
ホンダは、125cc以下のバイクを4kW以下に制御したものを原付一種(50cc)と同等の扱いとする『新基準原付』に適合した新型モデル「スーパーカブ110 Lite」「スーパーカブ110 プロ Lite」「クロスカブ110 Lite」を2025年12月11日に発売すると発表した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ホンダ
前輪にディスクブレーキ+ABSを採用、前後キャストホイールなど通常版110に準じた装備
ホンダが新基準原付モデルを一挙発表。10月末をもって生産できなくなる現行50cc原付を代替するモデルとして、市民の足を担っていく大切なモデルだ。
まずは伝統的な原付一種の代表的なモデルだったスーパーカブ。こちらは現行スーパーカブ110をベースに最高出力を3.5kWとしたもので、その名も「スーパーカブ110 Lite(ライト)」。そしてビジネス向けの「スーパーカブ110 プロ Lite」、レジャー要素の強い「クロスカブ110 Lite」と続く。
前後輪にキャストホイールを採用し、前輪ディスクブレーキと前輪にのみ働くABSを備える点は通常版の110シリーズと同等の装備だ。
エンジンは109ccの空冷横型シリンダーの単気筒エンジンで、従来の49ccのものよりも暖まりが早く、冷間時からの素早い暖気を可能とすることで厳しい排出ガス規制に適合。また、109ccならではの低速トルクは50cc版よりも低い回転での自動遠心クラッチの繋がりを可能とし、回転上昇を抑えめにした安心感のあるスムーズな加速性を約束する。
メーターは原付一種ならではの速度警告灯を備え、そのほかはギヤ段数表示、時計、平均燃費など通常版110に準じた機能を備える。
もちろん1人乗り専用の原付一種ルールに合わせてタンデムステップは省略され、フロントカバーに新基準原付に適合したHondaの原付一種モデルを表す専用ロゴを配置するのも特徴だ。
いずれのモデルもジャパンモビリティショー2025に展示される。
ホンダ純正アクセサリーについては、基本的には“Lite”なしのスーパーカブ110やクロスカブ110向けのものは装着できるという。
スーパーカブ110ライト&クロスカブ110ライトに共通で装着可能なのはサドルバッグ(1万2947円)、サドルバッグサポート(9900円)、サドルバッグサポートメンバー(1万890円)、USBソケットType-C(4840円)。クロスカブ110ライトの場合はUSB-Cソケットの取り付けにアタッチメント(6413円)が必要だ。
主要諸元
| 通称名 | スーパーカブ110Lite | スーパーカブ110プロLite | クロスカブ110Lite | |
| 車名・型式 | ホンダ・8BH-JA76 | ホンダ・8BH-JA77 | ホンダ・8BH-JA79 | |
| 全長×全幅×全高 | (mm) | 1,860×705×1,040 | 1,860×730×1,065 | 1,935×795×1,110 |
| 軸距 | (mm) | 1,205 | 1,225 | 1,230 |
| 最低地上高 | (mm)★ | 138 | 130 | 163 |
| シート高 | (mm)★ | 738 | 740 | 784 |
| 車両重量 | (kg) | 101 | 111 | 107 |
| 乗車定員 | (人) | 1 | 1 | 1 |
| 最小回転半径 | (m) | 1.9 | 1.9 | 2.0 |
| エンジン型式・種類 | JA76E・空冷 4ストローク OHC単気筒 | |||
| 総排気量 | (cm3) | 109 | ||
| 内径×行程 | (mm) | 47.0×63.1 | ||
| 圧縮比 | ★ | 10.0 | ||
| 最高出力 | (kW[PS]/rpm) | 3.5[4.8]/6,000 | ||
| 最大トルク | (N・m[kgf・m]/rpm) | 6.9[0.70]/3,750 | ||
| 燃料消費率※3(km/L) | 国土交通省届出値定地燃費値※4(km/h) | 105.0(30)<1名乗車時> | 100.0(30)<1名乗車時> | 103.0(30)<1名乗車時> |
| WMTCモード値★(クラス)※5 | 67.5(クラス1)<1名乗車時> | 65.5(クラス1)<1名乗車時> | 67.5(クラス1)<1名乗車時> | |
| 燃料供給装置形式 | 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)> | |||
| 始動方式 | ★ | セルフ式(キック式併設) | ||
| 点火装置形式 | ★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | ||
| 潤滑方式 | ★ | 圧送飛沫併用式 | ||
| 燃料タンク容量 | (L) | 4.1 | ||
| クラッチ形式 | ★ | 湿式多板コイルスプリング式 | ||
| 変速機形式 | 常時噛合式4段リターン※6 | |||
| 変速比 | 1 速 | 3.142 | ||
| 2 速 | 1.833 | |||
| 3 速 | 1.333 | |||
| 4 速 | 1.071 | |||
| 減速比 | (1次★/2次) | 3.421/2.500 | 3.421/2.142 | 3.421/2.642 |
| キャスター角(度)★/トレール量(mm)★ | 26°30´/73 | 26°30´/57 | 27°00´/78 | |
| タイヤ | 前 | 70/90-17M/C 38P | 70/100-14M/C 37P | 80/90-17M/C 44P |
| 後 | 80/90-17M/C 50P | 80/100-14M/C 49P | 80/90-17M/C 44P | |
| ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ディスク(ABS) | ||
