CB1000R、CB650R、NC750S

’20新車バイク総覧〈大型ネイキッド|国産車#4/5〉ホンダ

「ストリートファイター」や「スーパーNK」とも呼ばれ、攻撃的なルックスを持つモデルの多いビッグネイキッド群だが、ヤマハやカワサキと打って変わって、ホンダはモダン&落ち着いたルックスで独自路線を走る。本ページではCB1000R、CB650R、NC750S/DCTの3台を紹介しよう。


●文:沼尾宏明、宮田健一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

「CB1000R」は、エンジンを強調したスタイルに丸目1眼ヘッドライトという”ネイキッド”の記号をモダンに再構築したデザインで’18年にデビュー。これを皮切りに、様々な排気量帯でCB-Rシリーズが展開中だが、そのシンボルこそこのCB1000Rである。溶接痕の見えないグラマラスなタンクや、アルミ製シュラウド&サイドカバーなどで洗練された上質さはシリーズ旗艦ならではだ。水冷直列4気筒は、初代’04CBR1000RRのユニットに電制スロットルを融合し、145㎰を発生。連動式の走行モード×4パターンも備える。車体は専用のスチールバックボーンに、軽さが自慢のショーワ製SFF-BP倒立フォークを融合。ホンダの直4らしいキビキビした走りが魅力だ。アップ&ダウン対応のクイックシフター、軽い握り心地のアシストスリッパークラッチ、ETC車載器2.0などが標準で、日常の使い勝手も高い。

【’20 HONDA CB1000R】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 145ps/10500rpm 10.6kg-m/8250rpm ■212kg(装備) シート高830mm 16L ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●YM予想価格:167万900円 ●発売予想時期:’20年2月14日

’20欧州仕様では、銀を廃し、新色のツヤ消し白、赤、黒を用意。国内仕様は未発表で、現在は’19年型が167万900円で販売中だ。

【新型はカラーを見直し】タンクは、鋼板ならではの大胆な造形で深い陰影を刻む。’20年型はタンクエンドを同色とし、各部を黒に変更。

灯火類はフルLED。馬の蹄鉄風のU字型ポジションと上下2分割の顔が斬新。テールランプもU字型だ。

反転タイプのフル液晶メーターは、左側に円形のタコメーターを備え、その中央にギヤを表示。パワー、エンジンブレーキ、トラクションコントロールのモード表示も円形で、直感的に状態が把握できる。右サイドに設置した刻々と色が変わるカラーバーもユニークだ。グリップヒーターは標準装備。

600ネイキッド唯一の直4〈CB650R〉

ストリートファイターのCBR650Fが’19年、CB-Rシリーズ共通の意匠を与えたモダンカフェ「CB650R」に生まれ変わった。CB-R兄弟としては最も遅く投入され、吸気ダクト一体型のシュラウドと美しい4本のエキパイでしっかり個性を演出している点がポイントだ。フルカウルのCBR650Rとは兄弟車の関係で、剛性を増したスチールフレームに、600cc台のネイキッドとして唯一直列4気筒ユニットを搭載。ショーワ製φ41mm倒立フォークや、オンオフ可能なトラクションコントロールが乗り手をサポートする。一方で、スタイルだけでなく、走りでもCBRと差別化しているのがミソだ。吸気系がCBRと異なる専用設計で、ラムエアは非採用。極低速から一段とトルクフルなのが特徴だ。5kg軽い車体と、やや低め&フラットに構えたバーハンドルも相まって、思わず峠道を攻めたくなるキャラに仕上がっている。

【’19 HONDA CB650R】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 648cc 95ps/12000rpm 6.5kg-m/8500rpm ■202kg(装備) シート高810mm 15L ■タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:97万9000円 ●発売中

国内仕様では黒、赤、ツヤ消し銀の3 色をラインナップ。’20モデルは海外でも未発表で、このまま’19年型が継続販売される?

前後ランプともLEDで、CB1000Rと同様、U字型のデザインを採用。CB650Rではヘッドライトのベゼルと中央のプレートをブラック仕上げとすることで引き締まったイメージとした。急減速時にハザードを高速点滅刺せるエマージェンシーストップシグナルも採用する。

兄貴分CB1000Rと共通イメージの薄型&軽量メーター。CBRのセパレートハンドルに対し、やや低めのテーパードバーハンドルをセットする。倒立フロントフォークは、新開発のクッションオイルでフリクションを低減。調整機構は非装備だ。

CB400フォアを思わせる管楽器のようなエキゾーストパイプが自慢。CBR650Rと共通品だが、ネイキッドの本作ではよりアピール度高し。

実用性最強、移動に最適なツール〈NC750S/DCT〉

実用域の特性を徹底重視した並列2気筒と自然な走りが魅力。通常のタンク位置にある容量21Lの収納スペースが実に便利だ。ETC2.0車載器やグリップヒーターも標準ながら、価格はお手頃。オートマチックのDCTも選べる。NC750Xと基本構成は同様だが、トラクションコントロールは非搭載。’20年型は未発表だ。

【’19 HONDA NC750S/DCT】■水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 745cc 54ps/6250rpm 6.9kg-m/4750rpm ■218kg(装備) シート高790mm 14L ■タイヤF=120/70ZR17 R=160/60ZR17※諸元はSTD ●価格:75万9000円 ●発売中

’20国産新車完全アルバム・大型ネイキッドスポーツクラスのラストはスズキ車。GSX-S1000、GSX-S750、SV650を紹介する。お楽しみに。

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