
鈴鹿8耐が開催されている鈴鹿サーキットにおいて、8月2日の18時10分よりホンダ「CB1000F コンセプト」の初めてのデモランがグランドスタンドの観客を前に行われた。乗ったのはCBアンバサダーを拝命している丸山浩だ!
●レポート:丸山浩 ●まとめ:ヤングマシン編集部 ●写真:佐藤寿宏、箱崎太輔、編集部 ●外部リンク:ホンダ
乗ったのはサーキット、でもストリートの皆さんにこそ魅力を届けたい!
今春の大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたCB1000Fコンセプト、その披露にともない、私、丸山浩はCBアンバサダーに任命された。かつてCB1300SFで鈴鹿8耐に参戦し、その後もCB1100“プロジェクトF”などでCBの魅力を発信してきたことから、全国のCB好き代表と認められたってわけだ。
そんな私が、鈴鹿8耐の前夜祭で、観衆を前にCB1000Fコンセプトのデモランを行う、それも世界グランプリのレジェンドライダーである岡田忠之氏と宇川徹氏と一緒に……。こんな名誉なことはない! レースを志し、世界まで届くことができなかった私にとって、緊張と喜びが入り混じるデモンストレーションとなった。
ショートカットした東コースをわずか3周という短い時間だったが、みなさんの期待に応えるためにもインプレッションをお届けしたい。
乗ったのはスタンダードモデルのCB1000Fコンセプト。“コンセプト”の名は付いているが、もう市販車に近いんじゃない?! とホンダのエンジニアに話を振ってみると、「いいえ、まだミラーが付いていないので公道を走れないコンセプトモデルです」とつれない返事。
もう早く発売しますって言っちゃえばいいのに……というのはさておき、やっぱり公道でCBに乗りたいというみなさんに、どんなバイクだったかをお知らせするのが私の使命。今回の試乗記は、ストリートを走るライダーにこそお届けしなきゃいけないと思ってる。
まずはライディングポジション、そして音だ。
アイドリングでデモ走行開始を待つ丸山浩&CB1000Fコンセプト。足着きは悪くない(身長168cm)。
ライポジはこれまでにもう何度もお伝えしてきた通り、ボリューム感のある大排気量ネイキッドのスタイル、だけど足着きは悪くなく、何より車重が軽いので本当に乗りやすい。
それに、これまでにストリートでもCB1300SFを散々乗ってきたが、あれを超える気持ちのいいエンジン、マシンはなかなか作れないだろうと思っていた。しかし1000Fは車重が軽く取り回しやすく、パワーは1300よりも大きく、なのに高回転域ではなく4000~5000rpmの音がものすごくいい。
サーキットでは結局1万rpmまで(CB1000ホーネットのレッドゾーン11500rpmに対し、CB1000Fは10000rpmからレッド)回して走っちゃうわけだが、アイドリングから信号機のストップ&ゴーなどを想定した走り方での、前にグッと出るトルク感がある。元々がCBR1000RR(SC77)のスーパースポーツエンジンだと考えると、ここまでトルク感を出すのは相当に難しかったはずだ。
あえてブン回さず、街乗りの一般ライダーを想定したような発進加速。このあとウイリーしたように見えたかもしれないが見逃していただきたい。
ベースになったCB1000ホーネットは、CBR1000RRに対してパワーを下げて扱いやすくしていたが、味わいという点では薄味だった。なのにコイツは、あくまでも街乗りで楽しいように低回転域のトルクをきっちり出しているのだ。さらに、“ボボボッ”という雑味までもわざわざ作り出している。
軽々しいパワーダウンだと、本当に使う回転域が気持ちよくなかったりして、さらに高回転も気持ちよくなくて面白くないエンジンになってしまうところだが、CB1000Fは味わいをちゃんと出しているのがいい。
とはいっても、CB1300とはちょっと違う。CB1300はでかくて重厚感があって、足着きはいいし、排気量からくるトルク感が圧倒的に気持ちいい。でも車重はズッシリ。そう思ったときにCB1000Fコンセプトは、普段のガレージからの出し入れが気軽で、日々味わうことができる。そのために最高出力を落とし、あえてブン回させないことでトルク感が埋もれないように工夫している。アイドリングから2000~3000rpmのトルク感を、本当によく頑張って作り込んでいると思う。
ワインディングを走るのが最高に楽しそう!
