
スズキ伝統の油冷方式を最新の構造に進化させた、小型軽量でコスパに優れるシングルエンジンを搭載。物価高を感じさせないコストパフォーマンスで、ライダーの心を掴む。そんなジクサーSF250を全日本ライダー岡崎 静夏が初ライド。試乗インプレッションをお届けしよう!
●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
エントリーライダーも意識した軽量スリムなシングルスポーツ
インドで先行発売されたモデルに仕様変更を加え、ʼ20年4月に新発売されたのが、ネイキッドのジクサー250と基本構造を共有するフルカウルスポーツのジクサーSF250。
最大の特徴は249㏄油冷単気筒エンジンで、これにより車体を軽量コンパクトにまとめる。ʼ26年型はカラーバリエーションを変更。白×銀と黒が新色で、スズキらしい青×白は継続販売される。
トリトンブルーメタリック / パールグレッシャーホワイト
スズキGIXXER SF250主要諸元
主要諸元■全長2010 全幅740 全高1035 軸距1345 シート高800(mm) 車重158kg(装備) ■油冷4スト単気筒SOHC4バルブ 249cc 26ps/9300rpm 2.2kg-m/7300rpm 6段リターン 燃料タンク容量12L ■タイヤF=110/70R17 R=150/60R17 ■価格52万5800円
コワくなくて走りを学べる勝手に曲がりすぎない旋回性
まず驚かされるのはその価格。原付二種でも50万円を超えるバイクがあるこの時代に、軽二輪クラスの上限いっぱいとなるエンジンを搭載しているのに52万8000円というのは、バリュープライスすぎます!でもこのジクサーSF250、安いだけじゃなくて、他にもたくさんいいところがあるんです。
最大の特徴はエンジンの最新世代油冷 機構ですが、長所として私がまず注目したのはハンドリング特性でした。250ccクラスのスポーツバイクには、旋回するときにハンドルが切れ込みやすい車種もわりと多いのですが、SF250にその雰囲気はなく、むしろ予想よりもフロントが曲がってこない印象。フロントタイヤのほうが大きくて丸いイメージで、例えるなら前輪19インチ径のアドベンチャーバイクのようです。
「曲がってこない」と聞いたら、ネガティブな評価に思えるかもしれませんが、勝手にハンドルが切れ込むとか車体が寝るというのは、 初心者の恐怖心につながりやすい要素。それがないことで、エントリーライダー向きのハンドリングだと高評価できます。
しかもこのハンドリング、中上級者が乗ったらツマラナイ…というわけではないんです。バイクが先行して曲がろうとしないだけで、フロントブレーキをかけてから車体をバンクさせていけば、しっかり旋回力を発揮。つまり、スポーツライディングのセオリーどおりに操作すれば、素の車体姿勢では隠されていたコーナリング性能を引き出すこともできるんです。
中級者ならライディングを磨くのにも最適ですし、上級者が思いどおりに操る楽しさを味わうのにも向いています。ただし、フロントブレーキはちょっぴりプアな印象。これは、試乗車がほぼ新車だったため、アタリが出てなかったからかもしれませんが、少し気になる点でした。一方、リヤブレーキはよく効きます。
249cc油冷単気筒エンジンは、想像していたよりも滑らかなフィーリング。高めのギアに固定したまま、低回転域から加速させても、ノッキングでガタガタするようなことが少なく、けっこうズボラに乗れちゃいます。単気筒のドコドコ感は味わいにくいですが、逆に安っぽさや雑味のようなものがあまりない印象です。
シュンシュンと鋭く加速するわけではないけど、遅すぎるわけでも反応がダルなわけでもなく、スロットルの開閉で速度を調整しやすいので、初心者でも自信を持って加速させられると思います。サスペンションの動きやタイヤの性能によるものなのか、フロントブレーキをかけたときやスロットルを開けたときも含め、タイヤの接地感は少なめ。もちろんやったことはないですが、風呂敷に乗って移動しているかのようです。
でもこれ、長距離を走るときには疲労軽減につながるかもしれません。ハンドルは低めだけど上半身の前傾はキツくないので、ハンドリングやエンジン特性を含め、ゆったりと快適にツーリングしたいライダーに向いていると感じました。
意外とシート高があるため、身長158cmで体重が軽い女性だと、つま先のみ接地。燃料タンクの前後長が抑えられているため、ハンドル位置は低いが前傾姿勢は緩めだ。
練習に使いにくいトゲのなさは、公道走行でのアドバンテージに
じつは全日本ライダーには、軽二輪クラスのスポーツバイクをサーキットのトレーニング用に使う人が多くいます。性能が低めのバイクだからこそ学べることも多いからです。でもジクサーSF250は、それには向いていない気がします。その大きな理由のひとつは「トゲがない」から。
たとえばスロットルを開けたときにトルクの立ち上がりに角がなく、スッと加速してくれます。つまり、速く走る練習で使うには、優しすぎるんです! 優しさという点はハンドリング特性も同様で、たしかに鋭く曲がるためには技術が必要だけど、何も考えずスッと車体をバンクさせたときに、フロントが切れたり巻き込んだりしそうな不安を感じず走れちゃいます。
でももちろんこれらは、公道でのツーリングで使用することを考えたら大きなメリット。全体的にストレスをそぎ落とした設計になっているので、長距離を走っても意外と疲れにくいはずだし、穏やかな走りは初心者の危険を減らしてくれると思います。
初心者で、ホンダのCBR250RRとかもっと大排気量の本格的なスーパースポーツに不安があるなら、ぜひ一度乗ってみてほしいバイク。最初に触れたように価格もかなりリーズナブルで、しかもライディングの基礎はち ゃんと覚えられるから、ここから着実にステップアップしていけばいいと思います。
もちろん、低価格と優しい乗り味に着目して、ベテランライダーがセカンドバイクで所有するとか、メインマシンとして使い倒しちゃうのもありですよ!
ジグザーSF250 詳細
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