’23最新モトクロッサー&エンデューロレーサー ピックアップ試乗インプレ〈ガスガス編〉

’23最新モトクロッサー&エンデューロレーサー ピックアップ試乗インプレ〈ガスガス編〉

長野県ワイルドクロスパークGAIAにて開催されたKTM/ハスクバーナモーターサイクルズ/ガスガスの2023オフロードレーサー試乗会。ゴー・ライド編集部では、これまで試乗できなかったモデルを選び、渡辺学選手が徹底試乗を敢行した。前編ではKTMの2台/中編ではハスクバーナモーターサイクルズの3台について触れたが、今記事ではガスガスの3台を紹介する。


●まとめ:小川浩康(ゴー・ライド編集部) ●写真: 長谷川徹 ●試乗&インプレッション:渡辺学

ガスガスMC125:2ストらしい軽さとパワーのモトクロッサー

ガスガスの’23モデルは、ブランドカラーの赤を強調したグラフィックを採用しているのが変更点。車体は’22モデルの継続なので、昨年試乗できなかったモデルをインプレッション。

【GASGAS MC 125】■水冷2ストローク単気筒124.8cc 燃料供給方式:Mikuni製X38 始動:キック 変速機6段 ■車重87.5kg(半乾燥) ■サスペンション:F=WP製XACT48倒立フォーク R=WP製XACTリンク式モノショック ■タイヤサイズ80/100-21 R=100/90-19 ●価格:99万9000円

渡辺学選手(以下、学選手)「シンプルなキックオンリーの2スト125なので、取りまわしも乗った感じもすごく軽いですね。前後サスペンションもしっかりした剛性があって、セッティングも硬め。大ジャンプの着地の衝撃もしっかり吸収するので安心できますが、コーナーではもう少しストロークしたほうが車体を倒し込みやすくなり、マシンコントロールしやすくなると思います。サスはもう少し乗り込んで、セッティングを詰めていきたですね。

エンジンは中高回転でトルクとパワーが出てくるので、半クラッチと小まめなシフトチェンジで中高回転域をキープして走ると速いです。ギャップやジャンプをなめて走るより、トントンとリズミカルに攻めるのに最適な車体の軽さとパワーになっていて、低中回転でトコトコ遊ぶファンバイクではなく、生粋のモトクロッサーだと感じました」

燃料供給はミクニ製X38キャブレター。オーソドックスな作りは、シンプルな2ストを新車で楽しみたい人に安心材料となるはずだ。

車体幅はスリムだが、硬めのサスは沈み込みが少なくシート高は高く感じる。

[左]フロントは軽量化に貢献するエアサスペンション。熱ダレしにくくなっている。[右]リヤサスはリンク式でクセのない乗り味。ライダーのマシンコントロールに確実に応えるために、信頼性のあるパーツで作り込んでいる。

ガスガスMC250F:軽い乗り味で前に出る4ストモトクロッサー

ガスガスは、KTMグループ入りしてから基本的な車体構成を共有化しているが、MC250Fはその4ストモトクロッサー第1弾として登場した。’23モデルはグラフィック変更のみなので、’23KTM250SX-Fの一世代前のモデルとなる。

【GASGAS MC 250F】■水冷4ストローク単気筒249.9cc 燃料供給方式:Keihin製EFIスロットルボディ44mm 始動:セル 変速機5段 ■車重99kg(半乾燥) ■サスペンション:F=WP製XACT48倒立フォーク R=WP製XACTリンク式モノショック ■タイヤサイズ80/100-21 R=110/90-19 ●価格:114万9000円

学選手「最新鋭の装備ではないですが、戦闘力が低いわけではないです。エンジンは高回転まで軽く回っていく感じで、その時にパワーも十分出てきます。アクセル操作に対して車体が前に進む感じが強く、加速感が気持ちいいです。

前後サスペンションは硬めで、大ジャンプの着地の衝撃に耐えてくれます。MC125でも感じましたが、ライダーがサスにしっかり荷重することでトラクションが発揮する、モトクロスコース向きのセッティングです。高回転をキープして、確実にマシンコントロールすれば高い戦闘力を発揮する乗り味で、中上級者向けと言えますね。

