バイクメンテナンス系YouTuber DIY道楽テツ氏がママチャリを改造し、バイクのDIYに挑戦する「自作モペット製作記」。第4回目はいよいよ本格的な改造に取り掛かる。まずはドリブンスプロケットの取り付けから。説明書によればポン付け、いわゆるボルトオンとのことだが、果たしてそんな簡単に付くのだろうか?
●文/まとめ:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
- 1 苦戦の予感しかしないよ!?「第二のスプロケット」を装着セヨ!
- 2 最大の懸念ポイント「後輪ブレーキを外さないと載せられない!?」
- 3 【難関その1】いきなり大苦戦→ブレーキドラムが外れない!!!
- 4 ドリブンスプロケットの取り付け開始! ボルトオンって本当?
- 5 スポークに挟むだけで大丈夫? 実は「ホンダカブF型」も同様でした
- 6 取り付けるぜ、ドリブンスプロケット! 不器用なワタシにゃこれは難しい~!!
- 7 【難関その2】どこまで締めたらいいのかわからない無限地獄…そしてやっぱりスポーク曲がるぞ!
- 8 大いに苦戦。だけどもやり遂げました、スプロケット取り付け完了!
- 9 動画解説はこちら↓
- 10 自作モペット製作記に関連する記事
- 11 原付自分でつくってみた! 自転車に取り付ける「モペット用エンジン」購入録〈自作モペット製作記 #1〉
- 12 【最終回】改造ママチャリ、中国製エンジンを積んで大疾走! クローズドコースにて走行試験〈自作モペット製作記 #9〉
- 13 ママチャリ改造バイクついに完成! コレが本当の原動機付自転車だっ!!〈自作モペット製作記 #8〉
- 14 中国製エンジンでママチャリをオートバイに! 2本チェーンは外観がシュールすぎ?〈自作モペット製作記 #7〉
- 15 【異形】中国製エンジンをママチャリに搭載! 果たしてどうなる? 苦難のすえ位置決め&溶接完了〈自作モペット製作記 #6〉
- 16 ママチャリをブッタ切ってエンジン搭載!! 原付バイク化計画進行中〈自作モペット製作記 #5〉
- 17 中国製の自転車エンジン、取り付けにはブレーキの取り外しが必要だった…! スプロケット増設編〈自作モペット製作記 #4〉
- 18 Amazonで買った中国製の自転車用エンジン、本当に動くのか? 始動テストしてみた〈自作モペット製作記 #3〉
- 19 人気記事ランキング(全体)
- 20 最新の記事
苦戦の予感しかしないよ!?「第二のスプロケット」を装着セヨ!
原付バイクを自分で作る! という、ある種究極的なDIYにトライするべく、Amazonで「自転車に取り付けて原付として登録できるエンジン」を半ば衝動買いしてしまいました。エンジン単体始動テストをして、実際に動くのを確認できたのが前回までのあらすじ。今回から本格的な作業に入ります。
気分的にはね、まずはフレームにエンジン搭載! というド派手な作業から開始したいところですが、その前にやるべきことがあります。
それが後輪に「ドリブンスプロケット」を取り付ける作業。チェーンを通じてペダルの動力を後輪に伝える役割を持つ部品ですが、エンジンという第二の動力源を搭載するにあたって、新たにエンジン用のスプロケットを装着する必要があります。
ふと、ひとまとめにしちゃったほうが効率がいいのでは? と思ったのですが、すぐに間違いだと気づきました。もし仮にペダルのスプロケットと直結にした場合、アクセルを開けたらペダルがすごい勢いで回っちゃうわけですからね、それはあまりに危ない…!(汗) ということで、新たに別のスプロケットを増設する必要があるんです。
後輪の右側にはペダルに繋がるスプロケットが装着してあるため、反対の左側に増設。エンジンとペダルのスプロケットを別々に分けておけば、エンジンのパワーで走行中は坂を下るときと同じように走れるというスンポー。なるほど、これで納得です。
また、このドリブンスプロケットを先に取り付けないことにはエンジンの搭載位置を決めることができません。というのも、重要になってくるのが「チェーンライン」。後輪のどれくらいの位置にスプロケットが取り付くのかわからないと、エンジンの搭載位置を決めることができないわけです。ただでさえママチャリの細いフレームの隙間を縫うようにチェーンを通さねばなりません。この辺の調整はのちのちの課題になるかと思われます。
最大の懸念ポイント「後輪ブレーキを外さないと載せられない!?」
それと忘れちゃいけない問題点がひとつ。このドリブンスプロケットの取り付けは、後輪ブレーキと引き換えになります!!
