
朝はラジオ体操に行って、日中はプール。そして家に帰ったらかき氷……。バイクブーム世代の夏休みはそんな感じでした。Z世代や外国人観光客を中心に昭和レトロが今ちょっとしたブームですが、遠い昔に過ぎ去った“あの日”を思い出して、ノスタルジーに浸れるスポットが、神奈川県相模原市にあるんです。
●文:風間ナオト(ヤングマシン編集部) ●写真:風間ナオト ●外部リンク:中古タイヤ市場 相模原店
昭和レトロの世界が広がる神奈川県『中古タイヤ市場 相模原店』
昭和の夏休みって、どんなでしたっけ? 朝はラジオ体操に行って、午前10時頃からは仮面ライダーやウルトラマンの再放送。昼は学校や地域のプールに行って、家に帰ったらかき氷……。その合間に一応宿題をやったような気もしますが、筆者の小学生時代はそんなんでした。
Z世代や外国人観光客を中心に昭和レトロがちょっとしたブームですが、時にはバイクブーム世代も“あの日”を思い出してノスタルジーに浸りたい! そんな願望を叶えてくれるスポットが今人気なんです。
そういう場所のひとつが、昭和から平成初期にかけての自動販売機を100台超稼働させ、“レトロ自販機の聖地”と称される『中古タイヤ市場 相模原店』。ハートだけでも“あの日”に戻るべく、神奈川県相模原市の現地を訪れたので、今回はその様子をレポートします。
敷地内に足を踏み入れるとそこには昭和レトロの世界が。画面の左端におみくじを結んだ一角も見えます。
人気御三家は「うどん&そば」「ハンバーガー」「トーストサンド」
その名前の通り、中古タイヤやホイールの販売、修理や組み替えが本業の同店ですが、古い物好きのオーナーが、うどんの自動販売機を入手して修理し、作業を待っているお客さん向けに設置したのが始まり。
3台からスタートし、閉店するドライブインから引き取るなどして数をどんどん増やして、現在は100台以上で営業中。“御三家”と呼ばれる「うどん&そば」「ハンバーガー」「トーストサンド」に加え、懐かしの飲み物やお菓子、アイス、はたまた乾電池と扱う商品も多種多様です。
中には昭和30年代に製造された機械もあり、すでに事業から撤退したメーカーも多いそうですが、探究心旺盛なオーナーが独学で修理方法をマスターし、自らメンテナンス。貴重な昭和遺産を旧車よろしく“動態保存”しているとのこと。
売り上げ上位だけあって、お目当ての「トーストサンド」は売り切れで食べられませんでしたが、無事に「ハンバーガー」は購入でき、まずはアツアツのところを瓶コーラで流し込みました。
瓶コーラは取り出し方注意! お米屋さんのプラッシーにカンゲキ!!
コカ・コーラの自販機には「ビンはスパッと抜いてください」と注意書きが記されていましたが、数十年ぶりだったので、取り出しに失敗! たまたま近くにスタッフがいらっしゃったので、運良くやり直させていただきました(笑)。
瓶コーラ以外の飲み物で目を引いたのが、ビタミンCをプラスしたことがネーミングの由来だというオレンジ果汁入り飲料「プラッシー」。
平成7年にお米の専売制は廃止されましたが、それ以前は地元のお米屋さんに配達してもらう家が多く、昭和の子どもたちは、米穀店を中心に流通していた「プラッシー」をお米と一緒に届けてもらって、よく飲んでいました(あー懐かし、ナオト、カンゲキ!! ※昭和テイストでお届けしています)。
カプセルトイやピンボールも設置! まさに昭和レトロの宝石箱や〜
自動販売機がズラリと並んだ光景は壮観ですが、場内全体が「まさに昭和レトロの宝石箱や〜」といった風情で、カプセルトイや古式ゆかしいピンボールなど、他にもお楽しみ要素が盛りだくさん! 親子連れで夏休みに訪れるのはもちろん、友達や恋人と来て、飲んだり食べたり、おみくじを引いたりと過ごし方はいろいろ。かくいうワタシもアルトワークスのカプセルトイをゲットしたいという強い衝動に駆られましたが、断捨離中の身ゆえ、すんでのところでガマンしました。
『Y⚪︎Uは何しに⚪︎本へ?』など、たびたびTVで紹介されたこともあって、休日の昼間はなかなかの混雑ですが、自販機コーナーは24時間年中無休。バイク専用の駐輪場や30台ほどが停められる駐車場が用意されているのも嬉しいポイントです。
駐車場で「相模」「多摩」などの地元ナンバー以外に県外ナンバーも散見された他、外国人のお客さんの姿もチラホラ。人気のほどがうかがえました。
自動販売機がズラリと並んだ光景は壮観! ツーリングやドライブのついでに軽い気持ちで寄ることができるスポット。
群馬県や島根県にある“レトロ自販機の聖地”もオススメなんです!