CB=スポーツバイクではなく、CB=ファンスポーツバイクっていうことを皆さんにお伝えしたいんだ。
ストリートバイクにもいろいろあるし、スポーツバイクやネオスポーツカフェなどあるが、とにかくこのスタイリングのCBを手に入れて、ちょっとカスタムしたりして一緒に楽しんでいきたい。公道を走って楽しいバイクなんだってことを伝えていきたい。
じつは鈴鹿サーキットよりも前に、もっとコンパクトなサーキットでも試乗した。そこは公道ワインディングもイメージできるような低速コーナーがあって、そこでの軽い動きが本当に気持ちよかった。
これが例えばCBR1000RR-Rになっちゃうと、高速コーナーを安定して走れるようにっていう設定になっているから、ここまで軽快な走りは難しい。何より、ワインディングでは気持ちいいと感じる速度域に達する前に道路交通法の壁にぶつかってしまう。
でも、CB1000Fなら、速く走ろうとかではなく気持ちのいい走りをひたすら堪能できる。
無理に攻めない“気持ちいい走り”が一番合う。
もちろん、サーキットで攻めた走りを使用となると、今回の装着タイヤ(純正採用予定?)ブリヂストンS22のグリップレベルでも柔らかめのサスペンションは入り過ぎたりする。ブレーキングでも大きくストロークしてしまう。だから丁寧に切り返すようにすると、これがものすごく軽い。CBR1000RR-Rではこうはいかないのだ。
今回のデモンストレーションはサーキットだったが、本当にストリートバイクとしてよく出来ていると思う。
あとはどのカラーリングにするか、スタンダードかSEかを迷うだけだ……って、まだコンセプトモデルと言い張られているので“発売を期待する”としか言えないのがもどかしいのだが。
ライバルは間違いなくZ900RS、負けず嫌いのホンダが炸裂だ!
今回直接比較できているわけではないが、カワサキのZ900RSに共通する点も多くあるように思う。
古いバイク乗りからすると、最初は「これがZ?」という声もあったし、実際に昔のZとはけっこう形が違っていたりした。でも、結局みんな楽しんでる。いい音がするエンジンの雰囲気、カスタムベースとして優秀だったり、そんなところをやりきっているからファンに支持されたんだと思う。結局みんなが楽しんでいるという意味では、CB1000Fが採用するTFTメーターの造形も最初こそ違和感があるかもしれないが、いずれ見慣れてくるはずだ。
このCBは、Z900RSをめちゃめちゃライバル視して、絶対に負けないぞっていう、いいろことは全部吸収してやるっていう意気込みを感じる。「Z900RSとは違います」なんてことはもう言わず、「Z900RSに負けない面白さを」と追求しているような気がするのだ。
もともと馬力が出せるCBRのエンジンで、軽さもトルクも、そしてさらに図太い音も追求した。
だから、まずはCBをよく知らない若い子に乗ってもらいたい。そうして人気モデルになったら、1300でいい、でももう重くて乗れないなと思っているベテランたちも「やっぱり俺ももう一回CBに乗ろうかな」って帰ってくると思うのだ。Z900RSでもそうした現象があったと思っている。
もうひとつは、ヨーロッパのライダーたちにもこのジャパニーズネイキッドのカッコよさを理解してもらいたい。今までネイキッドと言えばストリートファイターばかりだったけど、これから「お、なんか和風クラシカルなネイキッド、かっこいいんじゃないか」って気付いてくれれば、CB1000Fが世界で売れるバイクになって、より長く愛されて生産が続くモデルになるはずだからだ。
そのためにも、私としては昔のようなガンガンのレーシングコンセプトではなく、ストリートを楽しむためのカスタムを広げていきたいとも思っている。その気になればCBRのエンジンそのものを積むようなこともできるだろうが、私はもうちょっとみなさんに近い立場でやろうかなと思っているのだ。
開発者の坂本さん、原本さん、同じくアンバサダーの梅本まどかさんとホンダブースでトークショーも。台本にない発言でホンダ陣営もタジタジ?