基本的にこの自作モペット用エンジンキットは、クロスバイクなどブレーキをフレームに取り付けるタイプの自転車を前提としています。しかし、今回ベースとするママチャリはハブに取り付けるバンドブレーキ仕様。したがって、同じくハブ部に取り付けるスプロケットを増設するためにはブレーキを取り外す必要があるんです。
これはママチャリにエンジン載せたい! と思った当初からわかっていた課題なのですが、こちらも後々、後輪ブレーキを新設しなければならないという作業が待っています。ちなみに、現段階ではどうするか考えてませんが、まぁ何とかなるでしょう(笑)
【難関その1】いきなり大苦戦→ブレーキドラムが外れない!!!
てことで、ドリブンスプロケットの取り付け作業の前に後輪をサクッと分解します。
このバンドブレーキを取り外すのですが…実はコレが大変。ブレーキ本体はねじを緩めれば簡単に外れますが、その中のドラムが異常なまでに固いのですよ!(外した経験がある方なら分かってくれるハズ)
もっとも、ココは新しい車体なら比較的簡単に外せます。しかし今回のように古い自転車になると特殊工具を使ってもそうそう外れるものではありません。プロの自転車屋さんでも嫌がられるポイントなので、苦戦するのはまぁ普通だと思います。
今回もかなり苦戦したのですが…それは今回の内容にはあまり関係なので省きます(笑)。かなりえげつない外し方をしましたが、興味ある方は記事末尾にあるリンクからYouTube動画のほうをご覧になってください~!
ドリブンスプロケットの取り付け開始! ボルトオンって本当?
お待たせしました。いよいよドリブンスプロケットの取り付け作業です。
どちゃっとひとまとめになっていた部品の分類から始まります。ボルトやらナットやらU字や平べったい金具などゴチャ混ぜだったのですが、説明書(英語)を頼りになんとか引っ張り出したのがコチラ。
思ったより大きいスプロケットとボルト/ナット/ワッシャーのセット。そして何やらゴムの円盤ふたつと湾曲した金属プレート三枚。なんかイメージよりも部品点数が多くない?
どうやらゴムのプレート二枚でスポークをサンドイッチして、その外側からプレートとスプロケットで挟んでボルトで締め付けて固定するらしい? ってとこまでは、説明書(英語)で何とか理解はできました。
ちなみに、説明書には日本語版も付属していたのですが、FAXで送られてきたものをさらにFFAXしたような潰れまくった白黒の写真なので、何が移っているのやらワケわからん状態。また、肝心の日本語もちょっと意味不明な文章なので、ぶっちゃけ写真が見やすい英語のほうがまだマシでした。
スポークに挟むだけで大丈夫? 実は「ホンダカブF型」も同様でした
「おいおい、大丈夫なのかな?」と思ったのが、その「スポークに挟み込む」という構造について。
スポークですよ? 細いですよ?? 繊細ですよ??? それにゴムとはいえボルトで締め上げるなんて、ホイールの精度もナニもあったもんじゃないでしょ。とか思ったのですが、先日拝見した原動機付自転車のご先祖様、「ホンダカブF型」も似たような構造でした(笑)。
金属プレートで挟むという点ではやや違いますが、自転車にエンジンを後付けする、という点においてはこれが最適解なのでしょうと納得することにします。
取り付けるぜ、ドリブンスプロケット! 不器用なワタシにゃこれは難しい~!!
部品は揃った。取り付け方も(概ね)理解した。あとはひたすら作業するのみ! ってことで、取り付け作業に入ります。
まずはスポークをゴムの円盤で挟み込むわけですが、当然ながら内側にはそのままでは入らない。いきなりスポークを分解するのかい? と思いきや、どうやら「切る」そうです…。
そんじゃ、ハサミで…と思ったら、これが硬い、硬い…! そりゃまぁ、こんなハサミで簡単に切れるような強度だったらとてもじゃないけどドリブンスプロケットは固定できないのでしょうが、カッターも歯が立たず、ゴツい巨大ハサミも持ってないので、ウンウンと唸りながらなんとか切断しました。(できればこれは最初からカットしたものを入れて欲しい…と思うのは贅沢?)
切ったゴムプレートをスポークの内側に入れて、外側からもゴムプレートを重ねてみます。…かなりガタがあるので、最後の位置決めに苦戦しそうなだな~という予感を持ちつつも、内側には金属プレート、外側にいよいよ今回の主人公であるドリブンスプロケットを重ねてみます。
これ、写真だとサクサクッと作業出来るように見えてしまいますが、実際の作業はワチャワチャしてます(笑)。
まず、ゴムプレートが動くし、そこにもってきて金属プレートとスプロケットがあるわけですから、アチコチ好き放題動いてくれちゃいます。そして、もっと悪いことに内側にある部品たちはスポークの中にあるわけで、非常に手が入りづらい!!