数が多すぎて全部は詳しく紹介しきれないので、あとは写真とキャプションでお届けしましょう。
神奈川県以外に目を移すと、群馬県の『ドライブイン七輿』や『丸美屋自販機』、島根県の『自販機コーナー オアシス』や『自販機のお店 風花』なども“レトロ自販機の聖地”として知られているので、お近くの方にはそちらもオススメします!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ツーリング)
9月7日(日)に単車神社で年に一度の「例大祭・交通安全祈年祭」 新聞やTV、ネットニュースに触れると、毎日のようにバイク事故の報道を目にします。“ヤング・アット・ハート”かつ賢明な皆さんは、こういった[…]
四季折々の絶景が楽しめる鳥取県 そもそも鳥取県は、ツーリングに適した自然環境と道路条件が揃った場所。日本海沿いの雄大な海岸線から、大山・蒜山高原エリアの山々まで、変化に富んだ絶景ルートが点在し、四季折[…]
ツーリングの持ち物【最低限必要な基本アイテム】 オートバイ趣味のもっとも一般的な楽しみ方は、オートバイならではの機動力や爽快さを満喫しながら好きな場所へ自由に行くこと。いわゆるツーリングです。 初心者[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
房総フラワーラインとは?バイク乗りに人気の理由 房総フラワーラインは、千葉県の房総半島南端をぐるっと周遊する約46kmのルートです。千葉県館山市下町交差点から南房総市和田町までの海沿いを巡り、上掲のG[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
ホンダ「CB1000F SE コンセプト」が鈴鹿8耐で世界初公開! 8月1日より予選が始まった“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会のホンダブースにて、CB1000F SE コンセプト[…]
ホンダ初の本格的電動モーターサイクルが間もなく……? 2024年秋のEICMAで世界初公開された電動二輪車のコンセプトモデル「EV Fun Concept(イーヴィー ファン コンセプト)」は、202[…]
情報量が渋滞しすぎィ! ホンダは本日、突如としてHonda×Kuromiのスペシャルサイトを公開。Kuromiとはサンリオのキャラクターで、自称マイメロディのライバルだ。サンリオの公式ページには「乱暴[…]
鈴鹿8耐ヤマハブース、歴代マシンと最新鋭機が共演! 2025年に創立70周年の節目を迎えたヤマハが、6年ぶりに鈴鹿8耐にファクトリー参戦を果たし、会場は大いに盛り上がった。ヤマハブースでは、今年の8耐[…]
9月7日(日)に単車神社で年に一度の「例大祭・交通安全祈年祭」 新聞やTV、ネットニュースに触れると、毎日のようにバイク事故の報道を目にします。“ヤング・アット・ハート”かつ賢明な皆さんは、こういった[…]
人気記事ランキング(全体)
新たな時代の「角Z」:スタイルと操案の狭間で揺れたZ1-Rの人気 Z1からZ1000までリファインを重ねて完成度を高めた“丸Z”だが、1970年代後半にはスズキのGS750/1000のようなライバル車[…]
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
フレームまで変わるモデルチェンジ、かつリヤキャリアを新装備してたったの+6600円 スズキは、グローバルで先行発表されていた新型「アドレス125」の国内導入を正式発表。基本スタイリングは継承しながら、[…]
最新の投稿記事(全体)
メーカー自体が存在しない絶版車のメンテやレストアは難しい 日本のバイクメーカーは今でこそ4社に集約されていますが、1950年代には大小含めて数十社のメーカーが林立していました。第二次世界大戦で疲弊した[…]
国内規制に合わせてエンジンを再設計 ホンダのCB750フォア(1969年)の発売と前後して、大型バイクの事故の増加や暴走族が社会問題化し、国内では750ccを超える排気量のバイクを販売しない自主規制が[…]
ホンダ「CB1000F SE コンセプト」が鈴鹿8耐で世界初公開! 8月1日より予選が始まった“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会のホンダブースにて、CB1000F SE コンセプト[…]
最小限のカスタムでクルーザーをアドベンチャーマシン化 1200ccという大排気量の水平対向エンジンを心臓部に持つBMWのヘリテイジモデル、R12シリーズ。その新しいバリエーションとして2025年5月に[…]
キャッチニッパー :作業後のゴミが減り掃除が楽になる、切れ端を飛ばさないキャッチ機能付き 配線や結束バンドを切断した際に切れ端が飛び散るのは仕方がないというのが一般的な常識に対して、一方の刃にプレート[…]
- 1
- 2