’23KTM250SX-Fは初中級者にも扱いやすさが感じられますが、フルモデルチェンジはそのためだったのでしょう」

ボア×ストロークは78×52.3mm。一世代前のエンジンとなったが、回転上昇のスムーズさ/高回転のパワーは未だトップレベルにある。

[左]フロントはエアサスペンションで軽量化に貢献。トリプルクランプは鍛造製。[右] リヤはリンクサスを採用。信頼性のある装備でコストパフォーマンスは良好だ。

ガスガスEC300:パワフルかつシャープで乗り応えあり!!

【GASGAS EC 300】■水冷2ストローク単気筒293.2cc 燃料供給方式::Dell’Orto製EFI(TPI)スロットルボディ39mm 始動:セル 変速機6段 ■車重105.8kg(半乾燥) ■サスペンション:F=WP製XPLOR48倒立フォーク R=WP製XACTリンク式モノショック ■タイヤサイズ90/90-21 R=140/80-18 ●価格:127万4000円

基本コンポーネントをKTMと共有するガスガスだが、エンデューロモデルのリヤサスペンションはリンク式を採用しているのが特徴となっている。

学選手「前後サスペンションはエンデューロレーサーとしては硬めです。ストローク性は悪くないですが、路面からの衝撃をストローク初期で吸収していて、フラットな乗り心地になっています。

エンジンは低回転から高回転までトルクが太く、アクセルを開けなくてもデロデロと走っていけます。ただ、エンジンの回転上昇は早めで、車重も軽いので、全域でトルクを感じながらも乗り味は軽く、どちらかといえばモトクロッサーのようなシャープさがあります。

初中級者はアクセル半開でマディやヒルクライムを楽に走破し、中上級者は高回転をキープして、路面を掻きながら難所をハイスピードで走破する。パワーバンドが広いので、幅広いライダー層がさまざまなスタイルで遊べるのが特徴。パワーとシャープな吹け上がりで、2ストらしいマシンコントロール性が楽しめる1台ですね」

燃料供給はKTM独自のフューエルインジェクションTPI。全域でトルクフルな特性を実現し、扱いやすさに大きく貢献している。

[左]KTM EXCシリーズと同仕様のフロントサスペンション。[右]リヤサスはEXCシリーズとは異なり、ハスクバーナモーターサイクルズTEシリーズと同仕様のリンクサスを採用。適材適所でコストを抑えているのもガスガスの特徴だ。

モトクロッサーはミニサイズもラインナップ

初めてのキッズレーサーとしてMC65、ステップアップとしてMC85の2ストミニもラインナップ。さらに電動ミニMC-E5も導入。キッズの体格や楽しみ方に合わせて選べるラインナップとなっている。

ガスガスMC65

【GASGAS MC 65】■水冷2ストローク単気筒64.9cc 燃料供給方式:Mikuni製VM24 始動:キック 変速機6段 ■車重53kg(半乾燥) ■サスペンション:F=WP製XACT35倒立フォーク R=WP製XACTモノショック ■タイヤサイズ60/100-14 R=80/100-12 ●価格:61万4000円

ガスガスMC85 19/16

【GASGAS MC 85 19/16】■水冷2ストローク単気筒84.9cc 燃料供給方式:Keihin製PWK28 始動:キック 変速機6段 ■車重68kg(半乾燥) ■サスペンション:F=WP製XACT43倒立フォーク R=WP製XACT PDSモノショック ■タイヤサイズ70/100-19 R=90/100-16 ●価格:75万4000円

ガスガスMC-E5

【GASGAS MC-E 5】■電気モーター:48V外側ローター付きBLDCモーター ■定格出力:2kW/3200rpm ■トルク:13.8N・m ■バッテリー容量:21Ah ■車重40.5kg(半乾燥) ■サスペンション:F=WP製XACT35倒立フォーク R=WP製XACTモノショック ■タイヤサイズ60/100-12 R=2.75-10 ●価格:78万3000円


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