ガチャガチャ、グラグラのなかでワッシャー入れて、スプリングワッシャー入れて、そしてナットを入れて締め込んでいくなんて、不器用なワタシにゃあまりに高度、あまりに難関な作業でした。
【難関その2】どこまで締めたらいいのかわからない無限地獄…そしてやっぱりスポーク曲がるぞ!
最終的にはドリブンスプロケットを下にして作業すれば比較的やりやすいことに気づいたものの、やっぱり複雑に絡み合うスポークの妨害工作(?)に遭い、何度ワッシャーを落としたか数知れず。もっとも、プロでもなんでもないのでゆっくりじっくり、焦らず作業すればいいのですけどね~。
そしてこのドリブンスプロケットは回転したときにブレがあると非常に具合が悪いので(最悪チェーンが外れる)、できるだけセンターに、しかも斜めにならないように様子を見ながら均等にボルトとナットを締めていきます。
に、してもだ。これってどこまで締めればいいのでしょうか??
なにせブ厚いゴムプレートが入っているので、どこまでも締められちゃいそうなのです。だったら全力で、締められるだけ…と思いきや、今度はスポークが曲がってきました。
緩いとドリブンスプロケットが外れたり固定位置からズレそうだし、かといって締めすぎるとスポークが歪んでホイール自体のブレが出るか、最悪ダメージを与えるかもしれない!?
加減がわからず締め→緩め→締めを繰り返して、できた! と思ったら今度はスプロケットがセンターから大いにズレているという(涙)。
大いに苦戦。だけどもやり遂げました、スプロケット取り付け完了!
ボルトオンと言いつつも、今回の作業はほぼ半日。ブレーキのドラム外しに1時間、スプロケット取り付けに2時間といったところでしょうか。何はともあれ、恐らくはこれで大丈夫かな? といったところでほぼセンターに取り付けることができました!!
後輪を取り付けて回転させてみると、意外と上下左右ともブレなく回ります。スポークが曲がった分ホイールのブレも気になるところでしたが、そちらへの影響もゼロではないにせよ、許容範囲に収まってくれました。
あくまで汎用品ということで、取り付けて実際に走った時に、どれくらいの精度で、どれくらいのスパンで増し締めをすればいいのか、また、耐久性がどれくらいかはまだ未知数ではありますが、何はともあれ、今はドリブンスプロケットが無事取り付けられてホッと一息つけました~。
というわけで、次回からいよいよフレームにエンジンを搭載する作業の開始です! 今回もご視聴ありがとうございました~!!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
動画解説はこちら↓
(↓)YouTube動画のほうでは映像付きで解説しているのでよかったら参考にしてください♪
自作モペット製作記に関連する記事
人気記事ランキング(全体)
タイや欧州、北米で先行発表済みのW230とメグロS1 カワサキモータースジャパンは、新型モデル「W230」と「メグロS1」をタイ、欧州、北米に続き日本でも2024年11月下旬に発売すると発表。これと併[…]
先代譲りの緻密さは最新電脳で究極化?! 旧CB400はハイパーVTECやABSこそあったものの、従来型(NC42)の登場は2007年だけに、近年の最新電脳デバイスは皆無だった。しかし新型CB400は電[…]
1441cc、自然吸気のモンスターは北米で健在! かつてZZ-R1100とCBR1100XXの対決を軸に発展し、ハヤブサやニンジャZX-12Rの登場からのちにメガスポーツと呼ばれたカテゴリーがある。現[…]
エンジンもシャーシも一気に時代が進む 第1回の記事では、新型CB400がトータルバランス路線を取り、77psを発揮するカワサキZX-4Rのような高性能路線には踏み込まない…という情報に対し、プロは「バ[…]
水冷GVシリーズのGV125S/GV300Sに加え、250モデル×3機種を追加 ヒョースンモータージャパンは、新型水冷250cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV250」シリーズ3機[…]
最新の記事
- ホンダが電動トライアルバイク「RTLエレクトリック」で全日本トライアル参戦! ライダーは元世界チャンピオンの藤波貴久
- 独尊の水冷V型2気筒クルーザーに待望の250が登場! ヒョースン「GV250」シリーズ3機種を一挙発売
- ヤマハの新型モデル「YZF-R9」日本発売は2025年春以降! ウイングレット装備の3気筒スーパースポーツ
- 【正式発表間近】カワサキが「W230/メグロS1」「KLX230/S/SM」の発売時期を明らかに!
- 【SCOOP特別編】ホンダ新型CB400は…こうなる!! プロがその姿を大胆予想〈③装備&デザイン編〉
- 1
- 2