灯油スプレーで片付けも簡単! 安くて効果てきめんなエンジンの油汚れ落とし方法【温故知新】

エンジンの汚れは灯油で落ちる。機械を扱う現場で洗油として昔から使われていたとういうことは、効果も保証済みなわけで、それは昔も今も変わらないってこと。強力なケミカルが次々と登場している昨今でも、古くから汚れ落としに使われてきた灯油の効果と魅力は色褪せていないのです。てことで今回はエンジンの汚れを落としちゃうよ~!
●文/まとめ:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
というわけで、エンジンの汚れを灯油で落とすのだ
ここにひとつのエンジンがあります。
悲惨なほどに汚れているわけではないけども、とてもキレイとは言えない状態。その汚れ具合を見てみると・・・
まず排気口の下。2サイクルエンジンあるあるで、オイル汚れがべったりとついております。カーシャンプーぐらいじゃ絶対落ちないレベル。汚いね。
エンジンの下は、油で汚れたところに土やら砂やらホコリやらがこびりついております。隙間にも汚れが詰まっちゃってる状態。これもキタナイ。
一番ひどいのがこれ、ドライブスプロケットの周辺。シールから漏れたオイル、吹き込んだ土や砂が積もっていて、そこに飛び散ったチェーンオイルでしっかり固められてるような状態。触りたくなければ見たくもない汚れっぷりでございます。
手早く安く汚れを落とすなら灯油を吹き付けてゴシゴシ
今回はお手軽な方法として、百均のスプレーボトルに入れた灯油を吹き付けて、ブラッシングする方法でいきます。
汚れの分解という点では、容器に入れた灯油に漬け込むのが最も効果的ではあるのですが、それだと大量の灯油が必要であることと、廃油の破棄に手間がかかってしまうので、筆者はこのスプレー方法を多用してます。
実際の作業手順と注意ポイント
灯油でエンジン汚れを落とすときの注意点は以下の通りです。
・作業前にエンジンを冷却する。
灯油は揮発性が高いため、エンジンが熱いうちに使用すると火災の危険があります。作業前にエンジンを冷却し、エンジンオイルが十分に冷えていることを確認しましょう。
・換気を十分にする。
灯油の蒸気を吸い込むと、頭痛や吐き気、目まいなどの症状を引き起こす可能性があるため、屋外又は換気の良い場所で作業しましょう。
・周囲に火の気や可燃物がない場所で作業する。
灯油は引火しやすいため、周囲に火の気や可燃物がない場所で作業しましょう。作業中にタバコを吸ったり、火を扱ったりしないように注意しましょう。
そして、もうひとつ大切な注意点は
・汚れ防止の養生をすること!!
灯油をスプレーして、ブラッシングするときに、驚くほど周囲に飛び散ります!丁寧に作業してるつもりでも思わぬところに汚れが飛んでしかもそれがとても汚いので、カバーをしたり、養生したり、汚したくないものにはカバーをしたりしましょう。
それでは、実際に汚れを落としていきます
汚れているところに灯油をスプレーします。シュコシュコ。
ブラシで擦ります。ゴシゴシ。
ブラシは、擦る場所の広さや形状によって使い分けると作業が効率的に進められます。また、動かし方は、長いストロークでガシガシこするよりも、ストローク短めに小刻みに動かすと奥まったところの汚れも落としやすいです。
ブラッシングできたら、パーツクリーナーや灯油スプレーで洗い流すと、隙間の汚れも落とすことができます。プシュー。
最後に、ウエスやペーパータオルで拭き取ると・・・
ほらっ!こんなに綺麗になりました!!
最難関のスプロケット周辺の汚れも・・・
ドライブスプロケットの周辺の汚れは、土や砂が何層にも厚く積もっているので一筋縄ではいきません。そんなときは、灯油をスプレーしては擦る、そしてまた灯油をスプレーしては擦る、を繰り返します。
灯油が染み込めば確実に汚れが柔らかくなるので、ブラッシングとスプレーの勢いで汚れをどんどん落としていきましょう。
ここも最後に、パーツクリーナーやプレーで洗い流して、ウエスやペーパータオルで拭き上げれば御覧の通り!
やっぱ灯油はスゲェや!
如何でしたでしょうか?
