HSR九州が主催しているアマチュアレース「鉄馬(てつうま)」に今年から新設される、GB350ワンメイクレースへの参戦を表明しているモリワキエンジニアリング。その参戦ライダーを一般から公募するというチャレンジは以前にレポートしたが、このたびライダーが決定し、いよいよプロジェクトがスタートする運びとなった。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:モリワキエンジニアリング
選ばれたのは28歳の主婦
モリワキの「GB350プロジェクト」とは、鉄馬のGB350ワンメイクレースにモリワキが参戦し、そのライダーを一般公募で決めるという驚きの企画。応募に必要なのは「モリワキのレーシングライダーになりたい!」という想いだけで、モリワキが製作するレース用GB350が貸与されるのはもちろん、参戦に必要な装具類や消耗品、交通費に至るまでモリワキと当企画の協賛メーカーが負担するという、まさにレーシングライダーへの憧れや夢を叶えてくれるプロジェクトなのだ。
この企画が今年の1月1日にWEBヤングマシン上で発表されると、モリワキには応募が殺到。その層は10代から60代まで幅広く、レース経験の有無も含めてスキルも様々で、最終的には1月18日の締切までに全国各地から応募が寄せられたとのこと。応募者の熱量はみな非常に高く、モリワキ側も選考には非常に頭を悩ませたそうだが、厳正なる書類選考とWEB面接を経て、最終的には東京都の主婦・金子美寿々さん(28)が選出された。
金子さんは5歳から12歳までポケバイやミニバイクレースを経験し、10歳のときにはポケバイ全日本大会のトップクラスで優勝するなど、プロライダーを目指していた過去を持つ。しかし、12歳のときに共にレースを戦ってきた父親が他界したのをきっかけに夢を断念。以来バイクからは離れていたものの、26歳のときに命に関わる難病を患ったことでバイクへの思いが再燃、免許を取得してライダーに復帰し、さらにミニバイクレースにも再参戦を始めた…という女性だ。
現在の夢を「HRC GROM CUPのグランドチャンピオンシップで優勝すること」と語る金子さんは、3児の母親でもあり、子供を学校に送ったその足でサーキットに練習に向かう…という、子育てにもレースにも全力投球の生活を送っている。そのパワフルな姿にモリワキ側も強く心打たれ、今回の選出につながったという。
今後、金子さんを全面的にバックアップしていくモリワキは、今回寄せられた多数の応募には本当に感謝しかないとのことで、日本有数のレーシングコンストラクターが“ファンへの恩返し”として始めたチャレンジは順調なスタートを切ったと言っていいだろう。このモリワキGBプロジェクトは同社のホームページやSNSで発信されるほか、ヤングマシンでも随時追いかけていく予定だ
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