コーナリングやスラロームもできちゃう
走りが違う電動キックボード!? デイトナDK01はバイク乗りも楽しめる![EV試乗レビュー]
![走りが違う電動キックボード!? デイトナDK01はバイク乗りも楽しめる![EV試乗レビュー]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/02/IMG_0092.jpg)
●文:[クリエイターチャンネル] 増谷茂樹
昨年の道交法改正によって生まれた新たなカテゴリーが特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)。最高速度20km/h以下の電動モビリティを対象としたカテゴリーで、年齢が満16歳以上であれば、免許不要で乗れることもあって注目が集まっています。シェアリングサービスで使われる電動キックボードが注目されていますが、バイク乗りにもおすすめしたいモデルに出会ったので紹介させてもらいます。
自転車以上、バイク未満の乗り物!?
特定小型原付のメリットは、なんと言っても免許不要で乗れること。免許がなくても乗れる動力のある乗り物としては、前回紹介したe-Bike(電動アシスト自転車)もありますが、ペダルを漕がなくてもいいという点では、特定小型原付の方が楽に走れるといえます。
走れる場所は車道の左側が基本で、交差点などは二段階右折が必要。6km/h以下での走行モードを備える”特例”特定小型原付モデルであれば、自転車通行が許される歩道を走ることもできます。ヘルメットの着用は努力義務で、法規的にはe-Bikeを含む自転車と同じといえるでしょう。
実際に乗ってみると、アクセルレバーの操作だけで20km/hの速度で移動できるのは、都市部では結構快適です。電動アシスト自転車なら24km/hまでアシストが効きますが、シェアリングサービスで使われている電動アシスト自転車と比較しても、移動の楽さという点では同等。ただ、e-Bikeといったスポーツタイプと比べると長距離移動ができないですし、移動スピードも劣るという印象でした。
レンタルのものとは違う!? デイトナの「DK01」
シェアリングサービスの電動キックボードを利用したことがあるという人もいるかもしれませんが、正直なところ”乗って楽しい”ものではないという印象ではないでしょうか?
「そういうもの」だと思っている人も少なくないと思われますが、色々なタイプの特定小型原付に乗ってみると印象が異なるものもあります。その筆頭がデイトナが手掛けた「DK01」というモデル。2024年春発売予定のモデルですが、プロトタイプに試乗することができました。
デイトナといえば、バイクのカスタムパーツのメーカーとして知られていますが、実はオリジナルのe-Bikeなども製造/販売しています。この「DK01」を手掛けたのもそのE-MOBILITYグループ。随所にe-Bike製造で培ったノウハウが注入されています。
シェアリングサービスで使われている電動キックボードは、メンテナンス性を考慮してエアタイヤではないものが装着されていたりしますが、「DK01」は12インチのエアタイヤ。サスペンション機構は装備されていませんが、径が大きいこともあって段差などにも強い作りになっています。
「DK01」の大きな特徴は足を置くステップが左右に分かれていること。足を縦に並べて乗る電動キックボードが多い中、フレームを挟むように横並びで乗ることができます。これも左右のステップに荷重して曲がれるように考えられた設計です。また、ステップ長が短いので、ホイールベースを短くする効果もあります。
バイク乗りでも楽しめる乗り味
実際に乗ってみると、アクセル操作に対して俊敏に加速する感覚が味わえます。最高速度は20km/hという制限があるので他の電動キックボードと変わりませんが、そこに至るまでのスピードが速い感じ。また、アクセルでの車速調整もしやすい。電動キックボードの中には、アクセル操作がONとOFFしかないような車種もありますが、アクセルに応じたモーターの制御が緻密でコントロールがしやすい印象でした。
そして、乗っていて楽しくなるのがコーナリングやスラロームのような操作。シェアリングサービスで使っているような電動キックボードは、ハンドル操作で曲がるのか車体を傾けて曲がるのか今ひとつハッキリしないようなハンドリングですが、「DK01」はちゃんとセルフステアが効きます。左右のステップを踏むように荷重移動すると、車体が機敏に反応するのでそれも気持ちいい。慣れてくると、タイヤを潰して曲がっていく感覚も味わえました。
これまで楽しい乗り物だとは感じていなかった電動キックボードですが、「DK01」はバイクや自転車に乗るのが好きな人たちが作っただけあって、”乗って楽しい”仕上がりになっていました。免許不要で乗れることから、電動キックボードに対してあまり良いイメージを持っていなかった人もいるかもしれませんが、乗って楽しいモデルがあれば2輪車の面白さを体感できる入口になってくれるかもしれません。そんな可能性を感じた試乗体験でした。
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