ZX-4RRターボ/グロム250etc…夢のマシン乗り心地は? 2024年度上半期試乗記事ランキングTOP5【Webヤングマシン】

Webヤングマシンの試乗記事では、新車はもちろんのこと、なかなかお目にかかれないモデルやカスタムマシンも取り上げている。中には同クラスやジャンルごとの比較試乗もあり、バイク購入時の参考にしている方も多いハズ。そんなインプレ/レビューのうち、2024年上半期(4~9月)にWebヤングマシンで高い注目を集めた記事をランキング形式で紹介するぞっ!


●文:ヤングマシン編集部

1位:トリックスターのNinja ZX-4RRターボ試乗

カワサキが送る4気筒400ccスーパースポーツ、Ninja ZX-4RRをトリックスターがターボ化。Ninja ZX-25Rの際にはクラッチの滑りなどいろいろ課題が多く、トライアンドエラーを繰り返していたが、Ninja ZX-4RRでは400ccという排気量と上手くマッチしたのか、ターボキットとそれに合わせるためのマフラー以外は純正パーツをそのまま使用できていた。純正からの変更点は下記の通り。

  • フロントサスペンションスプリング
  • リヤサスペンションスプリング
  • トリックスター製ハーフサイドカウル
  • トリックスター製スクリーン
  • アルミ製スプロケット(ファイナルは純正のまま)

試乗車両のブースト圧は0.5khpを目安に設定したとのこと。8000rpm以上から徐々にブーストがかかる仕様で、8000rpmまでは純正車両とエンジン特性が大きく変わらず、乗りやすい印象となっていた。

ところが、思いっきりアクセルを開けてみると豹変。9500rpm付近からいきなり加速感が増加し、初見では400ccとは思えない、少し怖さを感じるほどの加速を見せてくれた。生粋のミドルクラススーパースポーツ、Ninja ZX-6Rのスポーツモードよりも鋭い加速感が得られた印象だった。

2位:CBR250Rエンジン搭載した魔改造グロムにドキドキ試乗

初代登場時からずっと125ccエンジンを搭載しているホンダ グロムに、250ccエンジン搭載車が現れた。これは初代グロム(JC61)に、同じくホンダのCBR250R(MC41)用の水冷250cc単気筒エンジンをスワップしたカスタムマシンだ。排気量は2倍、パワーはなんと約3倍!!

走り出してまず感じたのは、圧倒的なトルク感。どこから開けてもタタタタッと明瞭な鼓動感を放ちつつ、車体がぐぐぐっと前に進む。京葉のコースでは3速だけでもそこそこ走れてしまうほどで、30年ぶりのリターンミニバイカーには、むしろ走りやすく感じた。

全開にしたら、さぞ危ないのでは…と思いきや、ズ太いトルク感をそのままに車速がグングン高まっていくようなフィーリングで、身構えるような怖さがほとんどない。エンジン特性が、ある回転域からビュッと立ち上がるような、二次曲線的な特性ではないことが大きいのだと思う。数周もするとアクセル全開、レブリミッターまで引っ張れるようになってしまった。

1速でゼロ発進からの全開加速も試してみたが、フロントが浮きまくる…といった危うさもない。このへんは二次減速比も関係するから、ショートに振ればウイリーマシンにも仕立てられるのだろうが、そんな潜在能力を忘れるほど普通に乗れてしまう。黙って乗せたら「やたらトルクのあるグロムですね」と、エンジンスワップに気づかない可能性すらありそうだ。

3位:ドゥカティ ハイパーモタード698モノ試乗

ドゥカティ パニガーレ由来の659ccショートストローク、ビッグシングルエンジンを持つ、ハイパーモタード698モノの試乗インプレ。シングルエンジンというとドコドコした感じだと想像されがちだが、スーパークワドロモノは、どこまでも軽やか。小さなメーターの中のタコメーターのバーは軽々と高回転に飛び込んでいく。

ポジションや乗り味は、いわゆるモタード。スロットルはすぐに全開になる。エンジンは、胸がすくような速さとドゥカティらしいフィーリングを披露する。感動したのは、低速から高回転まで使いやすいこと。これは最新の電気や燃調がなければ達成できなかったことだろう。ドゥカティらしさは高回転の伸びだ。デスモドローミックというバルブ開閉機構が胸の空く加速を見せてくれる。

しかも、スライドしながらコーナーに進入することなんかしなくても、軽快かつスリムな車体はさまざまなライディングを楽しませてくれる。ハングオフして膝を擦ってもいいし、イン側の足を出してリーンアウト気味にモタード気分を味わうのも良い感じだ。

4位:ヤマハYZF-R15とYZF-R25を比較試乗

ヤマハでは軽二輪クラスに249ccのYZF-R25と、155ccのYZF-R15という2台のフルカウルスポーツを用意している。“車検がなく、維持しやすくて高速OK!”という大枠のキャラクターは一緒であるはずだけど、一体どうキャラクターが違うのか? 実際にYZF-R25とYZF-R15を同条件で比較試乗してみることにした。

両車ともワインディングを楽しめるし、高速道路だって余裕を持って走れてしまうが、わかりやすく2台の選び方を述べるなら「高速道路を使った移動が頻繁にあるなら快適なR25」「スポーツライディングを楽しみたいならサーキットでも遊べるR15」と言ったところ。約15万円という価格の差以上に、しっかりとキャラクターの棲み分けができているのだ。

YZF-R25のポイントは、設計思想がしっかり表れた「楽ちんポジション」とパラレルツインならではの「伸びのいいエンジン特性」。一方、R15は141kgという「125ccクラスの軽さ」と、最新のYZFシリーズに通じる「凄みの効いたデザイン」だ。とくにヘッドライトまわりのデザインはYZF-R7などの兄貴分達にも負けない迫力がある。

YZF-R15の、この低く構えたデザインをYZF-R25で成立させるとしたら、ハンドル位置をかなり下げる必要があるだろう。スタイリングにも、それぞれの立ち位置が現れているのだ。

5位:ヤマハXSR125/ホンダ モンキー125 原付二種比較試乗

原付二種と呼ばれる125ccクラスのバイクは、日常の足から趣味の1台まで、幅広くバイクユーザーの支持を受けている。その中で「趣味的125」の代表選手と言える、ヤマハのXSR125とホンダのモンキー125を比較してみた。排気量クラスと手動クラッチのMT車ぐらいの共通項しかないが、同時に乗ってみるといろいろなことが見えてきた。

端的に言えば「できることは一緒だが、得意分野がそれぞれ違う」といったところ。モンキー125は、ひとり乗りだったり、前後12インチホイールからくる独特の乗り味だったり、良くも悪くも個性が強くセカンドバイク向きだ。あくまでメインのバイクがあったうえで、“ちょっとキャラクターの尖った2台目が欲しい”。そんな要望を満たすようなマシンになっている。

対して、XSR125のキャラクターはあくまでニュートラル。走りが素直でスポーツライディングのイロハも学びやすい。その一方で、対応速度レンジも広く、二人乗りも可能で実用性も高いから、十分メインバイクを張れる素養を持っている。それこそ、免許をとったばかりのライダーの初めての1台としては自信を持ってオススメできるぐらいだ。

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