灯油による浸け置き洗いの場合はその廃油の処理が課題になってしまいますが、スプレーボトルに入れて吹き付ける方法なら使用量を最小限に抑えることができて、後片付けも非常に簡単になります。
そして、汚れ落としの効果はご覧に入れた通り。
おかげでエンジンの汚れをきれいに落とすことができました。
オートバイや車のメンテナンスに興味がある方は、ぜひ灯油を使ったエンジン洗浄を試してみてください。安価で手に入りやすく、洗浄後の処理も簡単なため、安心して作業することができます。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
かつてバイク乗りに親しまれていた「解体屋」文化 ボロボロのバイクが無造作に山に(比喩ではなく本当に山積み)なっていて、客は工具を片手にその山に登って部品を剥ぎ取ってきたり、バラした部品を集めてその場で[…]
いざという時に役に立つ小ネタ「結束バンドの外し方」 こんにちは! DIY道楽テツです。今回はすっごい「小ネタ」ですが、知っていれば間違いなくアナタの人生で救いをもたらす(大げさ?)な豆知識でございます[…]
オフロードヘルメットは花粉症に強い! バイク乗りにとって苦しい季節がやってきますね~。そう、“花粉症”でございます! 目がかゆくてショボショボするし、ひどくなると視界がぼやける。そして鼻が詰まると平衡[…]
ガソリン漏れトラブルは突然に これは先日実際に起こった出来事です。 ガソリンを携行缶からバイクのガソリンタンクに注入しようとしたら・・・ボタボタボタッ・・・。 「!!!!」 携行缶のノズルの根元からガ[…]
チューブレスタイヤのビード落としは難しいよね!? タイヤレバーを使ったタイヤ交換、いわゆる手組でタイヤの脱着ができるという方でも、チューブレスタイヤとなると腰が引いてしまう、そんな方も多いのではないで[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
論より証拠! 試して実感その効果!! 老舗カー用品ブランド・シュアラスターが展開するガソリン添加剤「LOOP」シリーズ。そのフラッグシップアイテムである「パワーショット」をさまざまなバイクやクルマに実[…]
マジックフォームとは? 「マジックフォーム」とは、シャンプーを泡状にして広範囲に噴霧する、プロのような洗車を自宅でも実践できるアイテムです。 泡噴射ができるフォームガン2種(蓄圧タイプ/高圧タイプ)と[…]
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむモンキー&ゴリラ 今回登場するのは、88ccにボアアップした初期型Z50J-IIIゴリラ(1978)。排気量アップに合わせてキャブセッティングを行う必要性があると[…]
かつてバイク乗りに親しまれていた「解体屋」文化 ボロボロのバイクが無造作に山に(比喩ではなく本当に山積み)なっていて、客は工具を片手にその山に登って部品を剥ぎ取ってきたり、バラした部品を集めてその場で[…]
人気記事ランキング(全体)
オーディナリーホワイトとアーティザンレッドの組み合わせ カブハウスのSNSでスーパーカブC125の新色が公開された。詳細は記されていないが、1958年以来の“Sシェイプ”デザインに新たなカラーデュオを[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは昨秋、欧州でZ750→Z800に連なる後継車として2017年に948cc並列4気筒エンジンを搭載したスー[…]
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
オイルの匂いとコーヒーの香り。隠れ家へようこそ。 56designが4月12日に奈良県奈良市にオープンさせる「56design NARA」。以前から要望が多かったという、同社初となる関西圏の新店舗だ。[…]
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
最新の投稿記事(全体)
論より証拠! 試して実感その効果!! 老舗カー用品ブランド・シュアラスターが展開するガソリン添加剤「LOOP」シリーズ。そのフラッグシップアイテムである「パワーショット」をさまざまなバイクやクルマに実[…]
今回のテーマは、モーターサイクル史を振り返り、ヘリテイジモデルを中心に展示 今回の車両展示は、モーターサイクル史を振り返りながら、今に引き継がれている現代のヘリテイジモデルを中心にラインナップ。ベネリ[…]
マジックフォームとは? 「マジックフォーム」とは、シャンプーを泡状にして広範囲に噴霧する、プロのような洗車を自宅でも実践できるアイテムです。 泡噴射ができるフォームガン2種(蓄圧タイプ/高圧タイプ)と[…]
“つながる”機能搭載新の7インチTFTディスプレイほか変更多数 ヤマハが新型「トレーサー9 GT」を発表した。これまで上位グレード『GT+』の専用装備だった7インチTFTディスプレイを採用したほか、先[…]
1990年に撤廃された、国内販売車の排気量上限自主規制 大排気量ランキングの話を始める前に、少し歴史を遡ってみよう。日本では、1969年のホンダCB750Fourの登場を機に、当時の国産車の最大排気量[…]
- 1
- 2