アレックス・リンスが強大なライバルを従え、青い光が鮮やかに輝きながら、トップを走った。イギリスGPで接戦を制するなど、’19シーズンに2勝を挙げたスズキ。ライダーの感覚を重視しつつ、手堅い開発を続けた姿勢が結実した結果だった。開発者へのインタビューとともに’19シーズンを振り返る。
●文:高橋 剛 ●取材協力&写真:スズキ ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
コンパクトな体制で戦い、もぎ取った勝利
スズキは’19年始めに「スズキレーシングカンパニー」を設立した。独自予算を持つことで、MotoGPプロジェクトをより動きやすい組織にする狙いだ。さらに言えば、’19年4月1日をもって、二輪事業そのものを二輪カンパニーとして独立採算化。二輪カンパニー長は、スズキ代表取締役の鈴木俊宏氏が兼務している。
「アメリカGPで優勝した時は、私の携帯電話に社長秘書から連絡が入ったんですよ」と、現場を取り仕切るテクニカルマネージャーの河内健氏。
「『社長が10分後にアレックス(リンス)と話したがっている。祝福したいそうだ』と。ところがアレックスが見当たらない(笑)。あわてて探し出したんですが、電話ではお祝いの言葉をもらったようです」
プロジェクトリーダーの佐原伸一氏も、目を細める。 「アレックスは、社長のことを『トシヒロ』と呼び捨てですから(笑) 欧米文化なんでしょうけどね……。社長も『アレックス』と気さくに声をかけてくれますよ」
トップから現場まで、気持ちのいい空気が流れているのだ。「小さな規模」とは言っても、それだけスズキが会社としてMotoGP活動に、そして二輪に対して理解があり、熱意を傾けていることの表れでもある。’15年にMotoGPに復帰して以降、スズキは確実に前進していると言えるだろう。
トップから現場まで一体となり、確実に前進
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