| 後 | 機械式リーディング・トレーリング | |||
| 懸架方式 | 前 | テレスコピック式 | ||
| 後 | スイングアーム式 | |||
| フレーム形式 | バックボーン | |||
■道路運送車両法による型式認定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
■製造事業者/本田技研工業株式会社
スーパーカブ110 Lite
●価格:34万1000円
スーパーカブ110 Lite[バージンベージュ]
スーパーカブ110 プロ Lite
●価格:38万5000円
スーパーカブ110 プロ Lite[セイシェルナイトブルー]
クロスカブ110 Lite
●価格:40万1500円
クロスカブ110 Lite[ボニーブルー]
クロスカブ110 Lite[ボニーブルー]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(原付一種 [50cc以下]/新基準原付)
インホイールモーターなど車体のベースはホンダ製 ヤマハが原付一種の電動スクーター「JOG E」を市販する。2002年に量産初の電動二輪車「パッソル(Passol)」を日本国内で発売して以降、原付一種E[…]
11/1発売:カワサキ カワサキ ニンジャH2 SX SE カワサキの最高峰スポーツツアラー「ニンジャH2 SX SE」の2026年モデルが、11月1日に発売された。スーパーチャージャー搭載のバランス[…]
原付免許で乗れる『新しい区分の原付バイク』にHondaが4モデルを投入! 新たな排ガス規制の適用に伴い2025年10月末をもってHondaの50cc車両は生産を終了しますが、2025年4月1日に行われ[…]
メカもライテクもこの1台に教わった 原付というジャンルが、若者にとって比較的手軽にモータースポーツを楽しむ道具として浸透していく中、別の意味で趣味性の高いアイテムとして発展したのがレジャーバイクと呼ば[…]
3.7kWのパワートレインに14インチホイールやコンビブレーキを組み合わせる ホンダが新基準原付モデルを一挙発表。10月末をもって生産できなくなる現行50cc原付を代替するモデルとして、市民の足を担っ[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
1948年創業、1958年にスーパーカブが誕生し、その後は誰もが知る世界一のメーカーに 2023年に創業75周年を迎えた本田技研工業は、1949年にフレームからすべて自社製の本格的なオートバイ、ドリー[…]
新CB伝説が始まった!:CB1000F鉄馬レーサー #24 やったぜ! CB1000F コンセプトのレースデビューウィン! 私が参戦したのはアイアンスポーツクラス。空冷・水冷・油冷を問わない排気量60[…]
バイクはお兄さんの影響 メグミさんは昔からバイクに興味があったのだと言います。 「兄が二人いて、どちらもバイクに乗っていたんです。小さいときからその様子を見ていたので、自然に自分も乗りたいと考えるよう[…]
400で初のV4でもホンダ・ファンは躊躇なく殺到! 1982年12月にリリースされたVF400Fは、このクラスでは12,500rpmの未経験な超高回転域と0-400mを13.1secという俊足ぶりもさ[…]
2024年11月:V3エンジンコンセプトが世界初公開 ホンダが、約40年ぶりとなるV型3気筒エンジンを搭載した「new ICE concept」を世界初公開したのはEICMA 2024でのこと。このコ[…]
人気記事ランキング(全体)
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
ヤマハの社内2stファンが復活させたかったあの熱きキレの鋭さ! 「ナイフのにおい」R1-Z の広告キャッチは、ヤマハでは例のない危うさを漂わせていた。 しかし、このキャッチこそR1-Zの発想というかコ[…]
伝統の「火の玉/玉虫」系統 Z900RSのアイコンとも言える、Z1/Z2(900 SUPER 4 / 750RS)をオマージュしたキャンディ系カラーリングの系統だ。 キャンディトーンブラウン×キャン[…]
高機能なウィンタージャケットを手に! 今だけ34%OFF コミネの「JK-603」は、どんなバイクにも合わせやすいシンプルなデザインのショート丈ウィンタージャケットである。 見た目の汎用性の高さに加え[…]
電子制御CVTがもたらすワンランク上の加速性能 ヤマハ軽二輪スクーターのNMAX155は、ʼ25年型で大幅進化。パワーユニットの熟成、リヤのストローク5mm延長を含む前後サスペンションのセッティング最[…]
最新の投稿記事(全体)
1948年創業、1958年にスーパーカブが誕生し、その後は誰もが知る世界一のメーカーに 2023年に創業75周年を迎えた本田技研工業は、1949年にフレームからすべて自社製の本格的なオートバイ、ドリー[…]
元々はブレーキ液の飛散を防ぐため フロントブレーキのマスターシリンダーのカップに巻いている、タオル地の“リストバンド”みたいなカバー。1980年代後半にレプリカモデルにフルードカップ別体式のマスターシ[…]
まずはレーシングスクールから! そもそもプロレーサーって、レースだけで収入の全てを賄っている人というのが一般的なイメージなんでしょうけど、残念ながらそういった人は全日本でもほんの一握り。では、プロレー[…]
足着きがいい! クルーザーは上半身が直立したライディングポジションのものが主流で、シート高は700mmを切るケースも。アドベンチャーモデルでは片足ツンツンでも、クルーザーなら両足がカカトまでベタ付きと[…]
コンパクトな新エンジンの効用をより強く感じられる新作ストリートファイター ストリートファイターV2シリーズのハイライトは、やはり新設計のV2エンジンにある。旧型比-9.4kgのシェイプアップを行うと共[…]
- 1
- 2


















































