
昭和50年代は、免許制度の改正により人気が中型に集中し始めた時代だ。ここではレプリカブーム以前、中型黎明期のヒット作を紹介する。
●文:ヤングマシン編集部 ●取材協力:ZEPPAN UEMATSU
あの頃の中型 青春名車録「2気筒の時代」(昭和51~53年)
昭和50年(1975)10月1日、免許制度が改正され401cc以上のバイクに乗るためには大型免許(=限定なしの自動二輪免許)が必要になった。しかも、大型免許は教習所で取得することができなくなり、運転免許試験場で実技試験をクリアすること(いわゆる限定解除)がマストとなった。これにより難易度は急上昇、以降、国内の市場は中型バイクが主流となっていく。
そんな昭和50年代にまず中心となったのは4スト400ccの2気筒モデルで、国産4メーカーが勢力争いを繰り広げた。中でもDOHCのスズキGSとハイパワーを誇ったホンダのホークが人気を獲得したのだ。
昭和50年(1975)10月1日から新免許制度に移行し、その翌月の11月1日に発売されたヤングマシン12月号の記事。これによると10月14日までに東京都内での大型取得者は「1人もいない」とレポートされている。現実、大型免許試験は超難関で、東大よりも合格率が低いなどと例えられたこともあったのだ。
SUZUKI GS400
2スト専門メーカーとも言えるラインナップを展開していたスズキが手がけた、GS750に続く4ストマシン第2弾となるのがGS400。エンジンはこのクラスでは当時唯一のDOHC2気筒で、180度クランクを採用した。また、振動を抑えるためにバランサーも内蔵。
これに6速クロスミッションを搭載していた。また、メーターにはスズキ独自のギヤポジションインジケーターも装備。試乗車は、昭和53年(1978)3月発売の2型で、出力特性を向上、従来の36psから37psにパワーアップした。
主要諸元■全長2080 全幅835 全高1125 軸距1385 シート高──(各mm) 車両重量172kg(乾燥)■空冷4スト並列2気筒DOHC2バルブ398cc 37ps/9000rpm 3.3kg-m/7500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量14L■ブレーキF=ディスク R=ドラム■タイヤF=3.00-18 R=3.50-18■新車当時価格:32万円
【SUZUKI GS400 昭和53年(1978)3月】初期型は昭和51年(1976)12月発売でクラス唯一のDOHC2気筒を採用した。昭和55年(1980)1月にはDOHC4バルブのGSX400Eに発展。
HONDA HAWK2(ホーク2)
CB400フォアの後継モデルとして登場したホーク2。360クランクや2軸バランサーを採用したSOHC3バルブ(吸気2、排気1)の並列2気筒エンジンを搭載し、最高出力は40ps。CDI点火、コムスターホイールなど、魅力あるメカを採用していた。
試乗車は、1978年3月に発売の後期型で通称「角タンク」。対して前期型は「やかん」(タンク)と呼ばれる。角タンクはリヤにFVQダンパーを新採用し、人気No.1モデルに躍進した。
主要諸元■全長2150 全幅840 全高1180 軸距1390 シート高──(各mm) 車両重量181kg■空冷4スト並列2気筒SOHC3バルブ395cc 40ps/9500rpm 3.2kg-m/8000rpm 変速機5段リターン 燃料タンク容量13L■ブレーキF=ディスク R=ドラム■タイヤF=3.60-19 R=4.10-18■新車当時価格:32万9000円
【HONDA HAWK 2 昭和53年(1978)3月】初期型は昭和52年(1977)でタンクが丸いデザインだった。SOHC3バルブの並列2気筒エンジンを登載し、最高出力は40ps。
おまけ:400ツイン列伝(昭和51~55年)
【KAWASAKI Z400 昭和51年(1976)4月】400RSから発展。■398cc 36ps
【SUZUKI GS400 昭和51年(1976)12月】DOHCエンジン完全新設計。■398cc 36ps
【HONDA HAWK2 昭和52年(1977)5月】出力トップ完全新設計。■395㏄ 40ps
【YAMAHA GX400 昭和52年(1977)6月】XS360から発展。■391cc 37ps
【HONDA HAWK2 昭和53年(1978)3月】角タンクに変更。■395cc 40ps
【SUZUKI GS400 昭和53年(1978)3月】1psアップ。■398㏄ 37ps
【KAWASAKI Z400 昭和53年(1978)3月】スタイル一新。■398cc 36ps
【YAMAHA GX400 昭和53年(1978)3月】スタイル一新。■391cc 37ps
