
ジャパンモビリティショー2025(JMS2025)が11月9日まで開催された。スズキブースではBEVコンセプトの「e-VanVan」や市販化に一歩近づいたように見える「e-PO」、特定原付を想定した「スズライド2」などが世界初公開された。もちろん日本での発売も楽しみなGSX-8T/TTや新型GSX-R1000Rも!
●文/写真:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:スズキ
走るワクワクを現代・そして未来に…EVであの“VanVan”が復活!!
10月30日(木)から11月9日(日)まで東京ビッグサイトにて開催されていた「ジャパンモビリティショー2025」。スズキのブースでは「By Your Side」をコーポレートスローガン、「あなたに、ワクワクの、アンサーを。」をメッセージに、次世代のEVバイクや水素エンジンスクーター、スズキ伝統の「GSX」の名を冠した市販予定ニューモデル3車種を始めとした9車種を出展していた。
e-VanVan
e-VanVan
プレスカンファレンスで鈴木俊宏社長が華々しく発表。同社ブースのメインステージでひときわ目を引いていたのは、1971年の90cc最初期モデル発売より50cc、125cc、75ccとバリエーションを増やし、2002年にシリーズ復刻版の200ccモデルをリリースするなど長年に渡って世界的な人気を博しているレジャーバイク「VanVan(バンバン)」のシルエットを受け継ぎ、スズキ最新のBEV(バッテリーEV)技術を投入したコンセプトモデル「e-VanVan(イーバンバン)」だ。
50年以上続く独創的なバンバンのスタイリングとデジタルテーマのカラー&グラフィックで、どことなくクラシカルでありながらユニークかつ先進性を感じさせる車両に仕上がり、旧くからのスズキ車を知るライダーには懐かしく、若い世代には楽しげなEVファンバイクとして注目を集めていた。EVのパワーソースとバッテリーは従来エンジンが搭載されていた部分にセット。レトロな外観に、未来的なスタイルと機能性を融合させたEVバイクとして注目を集めていた。
同じくメインステージで来場者たちの視線を集めていた二輪車は、2025年7月に発表した新型ネオレトロモデル、「GSX-8T」と「GSX-8TT」。日本での市販予定車としてモビリティショーにて初めて展示された。
GSX-8TT(左)/GSX-8T(右)
スズキの主力ネイキッドモデル「GSX-8S」をベースに、スズキ伝統の「GS」から続くレトロなシルエットとモダンさが融合した、「ネオレトロ」なスタイルを持ち、最新の電子制御を組み合わせた、走りに安心感と楽しさを感じさせるミドルクラスモデルとして、初日のプレスカンファレンスでも発表されていた。ブース内には実際に跨がれる車両も展示、旧くから続くスズキの「ジスペケ」の存在感を新たなマシンとして魅せていた。
さらに注目のモデルはペダル付き折りたたみ電動バイクの「e-PO(イーポ)」。電動アシストとEVバイクをかけ合わせた、手軽にEVバイクが楽しめる新ジャンルのモビリティだ。
e-PO
EVバイクとしては原付一種(50cc)相当のパワーを持ち、およそ40km/hのスピードと30km以上の航続距離をスペックとしている。電動アシストはパナソニックのシステムを採用。ペダルを漕ぐことで協力なアシストを選べ、かつバッテリーEVとしてアクセス操作のみの快適な走行も堪能できる。また、折りたたみ式とすることでクルマの荷室にもコンパクトに収納が可能。ドライブ・ツーリング先の手軽な「足」としてもフル活用できるモビリティとなっている。参考出品者として展示されていたが、市販車としてすぐにでもリリースできる仕様になっていた。
世界戦略車でスズキのカーボンニュートラルの現在地を示す
2025年 1月にインドで開催された「Bharat Mobility Global Expo 2025」で発表しBEVバイクの世界戦略車「e-Address(e-アドレス)」も日本で初めて展示。スズキの人気スクーター「アドレス」のシルエットを引き継ぎ、実用十分な80kmの航続距離とパワーを持つ原付二種(50〜125cc)相当のスクーターで、市街地や高速PA・SAなどのEV充電スポットはもちろん、付属のコンパクトな充電アダプターを使用することで自宅の電源からも充電が可能。日常生活をよりスマートに楽しめる電動スクーターとして注目されていた。
e-Address
プレスカンファレンスにて「カーボンニュートラルの実現」を全面的にアピールしていたスズキでは、第3・第4の動力源として水素とCNG(圧縮天然ガス)/CBG(圧縮バイオメタンガス)を燃料とした車両も開発。スクーター「ACCESS(アクセス)をベースとした「ACCESS CNG/CBG」と「水素エンジンバーグマン」2車種の二輪技術展示車も出展していた。
ACCESS CNG/CBG
水素エンジンバーグマン
さらに2025年8月の鈴鹿8耐で発表した海外仕様のレーサーレプリカ「GSX-R1000R」やスーパーモトモデル「DR-Z4SM」などの市販車両も展示。GSX-Rはレース走行時のフルバンク状態を体感しながら撮影ができるフォトスポットを設置。多くの来場者がハングオンよろしく車両にまたがり、記念撮影を楽しんでいた。
