
新大洲本田はホンダが中国でエンジンや車体の製造・販売を行う合弁企業であり、ホンダのエンジンやフレームをベースとした中国向け派生モデルの開発を手がけている。そのラインナップの中でも、この「Square X 125(スクエアX125)」は、極めてユニークな一台なのだ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:新大洲本田
Nプロジェクトを彷彿とさせる魅力的なデザイン
スクエアX125最大の魅力は、その名の通り「スクエア(四角)」を体現した、垂直の箱型ボディだ。空気抵抗を減らすカウルを持つことが主流の現代のスクーターデザイン、あるいはSFロボのような先鋭的なデザインとは対極にある、たいへん武骨なシルエットが個性的なモデルだ。
ヘッドライトはミニマムな四角いスリットタイプで、細いポジションライトと合わせた5灯式を採用。また、テールライトもフロントに似た細目4灯となっており、後方からの視認性にも個性を加えている。
この無骨でカクカクとしたスタイルは、かつてホンダが手がけた名シリーズ「Nプロジェクト」に属する「ズーマー」や「ps250」といったスクーターを彷彿とさせるもの。当時を知るライダーなら、目を奪われずにはいられないだろう。
スクーターとしての機能性もしっかり追求
スクエアX125は「多目的スクーター」として、徹底的に積載性が追求されている。ライダーは、積載性を高めるためのフロントキャリアやフレームキャリアを装備可能。さらに、タンデムシートを跳ね上げることにより、大きなキャリアとして活用できるほか、バックレストとしても利用可能な構造となっている。
また、燃料タンクの上部にもパイプが配置されており、キャリアとしての利用が可能だ。後部両サイドには、オプションでボックスを合体させることができ、これを開くとテーブルとしても使えるアクセサリーが用意されている点もユニークだ。最大積載量は122kgを確保している。
搭載されるパワーユニットは、日本でもお馴染みの「eSPエンジン」だ。「Dio110」シリーズにも採用されている強制空冷単気筒であり、2012年から改良が重ねられてきた。このエンジンはアイドリングストップ機能や最適化された変速タイミングによって、低燃費と高い静粛性を実現しており、スクーター用として中国でも広く採用されている。
排気量は124cc、最大出力は7.0kW/7750rpm、最大トルクは10.0Nm/5750rpm。最高速度は88km/hと若干控えめだが、公道使用を考えれば必要十分だ。公称の平均燃費は100kmあたり1.69L(約59.17km/L)であり、5.7Lの燃料タンク(フレーム下に配置)を満タンにすれば、約335kmの距離を走行できる計算となっている。
装備面では、新型モデルらしく現代的なアクセサリーを備えており、スマートキー、フルカラー液晶モニタ(5インチVA液晶)、USB電源(A/C出力)などと、日本のスクーターと同水準だ。
中国での販売価格は1万2680元。日本円にして約26万7000円なので、とても手頃な設定といえよう。現時点では同クラスのモデルラインナップが充実していることもあり、日本導入の可能性は低いと見られるが、アドベンチャーライクなシルエットと、このユニークな箱型デザインは、アウトドアや遊び心を求める日本のライダーの関心を強く引くことだろう。
新大洲本田 Square X 125 主要諸元
| 項目 | 諸元 |
|---|---|
| 全長(L) | 1781mm |
| 全幅(W) | 778mm |
| 全高(H) | 1107mm |
| 軸距 | 1246mm |
| シート高(座高) | 740mm |
| 整備質量 | 122kg |
| 最小地上高 | 160mm |
| エンジン型式 | 単気筒4ストローク強制空冷 |
| 排気量 | 124cc |
| 最大出力 | 7.0kW / 7750rpm |
| 最大トルク | 10.0N・m / 5750rpm |
| 燃料タンク容量 | 5.7L |
| 圧縮比 | 10.0:1 |
| 最高速度 | 88km/h |
| 公式平均燃費 | 1.69L/100km |
| タイヤサイズ(前) | 90/90-12 |
| タイヤサイズ(後) | 100/90-10 |
| 制動方式 | 前後ディスクブレーキ |
| 中国販売価格 | 12,680元(約26万7,000円) |
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