意外に短命だった2バルブGS:スズキGS400【1976~1980】の系譜

意外に短命だった2バルブGS:スズキGS400【1976~1980】の系譜

ニッポンがもっとも熱かった“昭和”という時代。奇跡の復興を遂げつつある国で陣頭指揮を取っていたのは「命がけ」という言葉の意味をリアルに知る男たちだった。彼らの新たな戦いはやがて、日本を世界一の産業国へと導いていく。その熱き魂が生み出した名機たちに、いま一度触れてみよう。


●文:ヤングマシン編集部(中村友彦) ●写真:山内潤也/YM ARCHVES ●取材協力:ZEPPAN UEMATSU

中型限定免許で楽しめるDOHC

ライバル勢のモデルチェンジに合わせたためか、2バルブGSシリーズの主力機種は意外に短命で、750と1000も’80年代初頭に販売が終了している。ただしツアラーのGやアメリカンのLは、’80年代中盤まで生産が続いた。

1976:GS400(1型)

CB450やTX500といった前例はあったものの、400ccクラスでは初のDOHCツインとなったGS400。車体色は、青、赤、銀の3色で、価格は同時期に併売されたGT380+2万円だった。

【1976 SUZUKI GS400(1型)】

1978:GS400(2型)

2代目GS400は新設計のカムシャフトを採用することで、最高出力が37ps/9000rpm、最大トルクが3.3kg-m/7000rpmに向上。ガソリンタンクとテールカウルにはピンストライプが追加されたが、スポークホイールを履くSTDモデルのボディカラーは、初代と同様だった。

【1978 SUZUKI GS400(2型)】

1978:GS400E

カウルやセパハンには保守的だった日本の運輸省だが、キャストホイールには寛容で、欧米に後れを取ることなく’78年5月に認可。’78年7月以降のGSシリーズには、キャストホイール仕様のEが加わることとなった。星形5本スポークのデザインは、後にカタナも採用。

【1978 SUZUKI GS400E】

1979:GS400E-II

’79年型以降のわかりやすい特徴は、形状を改めたシートとグラブバー、ガソリンタンクやテールカウルと同色になったサイドカバー。ただし吸排気系の刷新を受けたパワーユニットは、最高出力が39ps/8500rpm、最大トルクが3.5kg‐m/7000rpmに向上している。

【1979 SUZUKI GS400E-II】

1980:GS400E-III

’79年以降はキャストホイールのEのみとなり、’80年にGSX400Eが登場するとカタログ落ちしたGS400だが、4ヶ月後に異例の復活。車体色は黒のみで、’78年型に似るがストライプは金。’82年まで販売された。

【1980 SUZUKI GS400E-III】

【ゆったり走れるアメリカン仕様】’79年から発売が始まったGS400Lは、GS400Eのアメリカン仕様。プルバックハンドルや段付きシート、サイドカバー、マフラーなどを専用設計。

【海外には「425」も】海外からの要求に応えるべく、’78年以降のスズキはGS400をボアアップした(φ65→67mm)GS425を発売。最高出力は40psで、後輪のサイズは3.50→3.75-18に変更。

1976 SUZUKI GS400主要諸元

全長(㎜)2080
全幅(㎜)835
全高(㎜)1125
軸間距離(㎜)1385
乾燥重量(㎏)172
燃料タンク容量(ℓ)14
エンジン種類空冷4サイクル並列2気筒
弁形式DOHC2バルブ
圧縮比9.0
総排気量398㏄
ボア・ストローク65㎜ × 60㎜
最高出力36ps / 8500rpm
最大トルク3.2kg-m/ 7000rpm
変速機形式6段リターン
キャスター/トレール28°/ 94㎜
ブレーキ前/後ディスク/ドラム
タイヤサイズ前/後3.00-S18/3.50-S18
新車当時価格32万円

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。