
現行ラインナップとして今はなくても、あの頃の憧れや、もう一度乗ってみたいという思いを叶えてくれる絶版車。数ある絶版車オフロードマシンの中から、ヤマハが誇る最強のナンバー付きデュアルパーパスモデル「WR250R」を紹介する。
●文:ゴーライド編集部(青木タカオ) ●写真:栗田晃 ●外部リンク:レッドバロン
開発コンセプトはオフロードのR1。生産終了後も”最強”と呼び声高い!
ヤマハのラインナップから姿を消し、はや5年。それでもまだ一般公道を走ることができるナンバー付きデュアルパーパスとしては、最強と呼び声高いWR250R。“オフロードでのYZF-R1”をコンセプトに開発され、’07年11月に発売開始。オフロードファンを歓喜させたのは記憶に新しい。
【‘16 YAMAHA WR250R】■全長2190 全幅810 全高1235(各mm) 車重132kg ■水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒 249cc 31ps/10000rpm 2.4kg-m/8000rpm 始動:セルフ ■タイヤサイズF=80/100-21 51P R=120/80-18 62P ●発売当時価格:70万1400円 [写真タップで拡大]
メッキシリンダー/鍛造ピストン/ストレート吸気ポートを持つ水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンは、77×53.6mmというショートストローク設計で、圧縮比は11.8。ハイオクガスを指定し、低中速回転域でのトルクフルさをそのままに、1万回転で31psの最高出力を発揮する。
競技用YZ系の技術やノウハウを惜しみなくフィードバックしたアルミフレームも、贅沢な仕上がり。鋳造と鍛造を適材適所で組み合わせ、エンデューロレースなどハードなオフロードライディングにも耐える高い剛性と、最適な重量バランスを実現。リヤサブフレームとエンジンハンガーの3ピース構成からなっている。
本格的なエンデューロ用タイヤが履けるフロント21/リヤ18インチの足まわりも強力そのもの。伸び/圧の減衰圧調整ダイヤルを備える倒立フォークはインナーチューブ径4mm。リヤにはリンク式のモノクロスサスが備わり、プリロードもさらに調整可能とした。
’17年に生産終了するまでモデルチェンジはなく、カラー&グラフィックの変更を繰り返すのみ。ヤマハのイメージカラーといえるブルーは、オフロード最高峰と呼ぶにふさわしいWRにやはりよく似合う。アフターパーツも豊富で、いまだに人気が高いのも頷ける。
オフロードでの走破性を重視し、サスペンションのストロークは前後とも270mmと余裕たっぷり。シート高は895mmと高くなった。ウェーブディスクは前250mm径/後230mmと強力だ。リンク式モノショックはスプリングのイニシャルプリロード調整ができる。アルミフレームは鋳造と鍛造のハイブリッド構造。 [写真タップで拡大]
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