左は鈴鹿8耐のスズキCNチャレンジのために制作されたマスコット的なワンオフマシンで、動力系はe-POのものを使用。ウイングレットを装備してモデルチェンジしたGSX-R1000Rは右。
DR-Z4SM
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(スズキ [SUZUKI])
水冷化もユーザーに寄り添う地味なコンセプトを貫きながら、実は空前の大ヒットGSX-Rの伏線だったのだ! 1983年、スズキは400ccで初となる水冷DOHC4気筒のGSX400FWをリリースした。 そ[…]
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
ひっそりと終了したスズキの名Vツイン スズキのミドルクラスを長きにわたり支えてきた傑作ネイキッド、『SV650』およびカフェレーサースタイルの『SV650X』が、ついにその生産の歴史に終止符を打った。[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
トータルバランスに優れた走れるオールラウンダー ライダーの年齢やスキルを問わず多様な道でライディングを楽しめる「新時代のスズキスポーツバイク」として、ʼ24年型でデビューしたのがGSX-8R。遅ればせ[…]
最新の関連記事(モーターサイクルショー/モーターショー)
四輪のBMWと同様、モーターサイクルも高性能エンジン車とEVの二本立てで未来へ駆ける!! 10月30日(木)から11月9日の11日間、東京ビッグサイトに101万人にも及ぶ来場者が集り大盛況のうちに閉幕[…]
【ハイパーモタードV2/SP】史上最高のパワーと速さを身につけた新型ハイパーモタード 新型ハイパーモタードは、先代950からフルモデルチェンジがなされ、最新スペックのV2エンジン、そして新設計のモノコ[…]
「伝統と革新」をテーマに、カワサキの原点たるモデルと水素エンジンバイクを展示 10月30日(木)から11月9日の会期中に、101万にも及ぶ来場者を記録して閉幕した「ジャパンモビリティショー2025」。[…]
世界のバイクメーカーをビビらせた初のアドベンチャーモデル オールドファンならご存じのBSAはかつてイギリスで旋風を巻き起こしたバイクメーカー。ですが、1973年には一旦その幕を下ろし、2016年にイン[…]
2023年からV4エンジンの開発は始まっていた CFMOTOは、すでに2023年のEICMAでスーパースポーツ向けV4エンジンのプロポーザルを行っており、昨年はV4搭載マシンのモックアップモデルを展示[…]
人気記事ランキング(全体)
「マスダンパー」って知ってる? バイクに乗っていると、エンジンや路面から細かい振動がハンドルやステップに伝わってきます。その振動を“重り”の力で抑え込むパーツが、いわゆるマスダンパー(mass dam[…]
トップス&インナー 機能性抜群な冬用パーカー JK-630:1万3000円台~ 伸縮性の高い透湿防水生地を使用したウインターパーカー。保温性に優れた中綿入りなので、暖かさをキープでき、快適なライディン[…]
「特殊ボルト」で困ったこと、ありませんか? 今回は「でかい六角穴のボルト」を特殊工具なしで外してみようというお話。 バイクを整備していると時々変なボルトに出会うことがあります。今回は古い原付オフロード[…]
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
繋がる、見える、タフネス。ライダーが求める基本性能を凝縮 ツーリングにスマホナビは欠かせないが、バイク乗りなら誰もが抱える共通の悩みがある。それは、走行中の激しい振動によるスマホカメラの故障や突然の雨[…]
最新の投稿記事(全体)
足元やシュラウドをダーク調で締める 2017年モデルで「ネオスポーツカフェ」モデルの末弟としてCB300R、CB1000RとともにデビューしたCB125Rの、欧州仕様2026年モデルが発表された。20[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! クルマのボディケア用品の名門として語られることが多いシュアラスターですが、同社の本質は“洗車関係”にとどまりません。じつは、燃料がどう燃え、エンジンがどんな性格を[…]
YZF-R7、R1譲りの電子制御を獲得し大幅進化!【海外】 新型YZF-R7が欧州と北米で発表。R1由来の6軸IMUと電子制御スロットル(YCC-T)を新たに採用し、電子制御が劇的な進化を遂げた。バン[…]
電動原付一種バイクながら電動アシスト自転車にも切り替え可能 50ccの原付一種バイクが生産を終え、これまでこのクラスを利用してきたユーザー層が新車に乗り換えるなら、上限125cc以下の新基準原付、もし[…]
輝かしい歴史を持つXT500は、なんと2002年まで生産 そもそもXT500は、1976年にヤマハが初めて作った4ストロークのビッグシングル搭載のトレールバイク。2スト全盛ともいえる時期に、空冷4サイ[…]
- 1
- 2












































