佐藤寿宏のレース通信[MotoGP™ 日本グランプリ編]初日

青木3兄弟がツインリンクもてぎを激走! なんとRC213V-S、GSX-RR、CBR1000RRで揃い踏み

さーって、今年もMotoGP™日本グランプリが始まりますよー。Facebookの“過去のこの日”には、ツインリンクもてぎにいるネタばかり上がって来ています。毎年同じことをしているなーっと思いつつ、今年も張り切って行きましょう!

「まさかの危機」からスタートした Motul Grand Prix of Japan

木曜日のハイライトは、青木3兄弟が走ったことですかね。鈴鹿8耐に続き、拓磨(次男)がツインリンクもてぎを走りました。マシンは、CBR1000RRではなくRC213V-Sをライディング。宣篤(長男)がSUZUKIのMotoGP™マシンGSX-RR、治親(三男)がCBR1000RRを駆りました。実は、宣篤がRC213V-Sのカギを忘れ企画倒れとなる危機でしたが、奥さんが群馬から急きょツインリンクもてぎまで急行。予定より2時間ほど遅れて走行はスタートしました。

ポケバイ時代に3人が左コーナーを走っている写真があり、同じような絵を撮りたいと言うのでV字コーナーの立ち上がりでスタンバイ。まぁ、同じようになるのは難しかったですが、拓ちゃん、よく走りました!

「協力してくださった、すべての皆さんに感謝という言葉しかないですね。RC213V-Sは、まさにMotoGP™マシン。CBR1000RRと比べると軽くて、フロントがすぐに浮きますから。腕でしかその挙動を感じることはできませんが、最後に乗ったNSR500Vのようなレーサーだと思いました」と拓磨は笑顔で語っていました。

3人で一緒に走る姿は何十年ぶりでしょう!?
「感謝しかない」と語る青木拓磨

また、事故などで脊椎損傷を負った方を支援するプロジェクト「一般社団法人SSP サイドスタンドプロジェクト(後述)」を青木3兄弟で発足。将来的に世界のパラライダーとの交流イベントの開催やバイクへの専用システムの取付、レース開催などの活動をして行く予定だそうです。

レーシングスーツをまとった青木3兄弟の姿はまた格別。左から治親(三男)、拓磨(次男)、宣篤(長男)。
記念撮影にはノビーこと上田昇さんも駆けつけた!(後列左から2番目)

MotoGP™ライダーたちによるハチャメチャなレース

その合間には、ツインリンクもてぎのアミューズメント施設にあるEVバイク、モトライダーをMotoGP™ライダーがライディング。それぞれキッズライダーとペアを組み、レースを行いましたが、ショートカットしたり、バイクを持ち上げて走ったりのハチャメチャな展開でした。それでもキッズライダーを思いやる姿に、MotoGP™ライダーたちの優しさを垣間見ました。

キッズたちと記念撮影に臨むMotoGP™ライダーたち。
もはやなんでもアリ!? のレース。足で路面を蹴って加速を補う!
あーあ……。

早くも来年に向けた動きも見えはじめて……

ニュースとしては“タカ”こと中上貴晶が2020年の契約を更新し、日本グランプリ後の3戦を右肩の手術のために欠場。代役としてヨハン・ザルコが乗るというのには、ビックリ仰天しましたが、アッセンで痛めてから、レース毎に肩に力が入らなくなっていったと言っていました。来シーズンは、正念場ですからね。しっかり治して頑張ってもらいたいものです。ザルコも、フィリップアイランドから、どんな走りを見せてくれるか楽しみですね。成績次第では、来年、ホルヘとチェンジ~、なんてこともあったりして…。

大きな爪痕を残した台風19号の影響で水没した水戸北インター辺りの映像はショッキングでしたが、一部通行止めとなっている以外は、普通のツインリンクもてぎでした。ただ、被災された地域への影響を鑑み、土曜に行う予定だった2019グランプリロードR123パレードは中止することが発表されました。来年は、また復活するそうなので、ぜひ参加してくださいませー。

気になる週末の天気は、金曜と土曜に雨マーク。日曜は、曇りのち晴れとレースは、ドライでできそうですね。金曜は、夜から雨が降って、土曜の朝までに止むというのが理想というか個人的希望です。さぁ、年に一同のMotoGP™をみんなで楽しみましょう。季節の変わり目なので、ツインリンクもてぎに来られる方は、上着をお忘れなく!

フリー走行がはじまる前の木曜日は、ライダーたちもリラックスした表情を見せる。写真はヴァレンティーノ・ロッシ。
スズキではハッピを着たアレックス・リンス(中央)の姿も。

一般社団法人SSP(サイドスタンドプロジェクト)発足

障がいがあってもバイクを諦めたくない――。「バイクに乗る」という夢を追い続けるすべての人々を後押しするために、一般社団法人SSP(サイドスタンドプロジェクト)が発足しました。[2019.10.17 SSP Media Information]

バイクのライディングは、全身運動です。でも世界には、下半身不随で、義足で、義手で、颯爽をバイクを走らせる人たちがいます。フランスでは、障がい者によるバイクレースまで開催されており、世界にポジティブな驚きを与えています。例え障がいがあったとしても、人はバイクに乗れる。人の可能性は無限なのです。

残念ながら、日本では障がい者がバイクに乗れる機会はほぼありません。一般社団法人SSPはこの現状を打破し、障がいのある方たちがひとりでもバイクに乗れるよう、日本における“パラライディング”をハードウェア、ソフトウェアの両面から支援する団体です。

●一般社団法人SSP 活動予定
【直近】
・身体障がい者対象のサーキット走行体験会実施(年5回を予定)
・各種イベント等での障がい者バイクライディングの普及活動
・SNS当を活用してのパラライディング関連情報発信
・下半身不随の元世界GPライダー、青木拓磨のデモラン

【将来的に】
・世界各国のパラライダーとの交流イベント開催
・バイクへの専用システム取付、バイクの管理、メンテナンス、運搬
・SSP Para Moto Raceの開催
・国際交流レースの実施

●一般社団法人SSP 2019年度の活動報告(予定含む)
6月   下半身不随の元GPライダー、青木拓磨がバイクでサーキットを試走
7月28日 鈴鹿8時間耐久ロードレースでデモラン
10月20日 MotoGP第16戦日本GPでデモラン
11月8日 東京都主催のパラアスリートイベント「Team Beyond」に出演

一般社団法人SSP
〒252-0244 神奈川県相模原市中央区田名3156-4(Tel:042-785-2299)
Website ssp.ne.jp  E-mail ssp@ssp.ne.jp
代表 青木治親(元世界GP125ccクラスチャンピオン)
理事 青木宣篤(元世界GP500ccクラスライダー)
パラモトライダー 青木拓磨(元世界GP500ccクラスライダー)

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