(安全ゆとり運転)を紹介した。 「事故を起こさないため、さっそく親に伝えたい」「高齢者がこれからも地域で安心して暮らしていけるよう、家族だけでなく社会全体で支え合っていけると良い」などの意見が出た。
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