
ツーリングバッグは“積めればいい”時代を終えた。走行中のねじれに追従する回転バックル、過酷な使用に耐えるタフジッパー、そして雨を想定したロール式防水インナー。タナックスの新型シェルシリーズは、固定力と耐久性を一段引き上げた。愛車と長く付き合うライダーに向けた、本気のアップデートだ。
●文:ヤングマシン編集部
YKKと組んだ“固定力革命”。ねじれに強いPFバックルの実力
今回のシェルシリーズ刷新で最も注目すべきは、YKKと共同開発したPF(ピボットフォージ)バックルの採用だ。従来の固定バックルは、走行中の振動やバッグのねじれによって一点に負荷が集中し、破損や緩みの原因になることがあった。新バックルは接合部が回転する構造を持ち、シートバッグの動きに自然に追従する。
これにより、引っ張り強度700N以上という高い耐久性を確保しながら、確実な固定とワンタッチ着脱を両立した。積載量が増えるロングツーリングや荒れた路面でも、バッグが暴れにくい。固定力はツーリングの安心感そのものだ。シェルシリーズは、その根本部分を徹底的に見直してきた。
タフジッパー採用で耐久性を底上げ。壊れにくさも装備の一部
バッグの寿命を左右するのは、実はファスナーだ。頻繁な開閉、荷物の詰め込み、砂や雨水の侵入。こうした過酷な環境に耐えるため、今回メイン開口部に採用されたのがYKKのWOVEN-IN TOUGH ZIPPER。大型スーツケースにも使われる高耐久・高耐摩耗タイプだ。
スライダーにはロック用の穴を備え、南京錠やワイヤーロックと組み合わせることで防犯性も高められる。さらに、破損しやすい引手部分は交換修理が可能な設計。長く使うことを前提にした思想が随所に見える。ツーリングギアは消耗品ではなく相棒。そう考えるライダーにこそ響くアップデートだ。
雨を想定した設計思想。ロール式防水インナーで手間を減らす
突然の雨は避けられない。従来はレインカバーを被せる手間が発生していたが、新シリーズではロールアップ式の防水インナーを標準装備。開口部を巻き込んで閉じる構造により、内部への浸水リスクを大きく抑えている。
インナーは明るいグレーを採用し、荷物の視認性も確保。暗い内部で小物を探すストレスを軽減する。さらに、多くのモデルにDリング付きのロックポケットを備え、別売ワイヤーロックをスマートに収納可能。盗難対策まで視野に入れた設計は、日帰りから長距離ツーリングまで幅広いシーンに対応する。
用途で選べる多彩な容量展開。SSからアドベンチャーまで網羅
ラインアップはシートバッグとサイドバッグで幅広く展開する。最小3.5リットルのSサイズは、SSのリアシートにもフィットするコンパクト設計。10〜14リットルのMサイズは日帰りツーリングにちょうどいい容量感。14〜18リットルのLサイズは往復で荷物が増える旅にも余裕を持たせる。
25リットルのツアーシェルシートバッグMはアドベンチャー車両にも似合うボリュームを持つ。サイドバッグ系では、ステー不要で装着できる40リットル仕様や、フェンダーレス車にも対応するスポーツシェイプモデル、スーパースポーツ向けの2SSタイプまで用意。テールライトを隠さないカットフォルムなど、車種適合への配慮も抜かりない。
ハードシェルの造形と1680Dポリエステル素材を組み合わせたボディは、見た目のスポーティさと実用性を両立。単なる収納バッグではなく、車体デザインの一部として成立する仕上がりだ。ツーリングスタイルに合わせて選べる自由度こそ、シェルシリーズの強みと言える。
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