独自のステアリングシステムを持つ「Newアーバン スーパーバイク」ことイタルジェット ドラッグスター(DRAGSTER)は、2020年末頃の発売を予定していたがコロナ禍の影響から発売時期はズレ込んできている。だが動きを止めたわけではない。間もなくデビューするドラッグスターのアンバサダーが発表された。
生産開始は間近、スポーツバイクを愛する人々へ
2004年のロードレース世界選手権125ccクラスチャンピオンで昨年までドゥカティのMotoGPファクトリーマシンを走らせていたアンドレア・ドヴィツィオーゾが、同じボローニャのバイクメーカー「イタルジェット(ITALJET)」と組んで、最先端スクーター・ドラッグスターのブランドアンバサダーに就任することが発表された。
ドラッグスター125/200は2018年のEICMAでコンセプトモデルが発表され、翌年のEICMA 2019で量産に近いモデルが公開されたもの。2020年には、日本における輸入・販売を行うのがMVアグスタジャパンと発表されたことも記憶に新しい。
ドラッグスターは最新モデルだが、その先祖に当たる初代は1995年に発売され、最新型の原型ともいえる独自のメカニズムを満載してファンを獲得していた。最新のドラッグスターは、革新の「インディペンデント・ステアリング・システム(I.S.S.)」をスチール製トレリスフレームに組み合わせ、4ストローク単気筒エンジンを搭載。125ccと200ccの2種類の排気量をラインナップする。コンセプトは「New Urban SuperBike」だ。国際インドネシアモーターショー2021(IIMS)で最優秀スクーター賞を受賞したほか、フォーブス誌による“2021年に乗らない得ればならないスクーター”のトップ5に選出されている。
ドヴィツィオーゾはアンバサダーに就任するとともに、このドラッグスターの開発ライダーを務める。パワー特性やブレーキ性能、さらにハンドリングの細やかな調整などに、MotoGPマシン開発で得た知見を発揮することだろう。
イタルジェット社の社長兼CEOであるマッシモ・タルタリーニ氏は、「新しいドラッグスターを設計したとき、私はドラッグスターを“街を走る小さなスーパーバイク”としてイメージしました。レーストラック上で味わえる本物のバイクの感覚を与えることができるスクーターなのです。ドラッグスターがそのすべての可能性を表現し、クラス最高になることを望んでいます。ですから、世界で最も有名なモータースポーツの、誰もが認めるライダーに頼らなければならないと思いました。私はすぐにアンドレア・ドヴィツィオーゾのことを考えました。アンドレアは、私がいつも尊敬している人物であり、プロであり、未来をを見ることができるライダーだからです」とコメントしている。
ドヴィツィオーゾは、「初めてドラッグスターを見た時に、エネルギーの塊であるかのように感じ、感激しました。パーツやブレーキシステム、エンジンの開発に協力できることを嬉しく思っています」とした。
このバイクは特に日本で高く評価され、さらに世界中からたくさんの予約注文が寄せられている。ドラッグスターがなぜそのように評価されているかについて、タルタリーニ氏はこうまとめている。
「大きなメーカーたちは、今ではすべてがよく似たバイクで横ばいと言っていいと思いますが、バイク乗りたちは自らの情熱のためにバイク選びをするという事実からすると、魂とキャラクターが不足しています。イタルジェットは競合他社に比べて小さな会社ですが、ほかとは違うアーバンバイクを実現するために情熱を傾けました。ドラッグスターはスクーターとして分類されるかもしれませんが、私たちはさらに異なる何かを創り上げたと信じています」
今回のリリースによれば、ドラッグスターの生産開始は間近に迫っており、世界50か国で買えるようになるとしている。
革新の『インディペンデント・ステアリング・システム(I.S.S.)』
ブランニューのイタルジェット・ドラッグスターは、イタリアンブランドらしい独創性に加え、ユーロ4対応の4ストローク単気筒DOHC4バルブエンジンを搭載。125ccと200ccの2種類の排気量を用意している。コンセプトは「New Urban SuperBike」で、アルミプレートを備えた合金トレリスフレームと、インディペンデント・ステアリング・システム(I.S.S.)と名付けられた独自のフロントサスペンションを採用。フロントのアルミ製片持ちスイングアーム、独自のショックユニット配置、トレリスフレームなどはすべて目に見えるようになっており、その機能美を主張する。
ITALJET R&Dによって実現された 特許取得済みの I.S.S.は、ステアリングアクションとサスペンションアクションを分離し、路面の粗さをフィルタリング。不快な振動はハンドルバーに伝わらないという。I.S.S.アクションと油圧式ショックアブソーバーの組み合わせにより、ブレーキング時にはスプリングではなく構造で減速Gを受け止めるため、ノーズダイブが最小限に抑えられるのが特徴だ。
タイヤは同じイタリアのピレリ製エンジェルスクーター(Angel Scooter)で、フロントは120/70R12、そしてリヤは140/60R13という太いサイズを履く。ハンドルバーは、スクータースタイルながらアルミ製セパレートハンドル。ブレーキは前後ともブレンボ製の油圧ディスクブレーキを採用している。
ドラッグスター専用に設計された Superbike Full Ledライト、両側にひとつずつあるダブルラジエーター、エアロダイナミクスを考慮した車両前面も、DRAGSTERの機能性を表現したものだ。
ITALJET DRAGSTER 125/200[2021 model]
【ITALJET DRAGSTER 125/200[2021 model]】主要諸元■全長1870 全幅680 全高未発表 軸距1345 シート高770(各mm) 車重108[112]kg■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 125[200]cc 14.9hp/10000rpm[19.8hp/8250rpm] 1.22kg-m/7750rpm[1.73kg-m/6250rpm] CVT式無段変速 燃料タンク容量7L■ブレーキF=φ175mmディスク+2ポットキャリパー R=φ240mmディスク+2ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70R12 R=140/60R13 ●価格:65万4500円[69万8500円] ●色:灰×赤、灰×黄、黒×灰(標準モデルのみ)、黒×マグネシウム(初回ロット限定車のみ) ●発売時期:未発表 ※[ ]内は200
※掲載写真は最終仕様と異なります
ITALJET DRAGSTER 125/200[2021 model]ディテール
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