ちなみに、9月13.14日にはHSR九州で開催される鉄馬レースにCB1000Fコンセプトで出場する予定だが、これもストリート仕様に近いもので走るつもりだ。レーシングイメージを背負いながら気持ちよく走らせる、そんな文化が育てばいいなと願っている。
今回、これまであまり着る機会のなかったセパレートタイプのレーシングスーツを制作した。これを「CBファイタースーツ」と称して、いろんなところにこれを着て行って、いろんなイベントに参加して、みんなにCBの良さを伝えていくぞ!
暑い中をレーシングスーツ着て走った甲斐があった!
【動画】ホンダCB1000Fコンセプトが鈴鹿を走る!【世界最速試乗】|丸山浩の速攻インプレ
CBファンミーティング in HSR九州(CBファンツーリング第3弾 in 九州熊本)開催!
丸山浩がHSR九州で開催される鉄馬レースに出場決定したことを受け、丸山浩主宰のモーターステーションTVで「CBファンツーリング 第三弾 in 九州熊本」改め、「CBファンミーティング in 九州HSR」を開催決定した。
CBファン向けのツーリングなので、現在CBに乗っている方、過去CBに乗っていた方、そしてこれからCBに乗りたい方など、CBが好きな方が集まり一緒に鉄馬レースで丸山浩×CB1000Fコンセプトを応援しよう! ※CB購入予定という方もクルマで参加OK
鈴鹿8耐でカウル付きSEとともに、ウインカー付きの姿が初公開!
Honda CB1000F SE Concept &CB1000F Consept
鈴鹿8耐では、カウル付きの新バージョン「CB1000F SE コンセプト」が世界初公開。さらに、CB1000F コンセプトには新たにウインカーやリヤフェンダーを追加した姿となってお披露目された。丸山さんが試乗したのはカウルなしバージョンのスタンダード仕様だ。
詳しくは下記リンクへ↓
ホンダCB1000F SE コンセプトの姿はこれだ! 7月11日、ホンダは鈴鹿8耐会場内のホンダブースにて、CB1000F SE コンセプトを世界初披露すると突如宣言した。 同リリースでは真横からのシ[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(CB1000F)
スーパースポーツの魂を宿した優美なる巨躯「CB1000F」 ホンダのプロダクトブランド「CB」の頂点として君臨する新型CB1000F。その最大の魅力は、なんといっても歴代CB750Fを彷彿とさせる流麗[…]
十分な軽さ、しかし失っていないビッグ1的な貫禄 2025年2月28日に発売され、6月30日に受注終了となったファイナルエディションでCB1300シリーズが終止符を打った。ホンダのビッグ1シリーズ的なも[…]
ハンドリングが選べる「コンバーチブルステムキット」 ストリートでの軽快さを求めるか、高速巡航での安定性を求めるか。一台のバイクで異なるキャラクターを楽しめるこのギミックは、走りにこだわるライダーにはた[…]
レジェンド:フレディ・スペンサー視点「軽さと許容範囲の広さが新時代のCBの証だ」 私は長年、新しいバイクのテストをしてきたが、その際に意識するのはバイクから伝わる感覚、アジリティ(軽快性)、そして安定[…]
CB復権! 新型CB1000F/CB1000F SE 名車CB1300シリーズの後を継ぐHonda CBの新しいフラッグシップモデル・CB1000Fシリーズがついに正式発表となりました! CBの持つ歴[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
