
1958年に登場し、日本のビジネスシーンを支え続けてきたホンダのスーパーカブ50。その60年以上の歴史に終止符が打たれてしまいそうだ。原付二種を出力制限することで原付一種とみなす“新基準原付”の導入により、現在販売されている50cc車の多くは生産終了となりそうだが、それは名車スーパーカブすら例外ではなさそうなのだ。
●CG作成:SRD
日本から50ccが消える日
【ホンダ スーパーカブ50(24万7500円)】2022年にメッキだったマフラープロテクターとリヤキャリアをブラックアウトするなどの変更を受けた現行型。兄貴分110は同じ2022年に前後キャストホイールとFディスクブレーキ&ABSが導入されたが、50はスポークホイール&ドラムブレーキのまま。
1958年に登場した初代C100以来、66年に渡って生産され続けてきたスーパーカブ50。まさにホンダのアイコンと言っていいモデルが生産を終了する…。そんなショッキングな情報が飛び込んできた。
その理由は2025年11月に50cc車の排出ガス規制が改定されることを踏まえて導入される“新基準原付(新原付)”にある。最高出力を4kW(5.4ps)に制限した110〜125cc車を新原付と定め、従来の50cc車と同じく原付一種免許で運転可能に法改正するものだ(その詳細や制定の理由は別記事を参照されたし)
この新原付の導入が確定的となったことを受け、ヤマハはホンダからOEM供給を受けている50cc車の販売終了と新原付への移行を示唆したし、スズキも同様の方向性を模索しているとの噂だ(電動も含む?)。一時はジャンル消滅すら危惧されていた原付一種が新原付として存続できるのだから、関係者の努力には本当に頭が下がる。
骨肉のライバルも今は兄弟機種
とはいえ、110〜125cc車は2人乗りを前提とした機種がほとんどのため、必然的に日本の50cc車より車体が大きく、シートも高い傾向にある。小柄で扱いやすい現行50cc車に慣れ親しんだユーザーが新原付に買い替えた場合、使い勝手が悪くなった…と感じる場面もあるかもしれない。
実際、ホンダは国内ユーザーの事情を斟酌し、50cc車を排ガス規制に適合させる方向も検討していたと聞く。しかし最終的には新原付へと舵を切った模様。これにより、2025年11月をもって国内の新車ラインナップから50cc車が消滅するのはほぼ確実な情勢となった。
ファンへの感謝を込めたファイナル仕様
それはホンダの看板機種であるスーパーカブですら例外ではなかったわけだ。50cc版の生産終了に伴って、スーパーカブ110をベースとする4kWバージョンが新原付版として登場するのだろう。そもそもスーパーカブ50と110の車体は共用だから、前述のような使い勝手の悪化はないはずだが、そこはカブの代名詞だった50。生産終了は心情的にかなり寂しいものがある。
しかし、ちょっと楽しみなニュースもある。50cc版の生産終了を受けて“ファイナルエディション”的な車両が設定されるというのだ。その仕様や価格、登場時期などは現在調査中だが、一説によると過去のスーパーカブ50に存在したカラーリングを採用するとの噂だ。これは気になる!
過去に存在したスーパーカブの車体色と聞き、誰もが想起するのは初代C100の通称“マルエムブルー”と赤いシートのコンビだろう。しかし、これはスーパーカブC125登場時のカラーと被ってしまう。1962年に登場したC100の北米輸出仕様・CA100の鮮やかなレッドも印象的だが、これは2018年の60周年記念車で既に採用済みだ。
では、近年のカブに採用されていないレガシーカラーは…というわけで、C100時代の車体色で人気の高いブラウンと、50ccカブ初のOHCエンジン搭載車・1966年式C50のブルーをモチーフにCGを作成してみた。自画自賛ながら、どっちもかなりイイ出来と思うのだが…いかがでしょうかホンダさん!!
50の消滅は残念なものの、どんなカラーリングで登場するかは興味津々。コレクターズアイテムとしても争奪戦必至の“スーパーカブ50ファイナル(仮)”、購入希望者は心して待たれたし!!
ファイナル案その1:初OHC車モチーフのさわやかブルー
MOTIF
【スーパーカブC50(1966)】独特な膨らみのウインカー形状から”おっぱいカブ”と愛称される1966年式C50。OHCエンジンを初搭載した50ccカブで、このエンジンの基本は2012年にフルモデルチェンジを受けるまで踏襲されている。
ファイナル案その2:マニア人気の”茶カブ”もアリか?!
MOTIF
【スーパーカブC100(ビーバーブラウン車)】通称”茶カブ”と呼ばれるC100のブラウンカラー(広報写真が手元になく、ミーティング時に撮影した参加車両で紹介)。OHV時代を象徴する車体色として人気が高い。余談ながら当時の90cc版カブには”エレファントグレー”と呼ばれる灰色も存在。当時のカラーデザイナーは動物好き?!
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