
Z900RSのベースモデルとしても知られる、カワサキのスポーツネイキッドZ900。現行のモデル展開の基礎となった2018年モデルも、登場からすでに7年近く経つこともあり、手頃な価格の出玉も増えている。中古車としての注目度も高いので、この機会に各年式の違いをおさえて、自分に最適な一台を選んでみよう。この記事では無印の廃止にともなってSEが復活した2025年モデルについて紹介する。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:カワサキ
2025年モデル概要:ほぼ全身に手が入った進化版SE
海外では存続していたZ900の上級モデル、Z900SEが国内モデルとしても復活したのは2025年4月のこと。エンジンやフレーム、足まわりに手が入り、デザインはほぼ全面リニューアルされていた。鋭い眼光の“凄みデザイン”を磨き上げ、エンジンはカムプロファイルの変更や電子制御スロットルの新採用で中速域の力強さを増し、IMU搭載など各種電子制御も最新に。
フレームやエルゴノミクスも改良されたほか、カワサキとして初めて音声コマンドとターンバイターンナビゲーション表示に対応したメーターを採用した。
エンジンは最高出力125ps→124psとわずかにパワーダウンしているが、カムシャフトのプロファイル変更と電子制御スロットルを採用したことにより低回転域のトルクを増強するとともに扱いやすさを増した。WMTCモード燃費は18.0km/L→20.5km/Lと13%以上も改善した。
電子制御関連ではIMU(慣性計測ユニット)を採用したことで、新たにKCMF(カワサキコーナリングマネジメントファンクション)によるエンジン&車体のトータルマネジメントを実現。KTRC(カワサキトラクションコントロール)やコーナリング対応ABS、より低回転(欧州リリースでは2500rpm→1500rpmと表記)から作動するようになった双方向KQS(カワサキクイックシフター)といった新採用の機能を一括して管理する。クルーズコントロールの搭載もトピック。
メインフレームはヘッドパイプ周辺のガセットを変更して剛性バランスを最適化。シートレール形状をフラットにすることでシートクッションの厚みを増しながら足着き性も確保している。
前後サスペンションは設定変更を受けたほか、フロントブレーキには新たにニッシン製ラジアルマウントキャリパーを採用。リヤブレーキはパッドの摩材とブレーキホースの素材が変更された。前後タイヤは新たにダンロップ製スポーツマックスQ5Aを採用。
上級モデルだけあり、専用装備も豪華。ゴールド仕様になった倒立フロントフォークにブレンボ製M4.32ラジアルマウントモノブロックキャリパー(Z H2と同スペック)を組み合わせ、ニッシン製ラジアルポンプマスターシリンダーを奢る。リヤショックはリモート式プリロードアジャスターなどを備えたオーリンズ製S46だ。
このほかにも、SE専用ボディカラーやツートーンシート、フロントカウル内のUSB-Cソケット、さらに国内モデル専用装備としてETC2.0車載器も標準装備した。
2025年モデルのおもな変更点
オーリンズ製S46リヤショックとブレンボ製ブレーキコンポーネント(M4.32ラジアルマウントモノブロックキャリパー/ディスク)を採用。フロントブレーキのマスターシリンダーはニッシン製ラジアルポンプ式だ。
注目はカワサキとして初めて採用するボイスコマンド機能とターンバイターンナビゲーションの実装。ライディオロジーアプリによってスマートフォンと連携することによって実現する機能で、さらにスマートフォン画面にナビゲーションマップ、メーター画面にターンバイターンを同時に表示することも可能だ。
KAWASAKI Z900SE[2025model]SPEC & COLOR
主要諸元■全長2065 全幅830 全高1110 軸距1450 シート高810(各mm) 車重215kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 124ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:165万円 ●色:灰×黒 ●発売日:2025年4月12日
カワサキ「Z900シリーズ」の最新相場情報
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