未知のジャンルへ挑戦した縦置き80度Vツイン どうして縦置きVツインだったんだろう? ホンダGL/CXシリーズ対して、僕は昔から疑問を抱いていた。当時の技術資料を見ると「ウイングGLは1980年代の新[…]
伝説のヨンフォアを凌駕するX字にクロスしたエキパイが輝く最高峰のプライド! 1981年の終わりに近い11月、ホンダはCBX400FというCBに「X」を加えた新機種をリリース、その内容はまさにありったけ[…]
1992年モデル:新世代のホンダロードスポーツ 滑らかな曲線と面で構成された、力強くボリューム感のある18Lの燃料タンク形状に、独立したサイドカバー、そして躍動感ある跳ね上がり気味のリアカウル。すっき[…]
色褪せない魅力で進化を続ける「CT125ハンターカブ」 スーパーカブシリーズのなかでも、ひときわ異彩を放つアウトドアマシン「CT125ハンターカブ」。2020年の登場以来、その人気は留まるところを知ら[…]
華やかなパレードの裏に隠された「究極の即応性」 皇宮警察は、天皇皇后両陛下をはじめとする皇室の護衛や、皇居などの警備を専門とする警察組織である。彼らの任務において、ひときわ異彩を放っているのが側車付き[…]
人気記事ランキング(全体)
簡単取り付けで手間いらず。GPS搭載でさらに便利に バイク用品、カー用品を多数リリースするMAXWINが開発したヘルメット取り付け用ドライブレーコーダー「MF-BDVR001G」は、ユーザーのニーズに[…]
型崩れを防ぐEVA素材と整理しやすい内部構造 布製のサドルバッグにおける最大の欠点は、荷物が入っていない時に形が崩れ、見た目が損なわれることにある。しかし、本製品はマットフィルムとEVAハードシェル素[…]
スーパースポーツの魂を宿した優美なる巨躯「CB1000F」 ホンダのプロダクトブランド「CB」の頂点として君臨する新型CB1000F。その最大の魅力は、なんといっても歴代CB750Fを彷彿とさせる流麗[…]
初代バットサイクルはヤマハの250バイクがベース 今回ご紹介するのは1966年に全米で放送されたバットマンのテレビドラマシリーズに登場したバイク。その名も「バットサイクル」と呼ばれる側車付きバイク、い[…]
YKKと組んだ“固定力革命”。ねじれに強いPFバックルの実力 今回のシェルシリーズ刷新で最も注目すべきは、YKKと共同開発したPF(ピボットフォージ)バックルの採用だ。従来の固定バックルは、走行中の振[…]
最新の投稿記事(全体)
スキルアップから大型デビューまで、ライダー必見のイベント目白押しだ! 那須モータースポーツランドでは、毎年数々のイベントを開催!日頃の安全運転に役立つ「ライディングスクール」や、普通自動二輪免許で大型[…]
NMAX155が装備している電子制御CVT“YECVT”とはなんぞや? エンジン回転域で吸気バルブのカムプロフィールを切り替えるVVAやアイドリングストップ、トラクションコントロールシステムなどなど。[…]
7.3リッターとなる心臓部はコスワースがカスタマイズ 今でこそアストンマーティンの限定車はさほど珍しくもありませんが、2000年代初頭、すなわちフォード傘下から放り出された頃の彼らにとってスペシャルモ[…]
17台のみのレーサーベースは売れ行きパッとせず⁉ ポルシェ924は1976年の販売開始から、924S がラストモデルとなった1988年まで生産されるというロングライフでした。すると、ポルシェの場合スポ[…]
未知のジャンルへ挑戦した縦置き80度Vツイン どうして縦置きVツインだったんだろう? ホンダGL/CXシリーズ対して、僕は昔から疑問を抱いていた。当時の技術資料を見ると「ウイングGLは1980年代の新[…]
- 1
- 2







































