【2ストボアアップ】DIYでエンジンシリンダーホーニングに挑戦してみたら…驚きの結果に!
エンジンのシリンダーホーニングはDIYでやってみると面白い。なにが面白いかって、自分自身で、エンジンのコンディションを“整えている”という、その「実感」が楽しい。プロに任せた方がクオリティ高いし確実なんだけどそれはそれ。結果は二の次なのです。何たって自分のバイクなのだから、自己満足上等なのですっ!
●文/まとめ:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
「DIYエンジンシリンダーホーニング」に初挑戦するのです
2サイクルエンジンをちまちまと改造してきたシリーズの最終回です。激安ボアアップキットの罠に気づいてみたり、2サイクルシリンダーのポート形状を平面図にしてみたり、そしてしまいにはDIYでポート加工してみたり・・・いろいろやりました。
そして仕上がったシリンダーの内壁を見てみると、引っかかるような深い傷はないものの、細かな擦り傷がたくさんついていることに気づきました。
ボアアップシリンダーの素材が悪いのか、それとも単純に慣らし運転が下手なのか。てか、それ以前にオフロードコースを全開走行とかやっちゃってるからこれくらいの傷は当たり前かもしれませんが、せっかくエンジンバラしたんだし、組み付ける前にちょっと何かしらのケアをしてあげたいトコロなのです。
そこで用意したのが「シリンダーホーニングツール」
なんか、海底探索とかする潜水艇のロボットアームみたいな形状してますね。一見すると高そうですが、聞いて驚くことなかれ、Amazonで1938円の安物です。
こんな安物だけど、自分の手でシリンダーホーニングができてしまうというのだからいい時代になったものです。ちなみにエラそうに「ホーニング」と言ってますが詳しい意味については知らないのでちょっと調べてみました。
シリンダーホーニング(Cylinder honing)は、エンジンや他の機械部品の加工プロセスの一つで、シリンダーボア(シリンダー内径)を均一で滑らかな表面仕上げにするための技術です。シリンダーホーニングは、特に内燃機関のシリンダー内部の仕上げや寸法調整に広く使用されます。
※ChatGPT先生の回答
なるほど。では、「ホーニング」とは?
「ホーニング英語の “honing”」は、主に2つの意味で使用されます。
研ぎ直し:「ホーニング」は、刃物や工具などの刃を鋭利にするために、砥石などを使って研ぐ作業を指すことがあります。刃物を鋭利にすることを示すことが一般的です。
洗練:もう一つの一般的な意味として、スキルや能力を向上させたり、洗練させたりするプロセスを指すこともあります。たとえば、スポーツ選手やミュージシャンがスキルを向上させるために練習することを「ホーニング」と表現することがあります。
※ChatGPT先生の回答
なるほど、なるほど。一言でいえば「シリンダーボア(シリンダー内径)の再研磨」と言ったところでしょうか?
DIYホーニングの準備。オイルを“たっぷり染み込ませ”たい!
このホーニングツール、形状を見ると3つの砥石をスプリングの力でシリンダー内壁に押し付けて、回転させて研磨する道具のようです。
となれば、作業には潤滑油が必要になるわけですが、「砥石」というからにはちょっと油を差しただけでは絶対に摩擦熱が発生してしまう気がするので、たっぷりシッカリと、油を浸透させることとします。
ホーニングツールごとオイルに浸けることこと一時間。
できるならばまる一日くらい浸けておきたいところですが、包丁研ぎの砥石や、オイルストーンを使う時を考えるとこれくらいで準備オッケーでしょうか?
オイルから引き上げてみると、砥石が程よく黒光りしてるので十分なハズ!?
目指すは美しいクロスハッチ模様、いくぜ!
前置きが長くなりましたが、お待たせしました。お楽しみのホーニング作業です。
今回はホーニングツールを電動ドリルに咥えさせて回転させます。また、差し油が少しでも保持してほしいので横置きとしてみました。
オイル差しでシリンダー内にたっぷりオイルを差しておいて…それじゃ、レッツホーニング!
ギュイーン、ンゴー
ギュイーン、ンゴー ・・・
うおおおおっ! なっなんかこれ、面白いぞっ!!
ぎゅんぎゅん回る砥石を、シリンダーから外れないようにひたすらピストン運動。いや~、こりゃ不思議な面白さあるわ~。
新しいシリンダーに見られる美しいクロスハッチを想像するに、回転速度はできるだけゆっくり、上下動の動きは早めにするといったところでしょうか?
でもこれが、実際にやってみるとなかなか難しい。
ストロークを短くすると全体に行き渡らないし、かと言ってストロークを長くすると砥石がシリンダーから外れてしまって周りに油をぶちまける事態に。
ギュイーン、ンゴー
ギュイーン、ンゴー ・・・
でも、無心になってドリルを前後運動させていると、何となくストローク範囲がわかってくるので、次第に動きがリズミカルになってきます。
ギュイーン、ンゴー
ギュイーン、ンゴー
ギュイーン、ンゴー
ギュイーン、ンゴー
なんだろう、こうしていると、めちゃくちゃ「エンジンを労わっている感」がある・・・。
さてさて、こんなものでしょうか?
クロスハッチ模様にはほど遠いけど仕上がりには満足!
DIYシリンダーホーニングが完了いたしました。
さて、シリンダーの内壁はどうなったでしょうか…?
おおっ! シリンダーの縦傷はまだちょっと残っているし、クロスハッチ模様というにはほど遠い細かすぎる艶消し状態になってますが…でもこれ、オイルの油膜を保持してくれそうな感じですよね… ね? ねっ!?
次回への宿題とほどよい満足感
今回 実際に DIY シリンダーホーニングをやってみて学んだことは「回転はもっとゆっくり、往復運動はもっと速く」でした。
プロのホーニング作業はもちろん道具も違うわけですが、もっと違う動きをしてるものと思われます。それを自宅の自分の手で再現するのは かなり困難とは思われますが、 工夫次第ではもっとクオリティを上げることはできそうな印象でした。
でもまぁ、なんにしても。
たかだか2000円以下のチープなツールでも、シリンダーの縦傷はほとんど消えたしほどよい風合いに仕上がったので筆者的には大満足なのです。
もちろん、プロの仕上がりにはほど遠いのですが、なんたって自分のバイクですから(笑)
クオリティーよりも雰囲気重視! 何もしないよりは断然いい結果を得られるはずなので、今回の結果に大満足なのでした。
事実、このシリンダーを装着して走行してみたところ、 なかなか良いフィーリングを得ることができたので、シリンダーの傷に悩んでる皆様是非とも DIY シリンダーホーニングに挑戦してみてはいかがでしょうか?
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
動画解説はこちら↓
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