イタリアの伝統あるブランド・イタルジェットが、11月8日に開幕したEICMA(ミラノショー)にて、水冷450cc単気筒を搭載した異形のバイク「ドラッグスター500GP コンセプト(DRAGSTER 500GP concept)」および電動の「DRAGSTER #e01 Electric」を発表した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:イタルジェット
トレリスフレームのスクーターに450ccエンジンを搭載!
イタルジェットの「ドラッグスター(DRAGSTER)」については、スチール製トレリスフレームにスクーターのエンジンを搭載したドラッグスター125/200が発売され、その異形にふさわしいキャラクターとプレミアムなデザインで話題になった。最初のロットが日本に入ってきたのは’22年春だったが、今年のEICMAではさらにその続きを見せてくれた。
新たに発表された最初の1台は、450ccの単気筒エンジンを搭載し、”本物のモーターサイクル”のパワーにハイパースクーターの軽さと俊敏性を融合したという「ドラッグスター500GPコンセプト」だ。イタルジェットはこれを、新たなカテゴリーの「アーバンギアード(URBAN GEARED)」と分類している。
ドラッグスター125/200に比べて明らかにゴツいスチール製トレリスフレームに搭載するのは、DOHC4バルブの450cc水冷単気筒エンジン。43hp/8000rpm・4.38kg-m/6000rpmを発生し、驚くべきことに6速ギヤボックスと湿式多板クラッチを備えたマニュアルトランスミッション車としている。
フロントには通常のモーターサイクルと同じようにステアリングヘッドの上下でブラケット支持するタイプのφ47mm倒立フロントフォークを採用。リヤにはハイドロニューマチックショックアブソーバーをダブルで装着する。ブレーキはフロントにφ270ディスクをダブルで、リヤにはφ230mmディスクを装着しブレンボ製キャリパーとABSを装備している。ピレリタイヤを装着したホイールは前後15インチだ。
このドラッグスター500GPは、イタリア・ボローニャのイタルジェットスタイルセンターで開発され、’24年から市場に投入される見込みだという。
ITALJET DRAGSTER 500GP concept
主要諸元■全長2045 全幅750 軸距1484 シート高820(各mm) 車重180kg■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 43hp/8000rpm 4.38kg-m/6000rpm 変速機6段 燃料タンク容量12L■タイヤサイズF=120/70-15 R=160/60-15
電動バージョンは最終版で、2023年後半に発売予定
そしてもう1台は、最高出力16.32ps、定格出力8.16ps、ホイールでの最大トルク36.73kg-mという途方もない電動モーターを備えた、シリーズ初のゼロエミッションモデルである「DRAGSTER #e01 Electric」の最終バージョンだ。
フロントサスペンションには、ドラッグスター125/200と同様のインディペンデントステアリングシステム(ISS)を装備し、最大容量4.91kWhバッテリーはシティランで180kmの航続距離を誇る。充電時間は、標準の1.0kW充電で4.0時間(95%) から5.5時間 (100%) の範囲。急速充電 (10kW) の場合は36分 (100%) または30分 (95%) に短縮されるという。こちらは2023年後半に発売予定。
このほか、EICMAではドラッグスター200のマロッシバージョン(マロッシはスクーター系に強いチューニングパーツメーカー)を展示。イタルジェットはマロッシアカデミーと契約を結び、レーシングアカデミーの参加者に10台のドラッグスター200を提供し、専用のチャンピオンシップをサポートするという。
また、ドラッグスター125/200については2023年末までにアメリカに上陸することも併せて発表された。
ITALJET DRAGSTER #e01 Electric
主要諸元■全長1890 全幅750 軸距1350 シート高770(各mm) 車重150kg■電動モーター 最高出力16.32ps/5000rpm 定格出力8.16ps、ホイールでの最大トルク36.73kg-m 変速機ATCシステム+ベルト バッテリーi-Ion インテリジェント4.91 kWh■タイヤサイズF=120/70-12 R=140/60-13
ITALJET DRAGSTER200 MALOSSI
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
目立つにはコレに乗れ! イタリア発のアーバンスポーツ その姿はあまりにも異質。このイタルジェットのドラッグスターを表現するとき、言葉を選ばなくてよいなら、もっともしっくりくるのは”異形”という単語だろ[…]
イタルジェット ドラッグスター 詳細解説 スタイリング ライディングポジション インディペンデントステアリングシステム(I.S.S.) ブレーキをかけた際、大きくノーズダイブしてキャスター角やトレール[…]
生産開始は間近、スポーツバイクを愛する人々へ 2004年のロードレース世界選手権125ccクラスチャンピオンで昨年までドゥカティのMotoGPファクトリーマシンを走らせていたアンドレア・ドヴィツィオー[…]
まず安全性、そしてMotoGPレベルのエアロダイナミクス、快適性を追求 アルパインスターズは、オンロード用フルフェイスヘルメット「スーパーテックR10(SUPERTECH R10)」の開発に取り組んで[…]
いまどきMotoGPマシンは、いろんな羽が生えている!? ここ数年、MotoGPマシンの空力デバイスの進化が凄まじい。もちろん、空気抵抗との戦いはずっと昔から続いているが、ことドゥカティが2016年の[…]
最新の記事
- 2025年「56レーシング」チーム体制発表! 13歳の富樫虎太郎は全日本J-GP3フル参戦、新たに9歳の木村隆之介も加入
- Wチャンピオンを手土産に世界に再挑戦!【國井勇輝インタビュー】
- 「いつから、いくら下がる?」ついにガソリンの暫定税率廃止へ! 新原付の地方税額も決着……〈多事走論〉from Nom
- 【2024年12月版】シート高780mm以下の400ccバイク10選! 地面に足が着くのはやっぱり安心
- 「これを待ってた」ホンダ新型CB400フルカウル「CBR400RR/CBR400R FOUR」スクープまとめ「かっけー!」
- 1
- 2