[DIY整備のギモン] ドライバーの軸に付いている“六角”は何のため?《2024年3月第1位》
※2024年3月にWEBヤングマシンで大きな反響を呼んだ記事をあらためて紹介します。こちらは第1位の記事です(初公開日:2024年3月16日)。
ハックション! 花粉全開でいよいよ春到来! 新生活でバイクデビューした皆さんの中でメンテナンスにチャレンジする方も多いことでしょう。そして手にしたプラスドライバーをよくよく見てみると、物によってはなにやら軸のところが六角形状になっている・・・? じつはソレ、ベテランほど多用する便利な工夫なのです。失敗を防ぐ便利なテクニックなので覚えておいて損はないですよ~!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
この2本のプラスドライバーの違い、わかりますか?
軸の根元のところをよく見ると、六角になっています。
ドライバーについている六角部、これはアクセサリーではなくて、「六角軸付き」や「ボルスター」と呼ばれるもので、スパナやめがねがかけられるようになってます。
なぜスパナがかけられるようになってるかというと、ズバリ“回す”ため。六角軸付きにレンチをかけて回すことで、回転のトルクを倍増させることができるのです。
六角ボルスター付きドライバーは敵が強いほど活躍する
簡単なねじ回しなどでは出番がないのですが、強いトルクで締まったネジや、古いバイクのネジなど、固着したものを回す時などは、この六角ボルスター付きドライバーが大いに役立つのです。
回しやすく、扱いやすいプラスネジとプラスドライバーですが、大きな弱点もあります。それは、大きなトルクをかけた時に「ヌルッ」となめやすいことです。
回すときにねじ溝からドライバーの先が浮き上がるのを“カムアウト現象”というのですが、それを防ぐために昔から「押すチカラ7 回すチカラ3」と呪文のように唱えられてきた基本中の基本があります。
だけど、固く固着したネジを回す時などは、回すのにも力が必要なので、ついつい押す力がおろそかになって、その結果としてネジをなめてしまうことが多々あるわけです。
そんな時には、この六角ボルスターが活躍します
とにかく体重をかけて、それこそ9割を押す力に専念して、かけたレンチをクイッと回してやれば、ドライバー単体よりも何倍もの力で回すことができるわけです。
事実、このやり方は効果絶大です。ドライバー単体では絶対緩まなかったであろうネジを糸も、あっさり回してくれちゃったりします。
このやり方を初めて教わった時、ガチガチに固着したネジがあっさり回って本当に感動したものです。いや~、あの時は驚いたのなんのって。
それからというもの、固着したプラスネジを回す時などは、 予防的に当たり前のようにスパナをかけて回すようになりました。転ばぬ先の六角ボルスター、ですよ。
ちなみに、メガネレンチが理想ですが、スパナやモンキーレンチでも十分仕事をしてくれます。
[注意!] 締める時は、ほどほどにね
また逆に、確実に締め込みたい時なども使うことができます。
トルク管理がしにくいプラスネジですが、六角ボルスターを活用することで、かなりしっかりトルクをかけて締め付けることができます。
ただし、注意がひとつ!!
この方法だと、通常のドライバー使用時よりもかなり強いトルクで締め付けることができるので、六角ボルスターなしのドライバーでは緩めることがとても困難になってしまうという欠点があります。
じつはこれ、マジな経験談なのですが、まったく緩まなくなってしまってしまったことが。けっきょく、ショックドライバーの出番となってしまったので、これだけは皆さん、ご注意ください。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
ひと昔のバイクは一年中暖機運転が必須でした 昔のバイク…と行かないまでも、1990年代末ぐらいまでのバイクは、一年中エンジンの暖気が必要不可欠でした。とくに2サイクルエンジン車は、冬はなかなかエンジン[…]
チューブレスタイヤのビード落としは難しいよね!? タイヤレバーを使ったタイヤ交換、いわゆる手組でタイヤの脱着ができるという方でも、チューブレスタイヤとなると腰が引いてしまう、そんな方も多いのではないで[…]
APトライク125の積載量に興味アリ! APトライク125の特徴といえば、おもに下記の4つが挙げられます。 乗っていて面白い 雨に濡れにくい 税金が安い 3人乗りができる さらに加えるなら、「荷物がい[…]
バイクのステップゴムがボロボロになっていたので、新品に交換しました。 ・・・と言ってもこれは買ったものではなくて、たったいま印刷したもの。出来立てほやほやなのです~! 3Dプリンターを買ってみたのです[…]
トライクは転ぶ? 素朴な疑問 二輪(バイク)に乗っている方や、四輪(クルマ)に乗っている方から聞かれる質問のひとつが、「トライクって転倒しないの?」というものです。 トライクには3つのタイヤがあり、二[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