【YAMAHA GX400SP 昭和53年(1978)6月】キャストホイール追加。■391cc 37ps
【SUZUKI GS400E 昭和53年(1978)7月】キャストホイール追加。■398㏄ 37ps
【HONDA HAWK3 昭和53年(1978)8月】スタイル一新、6速に。■395cc 40ps
【SUZUKI GS400E 昭和54年(1979)4月】2psアップ。■398cc 39ps
【SUZUKI GSX400E 昭和55年(1980)1月】DOHC4バルブ化。■399cc 44ps
【HONDA SUPER HAWK3 昭和55年(1980)8月】トリプルディスク採用。■395cc 40ps
動画で試乗インプレッションを見る
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
復刻版ではない「当時の現物」。時代を駆け抜けた純正パーツが今蘇る 旧車のレストアや日常のメンテナンスにおいて、最も入手が困難で頭を悩ませるのが、外装の印象を決定づける細かな純正パーツの確保である。市場[…]
ハウジングのCEMメッキと3分割式アペックスシール デビュー時には2/4輪界の革命機と呼ばれたロータリーエンジン。ただし開発元のNSU自身も’59年の時点ではロータリーエンジン車を量産した経験はなかっ[…]
栄光のチャンピオン・レプリカだったが…… Γの登場で活気づいたレプリカ戦線に勇んでカワサキも参入する。’84年に投入されたKR250は、異彩を放つタンデムツインを搭載。シリンダーを前後に配置し、並列2[…]
他社とは異なる姿勢で大型車の未来像を提示 冒頭から誠に失礼な表現になるものの、国産2輪車では唯一のロータリーエンジンと、ジュルジェット・ジウジアーロによる独創的なデザインを採用したRE-5は、世間では[…]
レーサーの姿と技術を公道へ持ち込んだRG250Γ 1983年3月に発売されたRG250Γ(ガンマ)は、ひと目でレーシングマシンを連想させるスタイルによって、当時のライダーに強烈な衝撃を与えた。車名の「[…]
人気記事ランキング(全体)
ミケロットとともに、数々の名作を世に送り出したフェラーリ そもそも、ミケロットとフェラーリの関係は1970年代まで遡ります。当時、ランチアのワークスラリーカーのチーフメカを務めていたジュリアーノ・ミケ[…]
ワイルドなクルーザーだけど快適で操縦しやすいライディングポジション カワサキのエリミネーターシリーズは、さまざまな排気量帯とエンジン形式で’80年代から展開されてきたクルーザー。現行の国内モデルは、「[…]
下町の匠が挑む新ジャンル!丸ハンドルと全天候型ボディを持つ「Blue Jay」 スーパーコンピュータの冷却配管部品やオリンピック競技用機材などを手がけてきた西川精機製作所。同社が開発した「Blue J[…]
栄光のチャンピオン・レプリカだったが…… Γの登場で活気づいたレプリカ戦線に勇んでカワサキも参入する。’84年に投入されたKR250は、異彩を放つタンデムツインを搭載。シリンダーを前後に配置し、並列2[…]
カラーも成熟のスペックも継承したカワサキ「W800」2027年モデル カワサキの伝統的ブランド「W」の長兄として、空冷バーチカルツインの造形美を現代に伝える「W800」に2027年モデルが登場した。2[…]
最新の投稿記事(全体)
復刻版ではない「当時の現物」。時代を駆け抜けた純正パーツが今蘇る 旧車のレストアや日常のメンテナンスにおいて、最も入手が困難で頭を悩ませるのが、外装の印象を決定づける細かな純正パーツの確保である。市場[…]
第1弾「Vision」:トップみずからガレージで油に塗れる!? CEOの激アツな素顔 第1弾の主役は、なんとBMW Motorradのトップを務めるマーカス・フラッシュCEO。オーストリアにあるプライ[…]
ハウジングのCEMメッキと3分割式アペックスシール デビュー時には2/4輪界の革命機と呼ばれたロータリーエンジン。ただし開発元のNSU自身も’59年の時点ではロータリーエンジン車を量産した経験はなかっ[…]
20年以上の歴史をもつ店内はさすがの品揃え。これぞTHEバイク用品店! アパレルはもちろん、ソフトもハードパーツも盛りだくさん!! オープン当初からこの感じは、なーんにも変わりません。 THEバイク用[…]
侍をモチーフとした伝統的かつ個性的なグラフィック Z-9のグラフィックモデル第3弾となる『ローニンズレスト』は、日本の伝統の戦士である侍をモチーフとしたユニークなモデルだ。側頭部には兜をかぶったドクロ[…]
- 1
- 2










