バイクショップとは思えない機器を活用して、手間のかかる下地作りや磨き作業を効率アップ 新車から何十年もの時を経たオリジナルコンディション車と、フルオーバーホール/再塗装/再メッキが施されたレストア車両[…]
クリップリフター:クリップ対応の溝幅設定が細かく、傷をつけにくいクロームメッキ仕様 自動車のドアの内張やモール類のクリップをピンポイントで狙って取り外すための5本組リフター。クロームメッキ仕上げの本体[…]
メンテナンス捗るスタンド類 ちょいメンテがラクラクに:イージーリフトアップスタンド 2890円~ サイドスタンドと併用することで、リアホイールを持ち上げることができる簡易スタンド。ホイールの清掃やチェ[…]
通常ペイントは“耐ブレーキフルード性”が低い。高温焼き付け塗料のガンコートなら安心 バイクいじり経験が豊富なベテランサンデーメカニックなら、焼付ペイントが容易に施工できるようになった現代は、当時(たと[…]
チューブレスタイヤのビード落としは難しいよね!? タイヤレバーを使ったタイヤ交換、いわゆる手組でタイヤの脱着ができるという方でも、チューブレスタイヤとなると腰が引いてしまう、そんな方も多いのではないで[…]
最新の関連記事(工具)
クリップリフター:クリップ対応の溝幅設定が細かく、傷をつけにくいクロームメッキ仕様 自動車のドアの内張やモール類のクリップをピンポイントで狙って取り外すための5本組リフター。クロームメッキ仕上げの本体[…]
メンテナンス捗るスタンド類 ちょいメンテがラクラクに:イージーリフトアップスタンド 2890円~ サイドスタンドと併用することで、リアホイールを持ち上げることができる簡易スタンド。ホイールの清掃やチェ[…]
チューブレスタイヤのビード落としは難しいよね!? タイヤレバーを使ったタイヤ交換、いわゆる手組でタイヤの脱着ができるという方でも、チューブレスタイヤとなると腰が引いてしまう、そんな方も多いのではないで[…]
ラチェットドライバー:ラチェット機構と可変グリップで多様に使えるビット差し替え式 手首のスナップで連続的にビットを回せる46歯ギヤのラチェットドライバーは、中空グリップ内部にエクステンションバー、エン[…]
バイクのステップゴムがボロボロになっていたので、新品に交換しました。 ・・・と言ってもこれは買ったものではなくて、たったいま印刷したもの。出来立てほやほやなのです~! 3Dプリンターを買ってみたのです[…]
人気記事ランキング(全体)
110ccベースの4kW制限モデル=新基準原付か 2025年11月の新排出ガス規制導入によって現行モデルの継続生産が困難になり、新たに110~125ccのモデルをベースとした車両に4kW(5.4ps)[…]
※タイトル写真は欧州仕様 デイタイムランニングライトにウインカーを統合 ホンダが新型「X-ADV」を国内でも正式発表。EICMA 2024で初公開されたもので、ヘッドライトまわりを含むフェイスリフトに[…]
“ヨシムラ”がまだ世間で知られていない1970年代初頭のお話 世界初となる二輪用の集合マフラーが登場したのは、1971年のアメリカAMAオンタリオでのレース。当時のバイク用マフラーは1気筒につき1本出[…]
モデルチェンジしたKLX230Sに加え、シェルパの名を復活させたブランニューモデルが登場 カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やS[…]
復活の軽二輪レトロは足着き性抜群、エンジンは大部分が専用設計だ 現在の国内メーカー軽二輪クラスでは唯一となるネオクラシック/レトロスタイルのモデルが待望の登場を果たした。 カワサキが以前ラインナップし[…]
最新の投稿記事(全体)
ひと昔のバイクは一年中暖機運転が必須でした 昔のバイク…と行かないまでも、1990年代末ぐらいまでのバイクは、一年中エンジンの暖気が必要不可欠でした。とくに2サイクルエンジン車は、冬はなかなかエンジン[…]
旅館の一室でFRP製ヘルメットを手探りで作り始めた 東京・新橋で経営していた旅館の一室で、創業者の鎌田栄太郎がFRP製ヘルメットの製作をはじめたのが今日のSHOEIのはじまりだ。 その旅館はホンダの社[…]
冬のUber Eats配達は過酷です。寒さと路面の凍結の両方と戦わなくてはいけません。しかし、それゆえに配達員が少なくなるため、やり方次第で1年を通してもっとも高額な収入を得られるチャンスの季節だと思[…]
110ccベースの4kW制限モデル=新基準原付か 2025年11月の新排出ガス規制導入によって現行モデルの継続生産が困難になり、新たに110~125ccのモデルをベースとした車両に4kW(5.4ps)[…]
トラベル・エンデューロの最高峰に自動クラッチ制御が装備! BMWモトラッドのロングセラーモデルであるGSシリーズ。その最上位モデルにあたるのがGSアドベンチャーだ。初代モデルの登場は’02年のR115[…]
- 1
- 2